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So-netブログ「でんでんむしの岬めぐり」を始めてから13年目…その計画と地図=記憶遺産Part2-08 [ある編集者の記憶遺産Part2]

 So-netブログ「でんでんむしの岬めぐり」を始めたのは、2006(平成18)年のことだから今年(2018)で12年になる。最初のほうは過去にホームページに載せていたものを持ってきているので、文章も写真も少ない。岬の選び方も統一性や法則性もなく、ただ単にたまたま行ったところが、バラバラと並んでいる。
 これは、まだ岬めぐりの方針自体が定まっていなかったからだ。実は、当初はなんとなく各地でそれなりに目立っていそうな岬をいくつか回ればいいのではないかくらいの、ごくいい加減なつもりでいたのだ。ネットで見ると、その頃はまだブログよりもホームページで、岬や灯台をめぐっているという人もいくらかあって、その多くはリスト的なものだったり、観光ガイド的なものばかりだった。ドライブやツーリングの記録のようなものが多かったが、確かに岬めぐりは足が問題だ。
 車で自分で運転して回れば、かなり効率よく回ることができそうだ。しかし、残念ながらでんでんむしは車も持っていない。免許もない。だからレンタカーを借りて回ることもできない。
 電車やバスなどの、いわゆる公共交通機関に頼るしかない。それでは自分で車を転がして行くのと比べると、格段に効率は悪くなる。はっきり言って、極めて不便である。決定的なのは、岬のある場所というのからしてもともと不便なところにしかない、交通の便利な場所にあることは少ないという事実である。
 そこで、へそまがりは閃いた。そうだ、これを逆手に取ったらおもしろいのではないか。ユニークな切り口が、そこに生まれるのではないか。
 公共交通機関で回るという、この岬めぐりのコンセプトの特徴は、こうしたやむを得ない事情からのもので、それ自体自慢に値することではない。が、車で回れば大して難題とも言えないことに、わざわざハンデのある不便な方法だけで挑戦する、ということにも意味を見いだせるのではないか。
 またそんなことをわざわざ始めようという人は、ほかにあまりいないはずだ。まず第一に、そこが気に入った。
 始めた頃には、いったい日本中に岬の数はどのくらいあるかも、考えたことがなかった。相当多いだろうというくらいの認識だったので、全部回るという発想は最初からなく、地図で見て目立って出っ張っているところをチェックして行けばよかろう、というつもりだった。
 だから、当初の岬めぐりでは、その目当ての岬だけを目指して、スタコラ出かけるというスタイルだった。地蔵崎・禄剛崎・室戸岬・越前岬・野島崎・佐田岬などなど、地図上の目立つ出っ張りという「点」を目指して行っていた。当然、そのほかのことは目に入らない。その近くや道中の途中に別の岬があっても、知らん顔で通り過ぎていた。
 So-netブログを始めてしばらくの間は、こうした過去の記録をほじくり出しては載せていたが、それが概ね一段落ついたところで、こういうめぐり方ではあまりにもムダが多いと思うようになった。
 また、昔に行ったところはまだフィルム写真の頃で、ネガを探してきてそれをデジタルデータにするのも、いかにも面倒なことだった。それくらいなら改めて再訪して行き直したほうがいい。そこでまずはと足元の三浦半島の岬(2006年の054 観音崎〜)から、再訪を始めた。
 このときから、点ではなく「線」で岬をつなぎながらめぐるようにした。近場の場合にはまた行く機会もつくることができるから、飛び飛びでも残ったところはまたもう一度行けばいいのだが、遠隔地の場合には一度で済むように、その周辺の岬は全部一筆書き方式で回るほうがいい。
 となると、岬もメインのひとつだけでなく、その順路や周辺にあるものすべてを網羅することになる。
国土地理院地図 (2).jpg
 こうして、地図を見ながら岬をめぐるコースを考えていかなければならない。そこで問題になるのが、岬の定義と選定であるが、これにも一定の基準が必要だ。でんでんむしは、国土地理院の地形図には若い頃山歩きをしていたときからの愛着があるので、岬めぐりに出かけるときにもそれを見て、海岸線から岬の名前を探していた。
