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019 御浜岬=戸田(静岡県) [岬めぐり]

 記憶というものはいつも曖昧で、旅の記憶もまた強烈に覚えているものもあれば、行ったのか行かなかったのか、それすらも突き詰めればよくわからなくなるものもある。戸田(へた)へもこのときが初めてではなかったはずだ。なのに、ここもまた前に来たのがいつ頃で誰とどういう旅だったのか、それがさっぱり思い出せない。

 御浜岬は小規模ながら駿河湾の西風と海流がつくりだした典型的な砂州で、まるでミニチュアの岬のように見えるが、歩いてみるとそこそこに大きい。富士山を望む松原と砂浜の岬。こうくればもう、日本人にはごくお馴染の景色であって、銭湯のタイルやペンキの絵か田舎芝居の書割りのように、刷り込まれている。それ故に、記憶と情報がもうごちゃごちゃになってしまったのだろうか。


 伊豆は、東京から近いせいもあって、古くから人気の場所だが、東海岸と西海岸では馴染度が随分違っていて、どうも駿河湾に面したこちら側には、あまり来ていない。ふと気まぐれを起こして、温泉につかって夕日と富士山を眺め、高足ガニでも食べたいなあ、と沼津までやってきた。沼津・三島までは何度もやってきている。柿田川の湧水も千本松原もいちおうは行ったことがあるが、二度行く機会はない。
 漁港の魚市場の店で昼食をとり、沼津港から船で戸田へ行こうと思ったら、なんと運行ダイヤを確認していなかったため一時間以上も待たされることになった。港の正面に見えるはずの富士山をじっと眺めで待つ間、ずっと雲を被って姿を見せない。


 やっときた船で駿河湾を南下すると、すぐに小さな岬とこれも小さな白い灯台が現われる。ここにも行きたいのだが、なかなか行けない。ここ大瀬崎も交通の便が悪く、夏の海水浴シーズンだけは船便があるが、海水浴客に混じって行ってみてもねえ。
 カニはシーズンではなかった戸田に一泊すると、翌朝は富士山も機嫌を直して、ちょっと霞んではいるがきれいに現われた。この富士山を見て喜ぶという日本人の感情は、いったいどういうものなのだろうか。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度58分37.91秒 138度46分1.44秒
019みはまみさき-19.jpg
dendenmushi.gif東海地方(2002/09/03訪問)

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タグ:静岡県 灯台
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