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1552 屋形崎鼻=土庄町屋形崎(香川県)大阪城残石記念公園のざんねんな石たちも眺めているだろう岬 [岬めぐり]

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 大阪城の石垣の石を、小豆島から切り出したということは知っていたけど、なんとなくそれは築城時のことだとろうと思っていた。ところがそうではなかった。築城時には周辺の石を集めていて、ここ小豆島の石は、冬の陣・夏の陣のあとの大坂城を修復する時に切り出されたのだ。徳川期に細川家の担当であったようだ。
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 次のバス停である「大阪城残石記念公園」は、小海の集落の小島という無人島の向かいにある道の駅などと一体となっているらしい。「残石」というのがちょっとおもしろい名前で、結局大阪城には行けなかった、大阪城の石垣になり損ねたざんねんな石たちが40個ほど残っている。丁場と呼ばれた採石場から切り出され、海辺まで運ばれたものの、使われることなく放置された、それが残石なのだ。
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 「大阪城石垣石切り飛びこし丁場跡及び小海残石群」という長ったらしい名前で香川県史跡になっている。飛びこしというのは場所の名前らしい。
 そこに展示してあるという、400年前当時の巨石輸送の様子を再現したものをサイトの写真でみると、太い材木を何重にも組んで、その上に巨石を縛り付けている。船に積み込もうとするよりは労力負担が少ないし、海の中に半分沈めて引っ張るほうが抵抗も少ないのだろう。
 だが、それにしても動力船もない時代に…。と、言葉を呑み込んでしまうくらい、大変なことをよくやったものだ。たかが石垣のために?
 バスは降りずに乗ったまま、停留所をすぎて行く。道路脇には、大坂残石記念公園の石標と、石がいくつかヤシの木と並んでいる。
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 その向こうに見えるのが小島で、小島の遠くに見えているのが屋形崎鼻となる。屋形崎というのが集落の一帯を示す地名で、その鼻ということになる。緩い傾斜地が丸く大きく北の海に向かって張り出しており、それと小島が浅い北浦港を囲っている。
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 屋形崎鼻は、この同じ日の夕方、別のバス路線で西側の馬越まで行ったので、そこからも遠望できた。西から屋形崎鼻を見ると、小島とくっつき一体となって、先が盛り上がった岬のように見える。
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 バスは、屋形崎から海岸を離れ、巨大な石の観音像?に見送られながら、南に向かって山越えの体勢に入って行く。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度31分44.39秒 134度13分24.53秒
スクリーンショット 2018-12-14 8.25.30.jpg
dendenmushi.gif四国地方(2018/10/11 訪問)

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1551 前鼻=土庄町大部(香川県)結局バスの車窓からでははっきりとは確認できなかった失敗の岬 [岬めぐり]

 残念ながらこの岬は、完全な失敗岬になってしまった。妙見崎のある丸い出っ張りの付け根を東から西へ横断する県道を行くと、琴塚という集落がある。その琴塚の集落と港を北側で守っているのが、この前鼻なのだが、結局バスの車窓からでははっきりとは確認できなかった。
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 それらしきところがぼんやりと雨と霧の中にあったが、県道からの展望がほとんどなく、あっという間に琴塚は通り過ぎてしまった。
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 地図で見ると、十分道路から見えるようにも思えるのだが、それが実際に現地へ行ってみるとそういうわけにいかないとわかる。そういうケースもたまにあり、前前項の藤崎もそうだった。
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 でんでんむしの岬めぐりでは、岬に上下の差別なしで、どれもみな平等に扱うことを原則にしている。だから、重要な岬というのも変なのだが、ここはどうしてもちゃんとしておきたいという場合には、次の停留所で降りてちゃんと探しに行くこともやぶさかではない。ただ、多くの場合、バスのダイヤがそれを許さない。
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 ここはそう重要な岬でもないのという判断で、そのままバスに乗っていると、次の停留所の名前が、モニターに現れた。それが「大坂残石記念公園」だという。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度32分49.40秒 134度15分22.10秒
スクリーンショット 2018-12-14 8.24.41.jpg
dendenmushi.gif四国地方(2018/10/11 訪問)

