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1529 雁子岬=南あわじ市津井(兵庫県)見えない淡路瓦は想像し遠くに見える風車とそばで見上げる風車も回してみる [岬めぐり]

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 雁子岬までは、都志からだと12.5キロも離れている。同じく南西方向に3.7キロ離れている仏崎をその間に挟んでいる。
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 だから、肉眼では特に薄い影となって見えているに過ぎないが、ズームで撮った写真を見ると、岬の上の尾根には、風力発電の鉄塔のようなものが数本並んでいるのがわかる。
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 10キロ以上離れているのだから、これ以上はどうしようもないのだが、地理院地図をみると、この鉄塔のある尾根と雁子岬の間は、実は2キロも離れている。岬の内側には50メートルほどの高さがある細長い出っ張りが、津井港を西風から守っている。遠望からではそれはわからず、距離感はないのっぺりした一枚の絵のようにしか見えない。それでも、写真を拡大してみると、尾根の手前に横たわる丘陵の色が若干濃く見える。
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 風車がいくつも並び立つ尾根のところは、南あわじ市阿那賀西路といい、この奥の尾根にもまだまだ風車の列が続いている。これらはCEF南あわじウインドファーム株式会社という風力発電会社のもので、もともとは北海道根室市から初めて全国各地で発電事業を展開している会社のようだ。
 これも写真ではわからないが、雁子岬の東には慶野松原が続き、三原川が少し広い平地をつくっている。その津井付近が淡路瓦の発祥地であり、現在も淡路島内には100軒近い瓦製造業者があるというその中心であるらしい。というのは、淡路瓦工業組合もそこにあるからだ。
 三州瓦、 石州瓦と並んで日本三大瓦の一つに数えられる淡路瓦は、淡路島で生産される粘土瓦で400年もの歴史をもつという。津志の嘉兵衛がまだ若い頃、この淡路瓦を運ぶ瓦船に乗っていたということは前にも書いた。
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 都志港の西にも一基の風車が立っていて、それが五斗崎を眺めながら南へ下るバスの車窓から見えていたわけだが、こちらのほうは洲本市の第三セクター株式会社クリーンエネルギー五色の風力発電施設だという。ここでは、風車の大きさはタワーの高さ約65メートル、羽根の回転直径約70メートル、羽根の最高到達点は地上約100メートルになり、1,500キロワットの出力をもつという。この一基で得られる年間発電量は約300万キロワットで、一般家庭約900世帯の電力を賄うことができるという。
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 そう聞くと、えらいもんだとも思うが、風力にしろ太陽光にしろ、こうした自然エネルギーも電力会社や国のエネルギー政策ががっちりと旧来と変わらぬ網の目に絡め取られている現状では、必ずしも順風を受けて回っているわけではなさそうだ。
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 南あわじ市のも洲本市のも、どちらも播磨灘から吹いてくる強い西風を受けて、風車を回そうとしている。そしてその西風こそが、これまではこの地域の人々の暮らしにとっては厄介なものだった。
 とくに冬場になると吹き付ける強烈な西風は、漁師は船を出すこともならない。そこでそういう時期の仕事として、線香づくりも始まったわけだろう。
 その漁業さえも順風とは言えず、漁獲量は減少し、採算効率が悪いうえに、後継者もいないという状況だという。そこで…というわけではないだろうが、この海域では洋上風力発電の施設を設置するという検討も始まっている。新たなエネルギーの創出を図りながら、漁業全体の活性化にもつなげていきたいとの思惑がにじむ。
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 いずれにしても、この問題は国の基本的なエネルギー政策の思想と熱意が常に試されているように思え、そしてそれは常に期待とはかけ離れているように素人目には映るのが悲しい。
 仏崎も雁子岬も、都志からの遠望で済ませて、また洲本市の五色出張所の建物の裏から出るバスで、再び明石海峡大橋を渡り、舞子から姫路に向かうことにする。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度19分50.09秒 134度41分14.85秒
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dendenmushi.gif近畿地方(2018/10/09 訪問)

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タグ:兵庫県
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