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1580 戸尻鼻=香川郡直島町・玉野市石島(香川県・岡山県)この島のこの岬を県境が通っている [岬めぐり]

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 戸尻鼻は井島の北東端に出っ張った、小さくて低い岩の塊のように、地図では見える。そこを豊島家浦港を出たフェリーから眺めているのだが、横から見ているだけなので、小さい岬のうえにその向こう側の島や陸地の景色が重なり合い折り重なって、その先端を判別するにも苦労なほどだ。
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 白い灯台が目立つくらいしか手がかりのない風景だが、この灯台があるのは筏島という。この島は井島の戸尻鼻からは、北西940メートルのところに浮かんでいる小さな無人島で、岡山県玉野市に属する。筏島と戸尻鼻の間を塞いでいる山と陸地も、玉野市の出崎半島付近になる。
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 井島は、なかなか複雑な状況に位置している。その読みは「いじま」だが、これは香川県側からみた名前で、同じ島が岡山県側からみると石島となり読みは同じく「いじま」。
 南北3.2キロの痩せたサツマイモのような島は、北側3分の1が岡山県で、南側3分の2が香川県。北東端の戸尻鼻と西端のヘラガ崎を結ぶ境界線が、稜線を辿って引かれている。小さな島に県境が引かれているのはめずらしい…と書かれた情報も多いのだが、同じく岡山県と香川県の県境が通っている島には、槌土瀬戸の大槌島のような例もあるので、この海域に関してはそうめずらしいことでもないらしい。

 1346 大崎ノ鼻=高松市亀水町・坂出市王越町木沢(香川県)円錐形の小槌島と大槌島がならぶ景色は人気で…

 その大槌島についても触れた大崎ノ鼻の項目では、讃岐と備前の境界争いの話についても書いていた。
 現在の岡山県と香川県の県境は、この付近の海域では香川県の領域がずっと北寄りに岡山県側に食い込んでいる。それは玉野市からは目と鼻の先にある直島諸島が、そっくり香川県側になっているからで、境界争いの決着をつけるのに、樽を海に流して決められたという話もいかにももっともらしく聞こえる。
 おそらくは、出崎との間の海峡が境界ではなく、島を東西に曲がりくねって分けるこの井島の境界線も、そのときの事情と絡んでの結果なのだろう。
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 そして、数少ない住民が住む集落は、岡山県側の石島にしかなく、香川県側の井島はすべて無人地帯となっている。東のフェリーから眺められるのは井島ばかりで、石島は右手の山と戸尻鼻の向こう側になるので見えない。
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 井島の山全体が、赤茶けたように見えているのは、2011(平成23)年に起きた山火事のせいだという。何日も燃え続け、島の90パーセントが消失したというこの山火事の発生した日には、船でやってきた男女十数人のグループがバーベキューをしていたことが確認された、という情報はあったがそれっきりで、出火原因や「犯人」についての続報は見当たらなかった。
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 現在の島の姿は、8年前の山火事から懸命に回復しようとしている植生の様子なのだ。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度30分23.96秒 134度1分24.85秒
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dendenmushi.gif四国地方(2018/10/12 訪問)

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1579 甲崎=土庄町豊島家浦(香川県)ここも「甲」が「兜」の意で用いられて混同されて定着したものか [岬めぐり]

