010 麦崎＝志摩市志摩町片田（三重県）円空の碑に曰く「九十六億スエノヨマデモ…九十六億スエノヨマデモ」と

　麦崎…と聞いて、あそこかとわかる人は、地元の人のほかにはそう多くないだろう。志摩半島というのは微妙な半島で、どこからどこまでがそうなのか、なんとなくぼやけている。その端っこのほうに、英虞湾をぐるんと巻き込むような形で延びている大きな岬のなかほどに、南に盲腸のように飛び出しているのがそうである。


　片田郵便局前というバス停で降りて、海よりに家の間を縫うようにして続く道の行き止まりから小山にわずかに登ったところに、ちゃんと灯台もあるし、標識もあるし、志摩の海女さんまで立って待っていてくれたのには感激した。

　はまゆうのカブも植えられているところを見ると、誰かがもっとこの岬にやって来ることを期待しているのだろうか。

　片田の港も整備されて公園やトイレもできており、そこに近年新たにつくったらしい円空の碑があった。崩し字が読めない（情けないです、日本人として）ので違っている可能性もあるが…。
　イクタビモ　タヘテモ立ル　清シ道（法ノ道？）　九十六億スエノヨマデモ
　岬の集落は、古い趣のある家並で埋められており、銃眼のような穴まで開いた石垣をめぐらした立派な家もある。ここらがかなり昔からの歴史をもつものだということを忍ばせてくれる。
東海地方（2005/03/17訪問）

▼国土地理院　「地理院地図」
34度14分48.69秒 136度50分51.25秒

中部地方（2005/03/17　訪問）

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