1590 獅子渡ノ鼻=香川郡直島町(香川県)石庭でも有名な「虎の子渡し」をすぐに連想してしまうが… [岬めぐり]
直島の早崎と獅子渡ノ鼻、その南に続く鶴石ノ鼻については、2009年の宇野訪問のときに、宇野港の岸壁にある直島行きの船が出る桟橋から眺めたところで、まとめて項目をつくっていた。
471 早崎・獅子渡ノ鼻・鶴石ノ鼻=香川郡直島町風戸(香川県)なんで直島なんかへわざわざ…?
獅子渡ノ鼻といえば、龍安寺の石庭でも有名な、「虎の子渡し」をすぐに連想してしまう。実際に同じ意味で「獅子の児渡し」と称している庭園もあるようだが、それは少数派であろう。中国の説話からきたというこの話には、さまざまな亜流があって、似たような話を読んだか聞いたかした人は多いはずである。
虎が子を3匹生むと、どういうわけかその中には必ず豹が1匹いて、そいつは隙あらば他の2匹を食おうとするので、母親の虎は川を渡る際に子を彪と2匹だけにしないよう子の運び方に苦慮するという、あの話だ。転じていろいろやりくりに苦労する意味もあるというが、この場合の正解は、母親虎はまずはじめに豹を対岸に渡す、というところがポイントになる。
獅子渡ノ鼻の名の由来が、この説話とどこかで繋がっているのか、それともまったく関係がないのか、それもよくわからないが、灯台のある東の早崎と土の露出面が目立つ獅子渡ノ鼻の間の距離は、200メートルちょっとしかなく、トラにしろシシにしろ、子を連れて渡るにもムリのない間隔と言える。もっとも、ここでは単に獅子渡であるから子を連れているかどうかもわからない。
獅子渡ノ鼻の西には、葛島という無人島が南北に伸びていて、その向こう側は玉野市の玉で、そこには三井造船の造船所がある。それを左手に見ながら、フェリーは宇野港を目指して行く。
三井造船の発祥の地として玉野の造船所が開業したのも1917(大正6)年のことで、奇しくも三菱の直島製錬所と同じ年である。その当時のこの付近の盛り上がり方は、相当なものだったことだろう。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度28分42.29秒 133度58分8.75秒
四国地方(2018/10/12 訪問)
@このブログは、ヘッダー、サイドバーをも含めた、全画面表示でみることを大前提としています。スマホでご覧の場合も「表示切替」で「PC」を選んで、画面表示を切り替えてご覧いただけるとうれしいです。
タグ:香川県
コメント 0