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 豊島家浦(てしまいえうら)でも豊島唐櫃(てしまからと)と同じように、集落が浜と岡に分かれている。家浦浜のほうは、港に近い付近が住宅密集地で、その周囲に人家が続いている。そこから南へ島内を周回する道路に沿って、標高10メートルから30メートルくらいにかけて、家浦岡の集落が続く。
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 東北の岬めぐりで、集落と港を完全に分離して、狭い海岸には民家の一部と浜小屋くらいしかおいていない、ほとんどの住宅は港から離れた高台にあるという場所も複数あったが、ここの場合はいわゆる高台移転や津波の影響を避けるためというわけではないようだ。
 唐櫃の場合には浜から丘まで山坂を越えていかなければならず、若干距離も離れていたが、家浦の場合はごく自然に浜から緩い斜面の岡に上って集落が伸びていったような感じなのだろう。
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 甲崎は、家浦の港から1.6キロの西にある。三角形のとんがり帽子のような84メートルの山があり、その形状から付いた名前だと思われる。これをどう読むのか、はっきりしないのだが、「こうざき」よりも「かぶとざき」と読むほうが、ここの場合ピッタリするかもしれない。
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 Wikipediaによると、「元来、『甲』は鎧、『冑』は兜を表していたが後に混同され、甲が兜の意で用いられる事もある。」のだそうだ。とすると、ここの甲崎も混同組の一例で、兜のような形の岬としてこういう名になったと考えられるからだ。
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 家浦港に入港の前後に、甲崎は西側に眺められる。家浦浜から西には、道路も途中で終わっていて、岬の周辺には人家も何もない。
 唐櫃と家浦と、小豆島にまたがる土庄町である豊島での二つの寄港地に寄ったフェリーが、次に目指すのは終着の岡山県玉野市の宇野港となる。家浦港から宇野港までは、島と島の間をすり抜けるようにして西へ向かうことになる。
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 甲崎のさらに西側、遠くには、フェリーの行く手を遮るように大きく島影が見えているが、これは井島。まずはこの島を南(左手)に回り込んで行かなければならない。
 甲崎の緑とは対照的に、井島の山肌はなんだか焼けただれているように見える。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度29分20.85秒 134度2分36.24秒
スクリーンショット 2019-03-02 9.09.35.jpg
dendenmushi.gif四国地方(2018/10/12 訪問)

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1578 白崎=土庄町豊島家浦(香川県)名前の由来が明らかに想像できるような白い岩の小さな岬 [岬めぐり]

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 豊島は、東端の宮崎から西端の后飛崎まで6.28キロ、北端の虻崎から南端の礼田崎まで4.5キロ。その島の中心に壇山340メートルがあり、海岸で開けた三つの浜に三つの集落がある。
 それぞれ字地名として、北の東側には豊島唐櫃、西側には豊島家浦がありそれぞれ港を持つ。南にも豊島甲生があるが、そこには港はない。いや、港はあるのだが、定期船は寄港していない。この三つの集落を結んで壇山をぐるりと一回りする道路がある。
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 豊島島内を走る公共交通機関としては、豊島シャトルバスというのがあるようだ。家浦と唐櫃を日に7往復、家浦と甲生の間は3往復しているらしいが、今回の豊島の岬めぐりは、すべてフェリーから眺めるだけの横着モードで済ませることにしている。
 そのシャトルバスが通る道路の北の端に、硯という字名と小さな港を持つ集落がある。その名前からして、由来のひとつくらいありそうなものだが、どうも何もないようだ。
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 白崎はこの硯集落と港の北側に飛び出している。宮崎よりもさらに低く、高度は11.7メートルしかなく、東西に広がる砂浜のなかで、ここだけが岩のおかげで浸食を免れ、岬として残ったのだろう。
 虻崎を回り込んだフェリーが西へ進むと、だんだんとその白崎が大きくなってくる。
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 そして、白崎という名前の由来が想像できるような、はっきりした特徴を見ることができる。白崎の先端の一部が白い岩が露出した状態で、そこだけが白く目立っているのだ。硯という集落の名とここの石と関係でもあるのかとも思ったが、白い硯は聞いたことがない。
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 実は岬全体が、この白い岩でできていて、ほかの部分は植生に覆われるなどして目立ってないのかもしれない。
 白い岩といえば石灰岩だろうが、花崗岩には白っぽいものと赤味がかって見えるものがある。この付近の地域の地質傾向からみると、白い岩も花崗岩ではないかと思われるが、案に相違してここだけ石灰岩なのかもしれない。調べようとしてみたが、確かなことはわからなかった。でもまあ、ここだけ石灰岩ということはまずないだろうし、石灰岩であれば白さはもっと白いはずだ。
 次の岬は、家浦港の西にある甲崎だ。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度29分51.77秒 134度4分10.25秒
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1577 虻崎=土庄町豊島唐櫃(香川県)全国で数十人しかいないらしい虻崎さんのゆかりの地なのかどうか? [岬めぐり]