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1550 妙見崎=土庄町大部(香川県)こぼれ美島と岬を見ながら行く小豆島北側の県道でもまた採石場と遭遇 [岬めぐり]

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 小豆島の北側を走る県道26号線を西へ、小豆島町から土庄町へ入ると、灘山というバス停名が、バス前方の行先運賃を示すモニターに表われた。この付近からは採石場のような場所や、赤みを帯びた岩の崖があったりする。
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 灘山地区というのは、採石場や石材の加工工場などが多くあるところらしい。瀬戸内海の島の旅は、採石とはあちこちで縁があるようだ。小豆島もまた、採石の歴史は古く、大阪城の石垣の石を切り出したのも、この島の北部からだったはずという記憶がある。
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 相変わらずの雨の中、西へ走るバスの前方の海には、小さな島影もチラチラするようになる。そこらへんが大部港(おおべこう)の沖合の海になるはずだろう。
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 道路脇を整備して、展望台の施設ができているところがあった。ちゃんと名前もあって「こぼれ美島展望台」という。大島、中の島、弁天島と名前は3つしかないが7〜8の島が散らばっている。それは、古くから美島と呼ばれてきたらしいが、なぜ「こぼれ」なのかがわからない。ポロポロとこぼれ落ちたようなという意味なのか。
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 大部へ着く手前に、小部という集落もある。ここでは(大部おおべ)と(小部こべ)なのだ。まことに地名は一筋縄ではいかない。神戸市には神戸市立の小部小学校というのがあってそれは(おぶ)、同じ兵庫県の小野市には大部小学校というのもあるがそちらは小豆島と同じく(おおべ)。
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 小豆島の大部にも大部小学校があったのだが、今では統廃合でなくなっているようだ。その大部の港からは、岡山の日生港(ひなせこう)とを結ぶフェリーが日に5便、出入りしている。小豆島北部での玄関口に当たるのだが、この航路は岡山県備前市日生町の瀬戸内観光汽船が運行している。乗船時間は約1時間だから、姫路港からくるよりはこっちのほうがだいぶ早い。ただ、日生の駅はJR赤穂線なので、山陽新幹線から相生で乗り換えてこなければならない。
 そういえば、日生の付近も岬めぐりのバスで通ったことがあった。
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 妙見崎は、こぼれ美島の向こう側に張り出している。上から見た地図では丸い出っ張りなのだが、横から見ると薄く細くなっている。地形図では、そこもやはり採石場の跡なのかと思えるような崖と平地になっている。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度33分10.27秒 134度15分52.20秒
スクリーンショット 2018-12-14 8.24.07.jpg
dendenmushi.gif四国地方(2018/10/11 訪問)

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1549 藤崎=小豆島町吉田(香川県)小豆島は北東から南西へ斜めの境界線で二つの町に二分されている [岬めぐり]