 そうして買ってきた5万分の1や2.5万分の1の地図が、どんどん溜まっていくが、これも一度使うとまた再び使うということもない。
 そのうち、国土地理院のサイトで地形図が公開されるようになり、使いやすくなったので、これら紙の地形図も、あるとき整理してしまった。
 計画を立てるときにも、もっぱらこの地理院サイトを基準にして岬を探している。ネットの地図は、地理院以外にもいろいろあることはある。一通りは試してみたのだが、いい加減な地図ばかりで使い物になるものがない。ただ、Mapion にはひとつだけ地理院地図にもないいい点があって、困ったときには参照している。それは「いちおう」とカッコつきながら、バス停が表記してあるからだ。こういう地図はほかにはない。
 岬だけにしか用がないので、地図を見るのももっぱら海岸線のみである。山の中は見ても仕方がない。そこで気がついたが、伊能忠敬の測量隊も同じように海岸線を主に歩いて行ったのだ。
 海岸線から探すのは、○○岬に限らない。○○崎もあれば、○○鼻もある。数は少ないが首などというのもある。そういった岬の名前は、地理院地図では斜体で表記されている。斜体で記された名前には岩とか島などいろいろあるのだが、それらは岬の名前とは言えないので除くことにする。
 そうしてピックアップした岬・崎・鼻を見て行くには、当然コース順にしないと行った來たりまた戻ったりはできない。一筆書きでコース順を組み立てることになるのだが、そこでは電車やバスの公共交通機関のあるなし、その路線や停留所、発着時刻が問題になる。その肝心の公共交通機関も、今やバス路線の廃線・縮小や会社の撤退が全国各地で進行しており、縮む一方である。
 コース計画の基本は、何時何分の電車でどの駅まで行き、そこからどの路線の何時何分のバスに乗って、どこの停留所で降りてどこまで歩くかを想像してみなければならない。実際に行ったときにどういう状態になるかを、極力想像力を働かせて、思い描いてみることが重要なのだ。
 場合によっては、電車やバスを降りないで、その車窓から岬が眺められればそれでよし、ということもある。降りて歩くか、それとも車窓で済ませるかは、そのときその場所、交通機関の時刻表の都合などによって総合勘案して判断する。それらダイヤなども、もっぱらネットで情報を探り出してくる。
 そういう交通時刻表の情報は、なるべくその電鉄会社やバス会社や船会社のサイトを確認しなければ、善意の第三者がアップしたものの中には、更新されないで古いダイヤをそのままにしているものもよくあるので、注意が必要だ。
 ここで降りたら次のバスはいつになるのか、次の岬までは何キロ歩かなければならないか、この岬は通りすがりではなくじっくり眺めて見たいがそのためにはどこに宿を取らなければならないか、その辺に泊まることができる施設はあるのか…などなど、それが、すなわち計画を立てる、ということになるわけで、そこがまた実におもしろく楽しい。
 計画を実行するときには、できるだけ持ち物は少なくする。必需品はデジタルカメラと計画(行程)表と、地理院地図だけ。ガイドブックなどは一切見ない持たない。今時だから、その気になれば、行く前からその岬に関する情報なども集められる。だが、でんでんむし流では、それはしない。
 事前に情報収集するのは、交通機関の時刻と、宿泊施設予約のためだけで、あとは実際に現地へ行ってホーとかへェーとか…で、初めて知ることになる。もっとも、帰ってきて記事を書くときには、必要に応じて調べたり裏付けを取ったりはする。
iPadMap.jpg
 地図はiPadが出てからというもの、紙の地形図を買ってきてそれを畳んで持って行くことがなくなった。国土地理院のサイトから岬の部分を開いて、それをキャプチャー画面に撮り、それをそのままiPadに入れて持って行くようになったからだ。2010年以来、このスタイルが続いているが、近年では、より小さくて持ち運びに便利なiPad mini で持って行く。
 WiFi 環境は望んでも得られない、辺鄙な場所ばかりを選んで歩くようなものだから、これが唯一最善の方法なのだ。

dendenmushi.gif(2018/08/19 記)

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