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 人名と地名または地域との関わりつながりについては、おおよそのことは言えるわかる場合もあるが、個々には史料などの確かな裏付けがない場合がほとんどのようだ。
 虻崎は、豊島唐櫃(てしまからと)港の西に張り出している、虻山という115.8メートルの山から北に流れ出る、幅のある尾根の北端にあたる。
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 どうやら、ここでは虻山が先にあって、その先っぽだから虻崎になったと考えられる。しかし、事はそれですんなりおさまるほど簡単ではなく、裏を返せば逆に虻崎がある山だから虻山になったと言えないこともない。
 豊島唐櫃港に着岸したフェリーからは、一人の乗客と、テイクアウトピザ屋の車と荷台の後部に○崎組と書いてある小型トラック、二台の車両が降りていった。字が判読できなかったが、これが虻崎組だったらおもしろかったのに、なかなかそううまくはいかないようだ。
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 虻崎は、人名と地名(といってもここでは岬名のみだが)のケースとして全国でも稀なものではないだろうか。
 名前(苗字)として、虻崎さんを名乗る人は、全国でも数十人しかいないようだ。非常に少ない、レアな名前だといっていい。それも主に二箇所の地域に限定されているようで、大阪府と香川県にほぼ限られている。そして、香川県というのがこの土庄町!
 この情報は、ネット上にいくつかある姓名検索などのサイトによるものなので、どの程度信用していいのか不確かなところはあるが、なかなかおもしろい。
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 こうしたことから、土庄町でも虻崎という岬のあるこの付近が、虻崎さんの謂れのある地域ではないかと想像できるが、これも確かなことはわからない。
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 虻崎周辺には人家はなく、道路も山道が一部通っているだけ。虻山は全山花崗岩の岩に覆われた山のようで、その東側の急斜面には何やら柱状に見える節理のようなものもある。海岸に近いところには、崖崩れのような跡もあり、四角いコンクリートの横穴のようなものも見える。
 かといって採石場の跡のようでもなく、上から見ると丸く幅のある虻崎の正体はどういうものか、なかなか明確に浮かんでこない。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度29分59.48秒 134度5分0.86秒
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1576 宮崎=土庄町豊島唐櫃(香川県)「岬まわるの小さな船が」の岬もちょうどこんな岬だったろうか [岬めぐり]

