SSブログ

1580 戸尻鼻=香川郡直島町・玉野市石島(香川県・岡山県)この島のこの岬を県境が通っている [岬めぐり]

*DSCN0561 (1).jpg
 戸尻鼻は井島の北東端に出っ張った、小さくて低い岩の塊のように、地図では見える。そこを豊島家浦港を出たフェリーから眺めているのだが、横から見ているだけなので、小さい岬のうえにその向こう側の島や陸地の景色が重なり合い折り重なって、その先端を判別するにも苦労なほどだ。
*DSCN0562 (1).jpg
 白い灯台が目立つくらいしか手がかりのない風景だが、この灯台があるのは筏島という。この島は井島の戸尻鼻からは、北西940メートルのところに浮かんでいる小さな無人島で、岡山県玉野市に属する。筏島と戸尻鼻の間を塞いでいる山と陸地も、玉野市の出崎半島付近になる。
*DSCN0567 (1).jpg
 井島は、なかなか複雑な状況に位置している。その読みは「いじま」だが、これは香川県側からみた名前で、同じ島が岡山県側からみると石島となり読みは同じく「いじま」。
 南北3.2キロの痩せたサツマイモのような島は、北側3分の1が岡山県で、南側3分の2が香川県。北東端の戸尻鼻と西端のヘラガ崎を結ぶ境界線が、稜線を辿って引かれている。小さな島に県境が引かれているのはめずらしい…と書かれた情報も多いのだが、同じく岡山県と香川県の県境が通っている島には、槌土瀬戸の大槌島のような例もあるので、この海域に関してはそうめずらしいことでもないらしい。

 1346 大崎ノ鼻=高松市亀水町・坂出市王越町木沢(香川県)円錐形の小槌島と大槌島がならぶ景色は人気で…

 その大槌島についても触れた大崎ノ鼻の項目では、讃岐と備前の境界争いの話についても書いていた。
 現在の岡山県と香川県の県境は、この付近の海域では香川県の領域がずっと北寄りに岡山県側に食い込んでいる。それは玉野市からは目と鼻の先にある直島諸島が、そっくり香川県側になっているからで、境界争いの決着をつけるのに、樽を海に流して決められたという話もいかにももっともらしく聞こえる。
 おそらくは、出崎との間の海峡が境界ではなく、島を東西に曲がりくねって分けるこの井島の境界線も、そのときの事情と絡んでの結果なのだろう。
*DSCN0569 (1).jpg
 そして、数少ない住民が住む集落は、岡山県側の石島にしかなく、香川県側の井島はすべて無人地帯となっている。東のフェリーから眺められるのは井島ばかりで、石島は右手の山と戸尻鼻の向こう側になるので見えない。
*DSCN0570 (1).jpg
 井島の山全体が、赤茶けたように見えているのは、2011(平成23)年に起きた山火事のせいだという。何日も燃え続け、島の90パーセントが消失したというこの山火事の発生した日には、船でやってきた男女十数人のグループがバーベキューをしていたことが確認された、という情報はあったがそれっきりで、出火原因や「犯人」についての続報は見当たらなかった。
*DSCN0577 (1).jpg
 現在の島の姿は、8年前の山火事から懸命に回復しようとしている植生の様子なのだ。
*DSCN0579 (1).jpg

▼国土地理院 「地理院地図」
34度30分23.96秒 134度1分24.85秒
スクリーンショット 2019-03-17 8.32.12.jpg
dendenmushi.gif四国地方(2018/10/12 訪問)

@このブログは、ヘッダー、サイドバーをも含めた、全画面表示でみることを大前提としています。スマホでご覧の場合も「表示切替」で「PC」を選んで、画面表示を切り替えてご覧いただけるとうれしいです。

にほんブログ村 その他趣味ブログ
その他珍しい趣味へ

きた!みた!印(17)  コメント(0) 
共通テーマ:地域