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 北回り福田線のバスに乗るとすぐ、運転手さんに言ってフリー乗車券の一日券を買う。1000円也で、今日一日中どこでも乗り降り自由なので、岬めぐりには便利でありがたい。
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 次の岬は藤崎で、進行方向右手に見えるはずだったのだが、これがなかなかうまく見えない。邪魔になる建物は少ないのだが、樹木の影が多くて、道路からの展望がほとんど効かないのだ。
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 福田の北側、金ヶ崎の陸繋島の付け根を越えると、見えるはずという思い込みは、見事に裏切られた。吉田という小湾奥の集落を過ぎると、道路は藤崎のある尾根の中腹を巻いて、今度は西へ向かうが、その途中でもさっぱり見えない。
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 わずかに、右車窓にちらっとそれらしきところがあるにはあったがそれだけで、それも雨の中に霞んでしまっている。
 仕方がないので、ここでは東海上のフェリーから、金ヶ崎と藤崎の2ショットをもうひとつ掲げておくことにしよう。
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 藤崎は118メートルのピークの小山の東端で、道は吉田の集落を抜けると70メートルまで高度を上げ、山の中を回り込んで岬を過ぎていく。
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 小豆島では最北端に当たる藤崎の周辺までが小豆島町で、藤崎から2キロほど西へ走ると、そこには小豆島町と土庄町(とのしょうちょう)の境界がある。小豆島は、島の北西部を中心とする土庄町と、南東部を領域とする小豆島町とに斜めの境界線で島は二町に二分されているのだ。
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 播磨灘の北寄りに位置している家島諸島は、明らかに兵庫県寄りに位置しているが、播磨灘の西に位置する小豆島は、ちょうど岡山県と香川県の中間あたりに浮かんでいる。北端の藤崎が、若干気持ち岡山県側に近いか、という感じで、昔からその所属をめぐってはいくつもの紆余曲折があった。
 おおむねその昔から吉備国児島郡に属していたり、一時その一部は天領だったり津山藩に属していたという歴史を経て、明治の廃藩置県では当初は倉敷県に属していた。なので、香川県になったのは明治4年からだった。
 土庄町のほうが1898(明治31)年からずっと町制を敷いてきたのに対して、小豆島町が誕生したのはわずか十数年前の平成18年のことだという。そのときに島の南東部にあった内海町(うちのみちょう)と、その西隣りの池田町が合併して小豆島町と称することになったようだ。金ヶ崎や藤崎のある地域は、福田村と称していたが昭和32年に内海町に編入されている。
 面積も総人口も、土庄町よりも二町が合併してできた小豆島町のほうが、若干上回っている。
 小豆島といえば、まずたいていの人が思い浮かべるのが「二十四の瞳」であり、オリーブであり、醤油であり、寒霞渓であろう。それらはみんな小豆島町の領域でのことだった。
スクリーンショット 2018-12-13 11.56.06.jpg

▼国土地理院 「地理院地図」
34度33分46.93秒 134度21分3.23秒
スクリーンショット 2018-12-10 11.41.36.jpg
dendenmushi.gif四国地方(2018/10/11 訪問)

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1548 金ヶ崎=小豆島町福田(香川県)まずは北東の端っこから雨の小豆島の岬めぐりはスタート [岬めぐり]

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 目には見えない海の上の県境に近づき、それを越えようかという頃になると、フェリーの前方右手に島のような影が浮かび上がってくる。その島影は大小濃淡の違いがあるように見えているが、これは香川県小豆島の北東の端っこで出っ張っている部分になる。
 向かって左側の濃い方が金ヶ崎で、右側の薄い方がそれよりちょっと引っ込んでいる藤崎になる。金ヶ崎の出っ張りは、細長い半島のように飛び出しているので、まだ小豆島本体の姿が見えないうちは、小さな島が現れたようにしか見えない。
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 フェリーは金ヶ崎の南に広がる、湾というにはあまりはっきりしない凹み部分に入って行く。金ヶ崎はどうやら陸繋島の先端のようで、付け根部分が小豆島本体から突き出たところと低く細くかろうじて繋がっている。陸繋島のほうには道路も人家もないようだ。
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 金ヶ崎の反対側には、3つの小山を並べたような小島という島がある。この島は地形的にはれっきとした島なのだが、地図によると堤防のような橋のような構築物で繋がっているらしい。小島にも人家はないようなので、これはもっぱら福田港の南の防波堤を兼ねているのだろう。
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 港に入ったところでみると、小島と小豆島本体とはやはりはっきりとつながっていたが、それが海水が下をくぐる橋なのか、海水を堰き止めている防波堤なのかはわからない。
 でも考えてみれば、無人島に橋をかけても仕方がないので、これはやはり防波堤なのだ。
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 その小島と金ヶ崎に挟まれた凹み部分の奥に、福田港がある。雨の桟橋に着くと、そこで国道436号線の海上区間が終わり、そこからは南に向かって島の南部海岸を半周するように国道は伸びていく。
 さて、ここから小豆島の岬めぐりを始めるのだが、それにはすべて島内を走るバスに頼ることになる。小豆島オリーブバス株式会社の9路線を乗り継ぎながらの岬めぐりがどうすれば可能か、路線図と時刻表と地図を見ながらやっとどうにか立てた計画がある。
 その計画では、まず福田港からは北回り福田線という路線バスで、島の北東部をぐるっと回る。国道を南下していく南廻り福田線という路線もあるのだが、どういうわけか小豆島の東海岸には、この金ヶ崎・藤崎以外には岬がない。そこで北回りで始めることにしたのだが、港の待合室の前にはバス乗り場が見当たらない。国道沿いに出てやっと標識を見つけたがそれは南回りで北回りの乗り場がわからない。
 聞いてみると、北回りのバス停は、北寄りに数十メートルも歩いたところにあるという。うどん屋の横で見つけたバス停で狭い軒先で雨宿りしながら待っていると、祭囃子とともに軽自動車の列とカッパを着た人たちが、囃しながら通り過ぎて行った。「ようこそ小豆島へ」という看板の立つ桟橋前でも太鼓などを積み込んだ軽トラと、カッパの子どもよりも傘をさした親などのほうが多い子ども神輿の一団が固まっていたが、お天気がこれでは気の毒だ。
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 しかしまた、雨でもなんでも、カッパを着て神輿はビニールでくるんででも、お祭りをやってしまおうという町の結束と情熱は、なかなかえらいものだ。