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 香川県小豆島の土庄港と岡山県玉野の宇野港の間は、直線距離で東西20.9キロ、その中間に豊島(てしま)がある。周辺海域には大小さまざまの島が浮かんでおり、広くは備讃諸島として括られ、この航路付近の豊島と直島を中心とした島々は、直島諸島と呼ばれることもある。
 直島は香川県香川郡直島町だが、豊島は香川県小豆郡土庄町。豊島の東隣に小さく寄り添う小豊島は、土庄町伊喜末と小豆島の北西部と同じ字名をもつ。豊島の西、直島の東に位置する井島は、南側3分の2は香川県の直島町で、北側3分の1は岡山県の玉野市という、なかなか微妙な線引きがされている地域・海域に入って行く。
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 室崎を後にしたフェリーの前方に、小豊島と宮崎がだんだん大きくなってくる。豊島ではまず唐櫃(からと)港に入港するが、その東手前につき出ているのが宮崎。
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 宮崎は、いかにも内海の小さな岬の典型のように見える。山上路夫作詞の「瀬戸の花嫁」に歌われる、「岬まわるの小さな船が」の岬も、ちょうどこんな岬だったろうかと想像される。
 高さも28メートルとさほど高くなく、灌木に覆われてその裾は岩が取り巻いている。長さも道路や人家のあるところから320メートルほど飛び出しているだけ。
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 地図で見ると、岬の上には人家はなく、付け根のところに鳥居マークがある。これが唐櫃八幡神社で、岬のほぼ全体が八幡神社の社叢となっているらしい。この神社があるから、宮崎の名もあるのだろう。
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 この神社のお祭りは、座布団を下から小さい順に重ねたような太鼓台を担ぎまわるのが慣わしのようで、そんな写真などもネット上にたくさんアップされている。
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 唐櫃の集落は、港を中心とした唐櫃浜と、南の壇山のほうに丘を登っていった唐櫃岡に大きく分かれているようだ。唐櫃岡には別の鳥居マークも二つあるので、唐櫃八幡神社の祭礼は唐櫃浜のお祭りなのだろう。
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 唐櫃浜から唐櫃岡に向かう坂道の途中には、豊島美術館なるものもあるらしいが、フェリーからではそれは見えない。もともと高い大きな建物があるわけではなく、「柱が一本もない水滴のような形をした建物」だというから、それでは見えないのも道理だろう。現代アートの芸術家や建築家が参加し、休耕田を利用してできた美術館は、ベネッセアートサイト直島のサイトにその紹介があった。ベネッセも直島からはみ出して、豊島まで進出しているようだ。
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 ここでは「からと」と読むことになっているが、「櫃」は「ひつ・びつ」であり、これは昔から衣服や経巻などを入れるためにあった、蓋つき脚つきの四角い箱のことで、運搬・保存用のコンテナのようなものだ。そのつくりの唐風のものが唐櫃なのだろうが、それがどうしてここの地名になっているのか、それはわからない。
 同様の地名は、兵庫県と三重県にもある。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度29分30.72秒 134度6分12.48秒
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dendenmushi.gif四国地方(2018/10/12 訪問)

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1575 室崎=土庄町伊喜末(香川県)小豆島に別れを告げる最西端の岬を右舷に見ながらフェリーは西へ [岬めぐり]

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 フェリーというと、たとえば大洗=苫小牧のような外航路の大型船を想像する人も多いだろうが、瀬戸内海では中小型のフェリー航路がたくさん走っている。島と島、本土と島を結ぶ日常の生活交通運搬手段として、旅客船(高速連絡船)とともに欠かせない存在になっているのだ。
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 土庄港からもいくつかの航路が発着しているが、なかでもその中心となっているのは四国フェリーの土庄=高松航路で、これは所要時間1時間で日に15往復もしている。 
 姫路からフェリーで小豆島の福田に渡り、そこから土庄港まで島内を走ってきた国道436号線は、ここから高松港にまたフェリーでつないで、高松上陸後少しだけはこの道路が続く。
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 フェリー経営も楽ではないらしく、会社の吸収、経営変更などもあって複雑になっていて、小豆島フェリーという名も新旧入り乱れているうえに系列もあるが、乗ったのは四国フェリー系列で土庄に本拠を置く小豆島豊島フェリー株式会社の宇野行き航路であった。岡山県玉野市の宇野からは、国道30号線に接続している。
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 この航路は途中豊島(てしま)では唐櫃港と家浦港に寄港しながら、宇野まで約1時間30分。これはフェリーとしては小さいほうで、本数も日に3往復と少ない。
 ちなみに、土庄=宇野の運賃は、旅客1,230円、自動車6,870〜8,590円、二輪車1,350〜1,800円で、自動車運賃には旅客1名分の運賃が含まれているが、二輪の場合は旅客運賃が別に必要だという。車を持たない人間からみても、意外に自動車のフェリー料金は高いようにも感じられるが、燃料も使わず長距離を移動できるのだから、まあそんなもんと言えるのだろうか。
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 室崎は、土庄港の出入口の北西側に、カギのように飛び出ている岬で、畝木崎からは北西1.6キロにある。
 室津や室崎の語源には、家の中のように波も穏やかという意味も持たせられているが、ここではどうだろう。確かに土庄港を北西の風から守っているように見えないこともないが、港からは少し離れているので、直接防風防波の役に立っているとも思えない。
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 土庄港を出るすべてのフェリーは、この岬を右舷に見ながら西へ南へと進んで行く。室崎は小豆島本島(前島を除くという意味)の最西端。これで雨に祟られた小豆島とはお別れだ。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度30分18.48秒 134度9分23.39秒
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1574 畝木崎=土庄町土庄(香川県)「世界で一番狭い海峡」の港から豊島経由宇野行きのフェリーに乗る [岬めぐり]

