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1047 京崎=長崎市野母崎樺島町(長崎県)一島一村の樺島で北東端にある岬は防波堤と中島越しに眺める [岬めぐり]

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 脇岬という名の岬は残っていないが、町があったので特別に加えた前項で、弁天島や祇園山という小山があることを紹介したが、これらも昔は島だったし、とくに弁天島のほうは、伊能図測量のときには明確な島として測られている。
 おそらくは、脇岬漁港が築港される以前は、ここは小さな寒漁村であったと推測される。観音寺のある丘には岬という旧字地名が残る。ここから先祇園山までは、か細い砂州でつながっていたくらいではなかったか。
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 祇園山の南東に位置する中ノ島(現表記:中島)はやはり佐賀藩領との境界でもめたらしい小島である。中島は高いところでも30メートルほどしかないが、さらにその南にある樺島は、100メートル以上はある。
 脇岬のほうから眺めると、その見えている北面だけは脇岬町で、その南部分は野母崎樺島町と、現在もその住居表示に昔からの領地争いが尾を引いていることがわかる。
 この島だけで一村(町)をなしていたわけだが、現在では脇岬の祇園山から中島を経て架橋があり、島を意識せずに往来ができる。
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 京崎は、この樺島の北東端という位置づけにある。その西には大きな切れ込みのようになった入江があり、昔からそこを港として活用しつつ周辺に唯一の集落ができた、という感じであろうか。
 入江の奥の沢には「∴オオウナギ生息地」と、地図に明記してある。この沢をはじめ、島では水が豊富だったようで、それが一島一村が成り立つ大きな理由でもあったろう。
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 バスを降りたのは脇岬。そこが岬が細くなったところなのだが、ここが終点ではなく、もっと木場寄りに行くらしい。植物園とかなんとかパークとかそんなものができているらしい。
 音瀬鼻とか二本松鼻とか呼崎とか松ヶ崎とか、伊能測量隊がここを通った頃には、脇岬付近にはそんな岬の名前も記されており、樺島(当時は椛島)にも白岳崎とか瀬尻崎という岬も名前だけは記されている。そういう名前が現在の地図からは消えているところをみると、岬の数は、だんだん減っていっているのだろうか。
 一般論で言えば、海岸の埋め立てや護岸工事などの結果、それまでの岬が消滅するという傾向は、あきらかにある。だが、それだけでもないような気がしてくる。
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 脇岬の弁天山も、埋め立てでしっかり港湾の一部になっている。28メートルの小山は、その樹叢(じゅそう)が県指定の天然記念物だという標識が立っている。やはり南方系の植物相が特徴で、なかでもアコウが目立っているらしい。遠き島より流れ寄って芽を出し根を張るアコウは、この岬めぐりでもけっこうおなじみである。
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 弁天山の下を南に行くと、脇津という港がある。これも「脇」で、北側のメインの港とは別の港であることを示しているのだろう。
 脇津の南にあるのが、標高51メートルの祇園山で、そこから中島へ赤い橋が架けられている。これが樺島大橋で、その先は陸繋道で樺島につながっているように、地図には記してある。樺島大橋は、船舶の航行を妨げないよう、高度をつくりだしていると思われる。
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 京崎は、その下の部分は長くて高い堤防に遮られている。ここは、樺島漁港に出入りする需要な目印でもあったのだろう。
 樺島へはバス路線もいちおうはある。路線があっても乗れるかどうかは別問題、というやつで、京崎も脇津からがやっとだった。
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 雨は相変わらず降っていて、止む気配もない。脇岬のバス停の小さな待合所の中で、帰りのバスを待つことにする。
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▼国土地理院 「地理院地図」
32.568841, 129.788762
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dendenmushi.gif九州地方(2013/11/03訪問)

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タグ:長崎県
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