645 黒崎=石巻市鮎川浜(宮城県)牡鹿半島の最南端がここでシカしかいない金華山も同じ [岬めぐり]
金華山は有名な観光地なので、そこを目指して多くの人がやってくるが、そのルートは鮎川港から金華山瀬戸に面した船着き場へ、この連絡船で渡るのが唯一のルートになる。金華山は、南へ向いて張り出した牡鹿半島の南とわずかな水路をはさんで向かい合っている。
半島の最南部は、黒崎という大きく長い岬が出っ張っている。そこで、鮎川の港を出た船は、しばらくは一路南へ走り、黒崎を大きく回り込んで、今度は北へ向きを変え、瀬戸のなかほどにある船着き場を往来している。
鮎川港がどんどん遠くなって、黒崎に擦り寄るように走る船の上甲板デッキは、観光客のためにベンチが置かれ、網を掛けた手摺が巡らしてある。お天気もよくないせいか、他の客は誰も上がってこない。
黒崎灯台という灯台もあるが、昼間はあまり目立たない。
黒崎を回り込んだところで、進行方向に、牡鹿半島南部のピ−クである駒ヶ峰(323メートル)が、雲をすっぽりかぶった姿を見せてくる。
その右下のほうに、小さく見える白い建物は、この付近でただ一軒の観光ホテルである。計画を立てる段階では、ここに泊まる案も考えていたので調べたのだが、このホテルの立地は、まことに妙な場所にある。金華山瀬戸がいちばん狭くなったところで、金華山の黄金山神社に向いてはいるが、そこから直接行けるわけではない。
帰路にみたところでは、黒崎とそのホテルの対岸で鹿がたくさんいる鹿山付近が、見えていた瀬戸にシャッターを閉じるように閉まってしまった。
黒崎を回り込んで入り込んだ金華山瀬戸は、別に養殖漁業が盛んというほどではなさそうだったが、生け簀のようなものが浮かんでいた。
瀬戸を渡って、着いたところは金華山でひとつしかない船着き場。船を降りたところには、土産物屋のような食堂のようなものもあるが、正面には鳥居と社務所の出張所が控えている。それだけでなく、黄金山神社参拝用のシャトルバスが待っていて、船を降りた人はみんなそれに詰め込まれて、いきなりの急坂を登って行く。だが、へそまがりのでんでんむしは、こういうときでも一人はぐれててくてく歩いて登る。
しばらく登ると、船着き場と、遠く遙かな黒崎が一枚に見えてくる。その先端にくっついている平たい島は、鮎川港の沖合いに、フタをするように横たわっている網地島の最南端部分である。 黒崎のある場所は、石巻市鮎川浜であるが、船で着いたここも同じ住所である。ええーっ! そりゃないでしょうが…。いやいや、それどころか、金華山全体がどこへ行ってみてもすべて“石巻市鮎川浜”なのである。ますます、そりゃないでしょうがと思ったが…。金華山は、神社とあとはシカしかいないので、それでいいのだ…。(ろうか?)
さらに登ると、こんな感じに…。黒崎は、中央を峰が走り、御番所山という名がある一帯は、展望公園にもなっているようだ。大きな岬ではあるが、先端部はなだらかに落ちている。“御番所”というのは、岬でもたまに遭遇するが、船番所があったということである。しかし、こんな山の高いところにいては、イザというときの不審船のチェックはできないので、それは見張り所のようなものであったのだろう。
なお、写真の右下の白い丸いものは柵の柱ではない。苗木をシカから守っているのである。それと、金華山にはシカのほかにサルもいるそうだが、それは見かけなかった。
38度16分21.98秒 141度31分22.58秒
東北地方(2010/09/20 訪問)
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