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 土渕海峡が、「世界で一番狭い海峡」としてギネス認定されたのは、1996(平成8)年のことであった。それまでは、そこが海峡だという意識は全般的になかったか乏しかったらしく、そいう名前もなかった。土渕海峡という名前は、そのギネス申請に際して必要になったからつけた、というのが真相らしい。
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 ネット情報では、土渕(どふち)海峡と、ふりがなをつけてあったが、へそまがりはこういうことも気になる。普通、読むとき呼ぶとき「どふち」と発音するだろうか。頭が濁るのであれば、「どぶち」と言うほうが自然なのではなかろうかと思ったりする。
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 現在の住居表示では、海峡の南側が土庄町土庄で、北側は土庄町渕崎なので、字名の頭一字をくっつけてそう呼ぶことにしたというのだが…。「渕」は「ふちざき」と読むのだからというのであれば、「土」も「とのしょう」という読みに寄らなければならなくなり、どうも無理が多い。
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 海峡で仕切られた南側は、はっきり島になるわけでその名前も判明した。どこにも表記がないし、海峡の説明をする時以外では誰もそう呼ぶことはないようだが、「前島」という名前がちゃんとあるらしい。
 海峡の狭いところは10メートル足らずの幅しかなく、バスで通ったが、写真も撮り損ねるくらいほんの短い橋を渡るだけ。海峡自体の長さは、東の伝法川の河口付近から西の畝木崎までの2.5キロ。
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 その海峡を背にした港の東寄りに、香川県出身の彫塑家の作品である、「平和の群像」というブロンズ像が建てられている。題材は原作と映画の「二十四の瞳」をモデルにしたといい、映画公開2年後の1956(昭和31)年に当時島の交通を担っていた小豆島バスが建て、土庄町に寄贈されたという。
 明らかに高峰秀子の大石先生とこどもたちの群像なのだが、その題名のつけかたに企画制作者の明確な意図が感じられる。同時に、場所を明確に特定していない原作はともかく、映画の舞台になっているとは言えない土庄町に、これが建てられている積極的な理由を強調しているようでもある。この像の題字揮毫が、時の内閣総理大臣であった鳩山一郎の手による(しかも右から横書き)というのも、なにやら当時の周辺の思い入れの勢いというか意気込みが感じられる。
 土庄港の付近では、さすがに世界一狭い海峡も広くなっていて、何本かの船着場が並んでいて、そこから高松や宇野などと結ぶ航路のフェリーが発着する。
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 畝木崎は、港の出入り口の南側の製油工場の敷地の先に出っ張っている岬なので、港に出入りする船は必ずここを回り込んで行かなければならない。
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 でんでんむしの今回の岬めぐり計画では、ここから豊島(てしま)経由のフェリーに乗って宇野まで行き、そこから乗り換えて直島に渡るというつもりでいる。行程の最終日なので、直島から宇野に戻り岡山から新幹線で帰京する予定で、結局全行程で晴れたのは出発の日と帰る日だけ、という岬めぐりになってしまった。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度29分35.84秒 134度10分0.11秒
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1573 黒崎・門ヶ鼻=土庄町土庄(香川県)庵治半島や屋島を望みながら「島」の最南端をひと回りして… [岬めぐり]