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▼国土地理院 「地理院地図」
34度33分39.79秒 134度21分58.62秒
スクリーンショット 2018-12-10 11.40.48.jpg
dendenmushi.gif四国地方(2018/10/11 訪問)

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1547 ヒラレノ鼻・材木ノ鼻=姫路市家島町坊勢:松島(兵庫県)国道436号線の海上区間をフェリーは走る [岬めぐり]

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 姫路港と小豆島の福田港を結ぶフェリー第五おりいぶ丸は、四国フェリー系列の小豆島フェリーが運行している。2014年進水・就航しているこの船は、1326総トンで、旅客定員は490名、車両積載数は乗用車56台だという。
 それより2年早く進水していた姉妹船の第三おりいぶ丸も、同様の積載量だが、この二隻で姫路・小豆島航路は、1日に7往復している。所要時間は100分で、距離は41キロある。
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 オツヅノ鼻を過ぎ、小さな無人島を過ぎるあたりから、南にいくつかの島影が見えてくる。と、向こう側の反対航路をこちらに向かってやってくる船があった。
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 これが、福田港を出て姫路に向かう途中の第三おりいぶ丸だった。
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 すれ違って行く第三おりいぶ丸。その向こうには、平たい島が見えるが、これが桂島だろう。松島からは1.5キロくらい離れている北東側の海上には、この桂島をはじめとして、小フツラ島、大フツラ島、長島、三ッ頭島と5つの島が浮かんでいる。それも、ほんのかすかに、なんとかあるのがわかるという程度でしかない。
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 したがって、そのさらに向こうに大きく横たわっているはずの松島は、わずかにそれらしい島影が薄く見えた程度で、はっきりと確認することができない。その見えない松島とかすかに見える小島の所在地は、家島町坊勢となる。これらが家島諸島の南端に位置する。
スクリーンショット 2018-11-28 16.30.55.jpg
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 松島の北東の端がヒラレノ鼻で、南西の端が材木ノ鼻なのだが、晴れていればきっとそれも見えたであろうということで、見えない岬ながらも項目だけは立てておくことにする。
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 第三と第五、二隻のおりいぶ丸が行き来するこの航路は、実は国道を兼ねている。そういう例は他にもいくつかあるが、小豆島を経由しながら姫路と高松を結ぶ国道436号線の海上区間にあたっている。当然、小豆島と高松の間にも同様の海上区間はあることになる。
 その海上の国道を走って、どこかで海上の県境を越え、第五おりいぶ丸は小豆島を目指している。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度35分57.43秒 134度29分2.56秒 34度35分36.08秒 134度28分36.29秒
スクリーンショット 2018-11-28 16.29.44.jpg
dendenmushi.gif近畿地方(2018/10/11 訪問)

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1546 オツヅノ鼻=姫路市家島町真浦:西島(兵庫県)西島の最南端にあたる岬でも採石は始まっているか [岬めぐり]

