1572 戸形崎=土庄町土庄(香川県)男木島北端のトウガ鼻と豊島南端の礼田崎もいっしょに望めます [岬めぐり]
3日ぶりの青空となったこの日は、まずは小豆島の土庄(とのしょう)で残っている岬を一周りする。小豆島は小豆島町と土庄町に分かれているが、島の北西部を主にその領域に占める土庄町で、南西部に張り出している半島のような部分がある。その一帯全部が、現在の住居表示では土庄町土庄という大雑把に括られまとめた表記で表わされるが、元はもっと細かい字名がついていた。
泊まったホテルはオーキドホテルというが、それは土庄の港に面したこの所在地が大木戸という字地名だったからだ。
ホテルの前から出る、朝一番のオリーブバス西浦線の西回り始発バスに乗って、この出っ張りをぐるっと3つの岬を回って、また港まで戻る。…つもりだったのだが、ここで思わぬ競争相手が現れて、運転席横のいちばん前の座席を先に占領されてしまった。
ガラガラの車内でまさか、の事態であったが、仕方がないので後ろの座席の海側に座る。
大木戸をでて、畝木、小瀬と字地名を辿りながら、まず戸形崎へと向かう。海岸線に出ると、右手の車窓に現れてくるのが豊島(てしま)と小豊島で、この二つの島までは同じく香川県小豆郡土庄町の領域なのだ。
土庄町伊喜末の住居表示をもつ小豊島までは、土庄町土庄の小瀬付近からだと1.6キロくらいしか離れていない。その間を、高松へ向かう白いフェリーが通って行く。
地理院地図を見ると、重岩という岩のある山の北側を、送電線が伸びてきて、海岸のところで消えている。そこから西の対岸にある小豊島でも、豊島から続く送電線が伸びてきて、島の北東端で消えている。
これは土庄小瀬と小豊島の間を海底ケーブルで繋いでいる、ということなのだろうか。
南へ向かって走るバスの右側車窓で、その端っこにぽこりと姿を見せるのが小瀬港と小瀬集落の南に飛び出している小山。港はこの小山の陰を利用してできている。
戸形崎の名は、その南でわずかに出っ張っている岩棚につけられている。岩棚の上には何やら白い柱とやはり白くセメントで固めた祠がのっかっている。どうやら弁天さんか何かのようで、この祠のある部分は、満ち潮になると島になるのだろう。
車窓から通りすがりに見えた道路脇には、「ウミガメ産卵の地」という石標が建てられている。なんか、まだ新しいように見える。
地図では、この下の海岸には砂浜も広がっている。調べてみると、ここにアカウミガメが産卵したのは、2000年の夏のことだったようだ。これが子亀が孵化して海に帰っていき、翌年もまたちゃんと繰り返されるというのならめでたいのだが、なかなかそうはうまくいかないらしい。
ウミガメは生まれた浜へ帰ってくると言われるが、それが続かないということは、何十匹も孵化しても、無事に成長して帰ってはこられないということなのだろうか。それとももっと待っていれば、2000年に海に帰っていったカメがまたいつか戻ってくるのだろうか。
戸形崎は地味ながらそれなりに名所のようで、映画のロケも行なわれたり、白い柱にロープを渡してこいのぼりを海の上に泳がせるといったイベントがあったりするという。
白い祠と柱の向こうに見える小島は、地図ではアアラ島となっている。その右手奥にあるのは、豊島の最南端にあたる礼田崎と、その向こうは直島諸島の一部であろう。
左手の島が男木島(その右手先端がトウガ鼻)と女木島で、その背景に遠くあるのは四国本島の山々。望遠レンズで見れば、瀬戸大橋の橋脚も見えるだろう。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度28分13.30秒 134度8分30.02秒
四国地方(2018/10/12 訪問)
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