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 運転席横の最前列の座席は、通常の路線バス車両ではほとんどの場合一人がけになっている。その席を占領されてしまったということは、岬を前方から見ることができない。後ろの席からだと、斜め前か横にしか見られない。
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 黒崎が近づいてきても、斜め前方の端っこにかろうじて引っかかっているという感じになってしまう。どうやってみても窓ガラスの映り込みも避けられないし、構図も思うようにはならない。
 千軒という字地名は、人家が多く集まっている地域を意味したものだろうか。戸形崎から南東方向に向かって伸びる長い砂浜海岸に沿って、集落が続く。その集落の先に黒崎がある。
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 三角点16.8と水準点17.2が並んでいる黒崎は、鋭く鋭角に突き出た三角形で、二つのこぶが目立っている。
 ここから南には、庵治半島の先端に散らばる小島とともに、遠目にも特徴的な平べったい屋島が見える。黒崎からほぼまっすぐ南に7キロほどのところには竹居観音岬があり、その西に根太鼻や長崎ノ鼻が続いている。それぞれ、過去に訪問した記録もあり、そのときには北に小豆島の島影を眺めていたのだが、今はこうして逆に庵治半島や屋島を眺めている。

 1339 竹居観音岬=高松市庵治町(香川県)お天気も回復して庵治半島の北端から瀬戸の海の風景を楽しむ
 1340 根太鼻=高松市庵治町(香川県)備讃諸島に臨む岬から“純愛の聖地”を南へは石だらけの道
 1341 長崎ノ鼻=高松市屋島西町(香川県)“源平屋島古戦場”はいったいどこなのかという昔からの疑問解明に挑んでみた(大げさ!)

 こんなふうに岬めぐりが、海を越えてつながっていくのも、なかなかおもしろい。
 黒崎から東へ折れ曲がる道路に沿っていくと、小さな山を越えた先に柳の集落があり、そこに門ヶ鼻があるのだが、これはうまく見ることができなかった。バスの後方座席からでは、まったくその姿を捉えられなかった。
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 柳からしばらくは山の中を走り、次に海が見えてくるところは、大余島・中余島が見える土庄東港近くになってからだ。
 土庄東港付近には、観光ホテルの大きいのも数軒あって、弁天島から中余島につながる砂州のエンゼルロードは、有名な観光ポイントでもあるらしい。
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 前にも書いたが、だいたいオリーブにしろ「二十四の瞳」にしろ醤油にしろ寒霞渓にしろ、小豆島の代表的な観光ポイントは、そのほとんどが土庄町ではなくて小豆島町のほうにある。その意味でも、ここらは数少ない土庄町の目玉スポットなのだろう。
 そういえば、もうひとつ土庄町にもギネスものがあった。「世界一狭い海峡」というのがそれで、役場付近の北側の狭い川のような土渕海峡を渡る橋の上には、それが麗々しくうたってあった。
 土渕海峡は、その西が土庄港になっている水路で、確かにそれは川のように細くなりながらも、東の池田湾につながっている。小豆島の本島とは、この海峡で切り離されている。
 つまり、西浦線のバスでぐるっと一回りしてきた大きな出っ張りは、半島ではなく島だったのだ。その中央には大深山という標高226.6メートルの山をいただく島だった。
 それでもその名前もわからないほど、島という意識は希薄で、3つの橋でつながって完全に小豆島の南西部の一部として一体化している。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度27分37.68秒 134度9分7.04秒 34度27分45.72秒 134度9分47.01秒
スクリーンショット 2019-02-23 9.29.21.jpg
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1572 戸形崎=土庄町土庄(香川県)男木島北端のトウガ鼻と豊島南端の礼田崎もいっしょに望めます [岬めぐり]