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 地理院地図に描かれている航路を示す破線は、室崎の沖合を大きく迂回して、院下島の西を南南西に向かうように引かれている。だが、小豆島フェリーの第五おりいぶ丸は、西島と院下島の間を南下して行く。
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 院下島は、周囲を断崖に囲まれた無人島だが、灯台とそこへ登る道だけはあるように、地図では記されている。この島を右舷に見ながら手繰干崎を過ぎると、オツヅノ鼻が見えてくる。
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 オツヅノ鼻は、西島の最南端にあたる。その周辺は緑の植生に覆われているらしい斜面が、100メートル以上も続いている。その上の200メートルくらいのところでは、大規模な採石が行なわれている。
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 写真で見ると、地理院地図には描かれていない斜面に刻まれた道や切り開いたような跡が写っているので、この岬の斜面でもぼつぼつ本格的な採石が始まっているのだろうか。どうも地理院地図の地形情報よりも現実の変化のほうが進んでいるようだ。
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 採石の島だからといって、どこでも発破をかけて片っ端から掘り崩していけばいいというものではなかろう。岩脈がどこをどう走っているのか、そういった調査の結果によって進んでいくのだろう。
 そういえば誰か、島を削り取っていく採石で成り立っている家島諸島のことを、自分の体から一本一本羽根毛を抜いて美しい織物を織る「夕鶴」に例えていた人もあった。
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 フェリーから眺めるオツヅノ鼻は薄ぼんやりした影のようにしか見えないので、そこでも進みはじめているらしい採石の様子も伺い知ることはできない。
 オツヅノ鼻の向こうにこれまたぼんやりと見えてくるのは無人島の大ヤケ島で、さらに遠くにはいっそうぼんやりとある高島、その南端がマブノ鼻になる。
 院下島の南には、いくつかの小さな岩島が、点々と連なっている。家島諸島がオノコロ島だというならば、島はひとつだけでなくいくつにも分かれて生まれ、その周辺にもたくさんの飛沫が飛び散っていたことになろうか。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度38分26.80秒 134度28分2.00秒
スクリーンショット 2018-11-28 16.28.56.jpg
dendenmushi.gif近畿地方(2018/10/11 訪問)

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1545 手繰干崎=姫路市家島町真浦:西島(兵庫県)ちょこんと出っ張っている頂ノ岩もかろうじてわかる [岬めぐり]

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 室崎を大きく回り込んだフェリーは、南に進路をとって西島を左舷に見ながら南下して行く。小ヤケ島という小さな丸い島があり、その背景にも採石場またはその跡らしいところが続いているが、視界が効かずよくわからない。
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 山のピークが二つ三つあり、その山が切れるところから少しばかり飛び出した帽子をかぶっているようなところが、手繰干崎という名前のある岬になる。
 岬に続く山は結構大きく高いようにも見受けられるが、地図でみるとその周辺も採石場ばかりのようだ。いちばん高く見えるところが250メートルくらいで、その手前の少し低いところで200メートル足らず、といったところだろう。
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 高いほうにはなんの記名もないが、その北側には頂ノ岩と記されて187メートルの三角点の記号とその脇に露岩がひとかたまり示されている。つまり、高いほうには三角点がなくて、低いほうにある。
スクリーンショット 2018-12-06 8.49.20.jpg
 その様子は、フェリーからでしかもこの天候では、わずかにちょこんと出っ張っているなあというのがようやくわかる程度でしかない。
 このちょこんと出っ張っているのが、高さ8メートルもある頂ノ岩で、その周囲は25メートルもあるという。この岩には、コウナイの石、長老岩、天の逆矛などといろいろな呼び名があるそうだが、こういう巨石には必ずといっていいほど、いろんな話が尾ひれハヒレくっついて成長していくものだ。
 信仰の対象とはいえないまでも、夜に光るとか近くに寄って触ると病気が治るといった俗説まで生んだりする。当然、下手に崩して採石などしてしまっては、祟りも怖いというのだろうか、採石もそのすぐ下まできたところで止まっている。
 三角点も本来は高いほうにあるべきもので、それがより低い頂ノ岩のそばにあるというのも、採石を避けて避難して移動したようでおもしろい。DSCN9827 (1).jpg
 この頂ノ岩までは、実際に登って写真を撮ったりしている人のブログなどもいくつかあった。そのひとつによると、三角点が移動したのは事実で、1992(平成4)年のことであるという。
 以前はそこまで登ることもできたが、採石が進んでいる現在では、それもどうなのだろう。いずれにしても、採石会社の許可も必要だし、一般の定期航路もないので船をチャーターしなければならず、そこまで行くのはなかなかハードルは高そうだ。
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 国生み神話で最初にできたオノコロ島とはいったいどこかというのにも、淡路島だとするもの、淡路本島ではなく南西にある沼島だとするものなどいくつかある。その候補地のなかには、家島だとするのもあるらしい。ただ、家島自体にはそれらしい証拠物件がない。そこで家島諸島に範囲を広げて、頂ノ岩こそ天の御柱なのだとする説まであるようだ。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度38分43.53秒 134度27分33.33秒
スクリーンショット 2018-11-28 16.28.21.jpg
dendenmushi.gif近畿地方(2018/10/11 訪問)

