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1524 大崎2=逗子市小坪四丁目(神奈川県)「毎日新聞」朝刊に掲載のフォローと記録を兼ねて [岬めぐり]

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 逗子海岸の西に見える大崎については、すでに
「063 大崎=逗子市小坪四丁目(神奈川県)これは2006年最後の夕日」
の項で早くに取りあげているのだが、もう一度ここで項目を設けたのには理由がある。でんでんむしとその岬めぐりについて「毎日新聞」の取材を受け、2018/09/26付の朝刊に、大崎の写真も使われているその記事が掲載された。記者からメールで依頼があり、どこか近場で岬の見えるところで取材をという希望だったので、迷わず地元の大崎を指定させていただいた。
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 誰もが知っているだろう観音崎よりも、おそらく誰も知らないであろう大崎のほうが、当岬めぐりの精神と実態を象徴するのにふさわしいと思った。
 朝、新聞を見たら、東尋坊の写真として英虞崎の写真が使われている。写真の入れ間違いがありますよと記者にメールしたら、さっそく読者からも同じ指摘があったそうで、翌日の紙面で訂正するとの返事だった。ちゃんと見て気がつく人もいるものだ。
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 全国紙で、それも小さくない紙面だが、反応はといえば掲載日当日のブログの来訪者とページビューが、通常の2〜3倍あったことくらいだろう。それも、URLが記事中に記載してあるわけではないので、わざわざ「でんでんむしの岬めぐり」で検索して見にきてくれたのだろう。
 ところが、肝心の個々の岬めぐりは現在も長いお休みの最中で、前の岬の記事を見るには、ずっと遡るかサイドバーのリンクリストからクリックしてもらわないと番号付きのメイン記事は出てこない。
 そこで、それのフォローと記録を兼ねて「大崎2」として、遅ればせながらアップしておきたいと考えた。
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 大崎という名の岬は、日本全国で40もあり、黒崎に次いで二番目に多い名前なので所在地と合わせて特定しないと混乱しそうなのだが、ここで取りあげているのは逗子市の大崎である。この岬は、逗子海岸と一体となっており、海岸のどこからでも西寄りに眺められ、目立っている岬と言える。しかし、海岸で遊ぶ人のほとんどは、あの出っ張りがそういう名前だとは知らないし、おそらく岬だという意識もないことだろう。
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 ここは、披露山という100メートルに満たない低い山塊が、鎌倉との境界をつくっているところで、北寄りには鎌倉七切通しのひとつである名越切通しもある。幕府を置く鎌倉の立地は、外部からの攻撃に備える防御に適していることが主な理由で選ばれたとされるが、大崎は鎌倉の東の海岸線の防御線であり、西の海岸線の防御線は、大崎の向こうに遠く見える稲村ガ崎であった。
 晴れた日に逗子海岸から西を望むと、江の島と富士山と大崎がワンショットで捉えられる。ゆるく湾曲した海岸の波打ち際は、1キロの長さがあるが、逗子市や観光協会のキャッチフレーズは、実際の長さを少し縮めて「ハーフマイル」として売り出している。
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 取材の日も雨模様で、江の島も霞んでいて薄い影のようにしか見えなかったが、海水浴シーズンが終わった後には、ボードやシーカヤックなどで遊ぶ人や練習するが増えてくる。こういう海の遊びにも流行があるようで、一時期はボードの上に一枚の三角帆を立てて帆走するウィンドサーフィンが主流だったが、近頃では帆のないボードの上に立ってパドルを操作するサップ(SUP)という新顔が人気のようだ。
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 海岸の砂浜のそばには、湘南道路が延長する国道134号線が走っている。その南詰の渚橋は、夏のシーズンではいつもラジオの渋滞情報で有名なところだが、道路ができる前はこの海岸線には大きな松の林が帯のように続いていたという。徳冨蘆花がここで「自然と人生」を残したことや、海岸も舞台になる「千年も万年も生きたいわ」のベストセラー小説「不如帰」など、とうの昔に誰も滅多に思い出すこともない歴史の一コマになっているにすぎない。
 海岸北側、大崎と砂浜の間には、海中の平らな岩場にそそり立つ不如帰の碑(これはただの文学碑とも言えないほどの巨大さである)や浪子不動のお堂もあるのだが、今やそれが何かを気にする人もいない。
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 大崎の上は公園になっているが、その下を国道はトンネルで抜けて行く。このように道が岬を回り込めないで、トンネル(ないしは山を開削して切通し)で抜けていくという構図は、日本の岬の一つの典型的な形だと言える。もう一つの典型は、岬の出っ張りをぐるりと周回する道路がある場合だろう。どちらが多いのか、具体的に数えたことはないので多さで比較はできないが、周回道路よりもトンネル(切通し)のほうが多いのではないか、という想像はできる。
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 海岸の南側では、逗子市内を流れる田越川が流れ込み、その左岸端にあった小さな荒磯の出っ張りは終末処理場によって潰されている。そこには鐙摺(あぶずり)という地名が残っているが、かつてこの付近を鎧甲冑をつけ騎馬に乗って往来した坂東武者の名残だろう。鐙摺の鼻といった名前もあったのかもしれないが、今は名は残っていない。
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▼国土地理院 「地理院地図」
35度17分32.01秒 139度33分29.46秒
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dendenmushi.gif関東地方(2018/09/29 訪問)

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タグ:神奈川県
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