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 3日ぶりの青空となったこの日は、まずは小豆島の土庄(とのしょう)で残っている岬を一周りする。小豆島は小豆島町と土庄町に分かれているが、島の北西部を主にその領域に占める土庄町で、南西部に張り出している半島のような部分がある。その一帯全部が、現在の住居表示では土庄町土庄という大雑把に括られまとめた表記で表わされるが、元はもっと細かい字名がついていた。
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 泊まったホテルはオーキドホテルというが、それは土庄の港に面したこの所在地が大木戸という字地名だったからだ。
 ホテルの前から出る、朝一番のオリーブバス西浦線の西回り始発バスに乗って、この出っ張りをぐるっと3つの岬を回って、また港まで戻る。…つもりだったのだが、ここで思わぬ競争相手が現れて、運転席横のいちばん前の座席を先に占領されてしまった。
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 ガラガラの車内でまさか、の事態であったが、仕方がないので後ろの座席の海側に座る。
 大木戸をでて、畝木、小瀬と字地名を辿りながら、まず戸形崎へと向かう。海岸線に出ると、右手の車窓に現れてくるのが豊島(てしま)と小豊島で、この二つの島までは同じく香川県小豆郡土庄町の領域なのだ。
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 土庄町伊喜末の住居表示をもつ小豊島までは、土庄町土庄の小瀬付近からだと1.6キロくらいしか離れていない。その間を、高松へ向かう白いフェリーが通って行く。
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 地理院地図を見ると、重岩という岩のある山の北側を、送電線が伸びてきて、海岸のところで消えている。そこから西の対岸にある小豊島でも、豊島から続く送電線が伸びてきて、島の北東端で消えている。
 これは土庄小瀬と小豊島の間を海底ケーブルで繋いでいる、ということなのだろうか。
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 南へ向かって走るバスの右側車窓で、その端っこにぽこりと姿を見せるのが小瀬港と小瀬集落の南に飛び出している小山。港はこの小山の陰を利用してできている。
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 戸形崎の名は、その南でわずかに出っ張っている岩棚につけられている。岩棚の上には何やら白い柱とやはり白くセメントで固めた祠がのっかっている。どうやら弁天さんか何かのようで、この祠のある部分は、満ち潮になると島になるのだろう。
 車窓から通りすがりに見えた道路脇には、「ウミガメ産卵の地」という石標が建てられている。なんか、まだ新しいように見える。
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 地図では、この下の海岸には砂浜も広がっている。調べてみると、ここにアカウミガメが産卵したのは、2000年の夏のことだったようだ。これが子亀が孵化して海に帰っていき、翌年もまたちゃんと繰り返されるというのならめでたいのだが、なかなかそうはうまくいかないらしい。
 ウミガメは生まれた浜へ帰ってくると言われるが、それが続かないということは、何十匹も孵化しても、無事に成長して帰ってはこられないということなのだろうか。それとももっと待っていれば、2000年に海に帰っていったカメがまたいつか戻ってくるのだろうか。
 戸形崎は地味ながらそれなりに名所のようで、映画のロケも行なわれたり、白い柱にロープを渡してこいのぼりを海の上に泳がせるといったイベントがあったりするという。
 白い祠と柱の向こうに見える小島は、地図ではアアラ島となっている。その右手奥にあるのは、豊島の最南端にあたる礼田崎と、その向こうは直島諸島の一部であろう。
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 左手の島が男木島(その右手先端がトウガ鼻)と女木島で、その背景に遠くあるのは四国本島の山々。望遠レンズで見れば、瀬戸大橋の橋脚も見えるだろう。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度28分13.30秒 134度8分30.02秒
スクリーンショット 2019-02-23 9.28.58.jpg
dendenmushi.gif四国地方(2018/10/12 訪問)

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タグ:香川県
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