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1544 室崎=姫路市家島町真浦:西島(兵庫県)大きな時代の流れとはどういうもんかのう [岬めぐり]

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 先日、NHK-BSが山田洋次監督の“民子三部作”を放送していたので、また観てしまった。その二作目にあたる「故郷」は、石つながりでここに無理やり引っ張ってきた。
 1972(昭和47)年のこの映画では、広島倉橋島の採石場から埋め立て現場へ石を運ぶ小さな木造の石船を走らせる夫婦(船長と機関長)が主人公で、老朽化する船とその仕事と故郷を諦めて、尾道の造船所勤めを決断し島を出て行くまでがその話だった。
 平らで手摺も柵もない甲板いっぱいに、海面ぎりぎりまで石を積み込み、埋め立て現場に着くと、そこで網に石を入れたクレーンを反動をつけて振り、船全体を傾けて石を投棄するのが印象的だった。
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 もうひとつ印象に残るのは、鋼鉄船の時代になって小さな木造船の修理もできず、このまま石船の継続が絶望的とわかった船長の夫が、船を走らせながら独り言のように言う「時代の流れとか、大きなもんには勝てんとか、それは何のことかいのう」という言葉。「大きな時代の流れとはどういうもんかのう。なんでわしらはいままでどおりにやれんのかいのう」…、彼はそう嘆くのだった。
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 倉橋島で産出される石は花崗岩で、家島諸島でも男鹿島は花崗岩だったが、この西島では安山岩だという。男鹿島と西島は7キロほどしか離れていない。ちょっとの違いでなぜこんなふうに石の種類まで変わってしまうのが、どうにも不思議に思えてならない。
 地殻に入り込んできたマグマがゆっくりと冷えてできる深成岩である花崗岩に対し、マグマが地表近くで急激に冷えてできる火山岩のひとつが安山岩。どちらも幅広い石材としての用途があるが、安山岩は墓石としての需要も多いらしい。
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 西島の安山岩の採石は、年間約100万トンに達すると家島船舶協同組合のサイトではいうのだが、その規模や量の見当がつかない。ただ、家島諸島の採石が100年以上もの間、営々として続けられてきたこと、それが現在にもまだ続いていることには驚く。
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 石材の生産から加工、運搬までの全工程を、家島諸島島内だけで請け負うことが可能なような環境が整っていることが大きいのだろう。
 現在では、岩盤の斜面に階段状になるように掘削し、まず上の段から順に穴を開けて爆破しながら採石を繰り返し、順繰りに段を降りていくベンチカット方式が主に採用されている。DSCN9810 (1).jpg
 岩盤を爆破しながら削り取って、取り出した岩を砕くのが砕石で、この工程で5種類もの石や砂という商品をつくりだすという。そうしてできた石や砂を運ぶのが石材運搬用のガット船で、もはや小さな木造の石船はとうに姿を消しているのだろう。
 家島諸島のガット船の保有数は国内トップクラスで、採掘・輸送・技術総力は日本一だと、家島船舶協同組合のサイトでは自慢している。船が多ければ、その維持・補修のための設備や技術や人もいる。それらをも含めたものが、諸島の総合力なのだろう。
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 ガット船で阪神地域の需要地まで運んで行く、というのはまだ想像の範囲内で納得できるが、近年では羽田空港の現場までも石を運んだというというので、また驚く。
 室崎は、広い採石場から北に張り出している細い岬で、こことここから南への海岸線にはなんとか緑も残っているが、あとはほとんど岩を削り出した跡が続いている。
 それも、衛星写真でわかることで、このお天気のなかを走るフェリーからではすべてがぼんやりと包み込まれている。そのなかに、採石場の崖や入江に停泊中の高いクレーンを立てたガット船も、ちゃんと溶け込んでしまっている。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度39分59.98秒 134度28分10.71秒
スクリーンショット 2018-11-28 16.27.56.jpg
dendenmushi.gif近畿地方(2018/10/11 訪問)

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1543 桐ノ木ノ鼻=姫路市家島町真浦:西島(兵庫県)小豆島フェリーから西島の岬をチェックしたいと思ったが… [岬めぐり]

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 雨の1日がやっと終わったと思ったら、翌日もまた雨だった。雨の岬めぐり、それも海の島のとあっては、さえないことおびただしい。晴れていれば、小豆島まで見えるはずの播磨灘の展望もさっぱりだし、すぐ近くのはずの島の風景もぼんやりと霞んでいてかろうじて形がわかる程度でしかない。
 家島諸島の男鹿島、家島、坊勢島の岬めぐりを曲がりなりにも終えた翌日は、早朝の姫路港から小豆島フェリーで小豆島の福田港へ渡る。香川県の小豆島へ渡るルートにはいくつかあるが、今回の計画では東からの姫路港からの1時間40分の船旅を選択することになった。
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「第五おりいぶ丸」というのが小豆島福田港行きのフェリーの名前で、その船名の下には「高松」と書いてある。小豆島フェリーも高松が本拠の四国汽船の系列になっているのだろう。車がない場合は予約もいらないので、1,520円也の乗船券を買って乗り込む。船内はきれいで広々としていて、客もちらほらという程度で閑散としていた。
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 姫路港を出たフェリーは、家島諸島の北側を、西へ進んで行く。この日は、まずはその左舷に見える西島の岬を拾っていくつもりだった。
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 家島諸島のなかではいちばん大きいのが西島だが、ここも住民は少なく数十人程度で、ほとんどが採石事業に関わっているらしい。こどもも何人かはいるようで、その子たちは坊勢島の学校へスクールボートで通学するという情報もあった。が、現在がどうなっているのかは、よくわからない。
 島の北側半分は、ほぼ全面が採石場になっているようだ。
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 西島の北側では大きく3つの出っ張りがあるが、そのうちいちばん東側の出っ張りには岬の名前がない。広い入り江になった真ん中で、丸く飛び出しているのが、桐ノ木ノ鼻…のはずなのだが。
 フェリーから見ていると、ぼんやりと黒っぽい島のような岬があるように思えたので、これがてっきり桐ノ木ノ鼻だろうと考えていて、疑問に思わなかった。
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 ところが、帰ってきてこれを書く段になって、写真と地図を照合してみると、どうもあやふやになってしまう。
 写真ではぼんやりとながら黒い部分があり、それが正面から見た桐ノ木ノ鼻と思えるのだが、地図ではその岬の部分が採石場の一部になっている。写真のぼんやりとながらこんもりした印象とは違って見えるのだ。
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 あるいは、それが背景の山で、岬部分はその下に続いているのかもしれないが、とにかくこれ以上にはよく見えないので、如何ともしがたい。地理院地図では桐ノ木ノ鼻とファリーの航路を示す破線との間は3.7キロも離れている。しかも、桐ノ木ノ鼻は北側からでは正面に見ていることになるので、出っ張り具合がよくわからない。
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 想像で補えば、それらしくは見えるのだが、はっきりしない。断定するほどの自信がなくなってきた。桐ノ木ノ鼻の両側の奥には、地図では建物も描かれている。念のため、地理院地図の最新写真シームレス画像でみると、岬の先端部と東側にはこんもりとした部分がわずかに残っているのが確認できた。
 とすると、やはりこの黒っぽい部分の先端が、桐ノ木ノ鼻だとみてまず間違いはあるまい。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度39分46.98秒 134度28分42.01秒
kirinokinohanaM.jpg
dendenmushi.gif近畿地方(2018/10/11 訪問)

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