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番外:日本全国津々浦々岬の数はいったいいくつある? 数え直してみた(岬・崎・鼻データベース2018改訂新版=その1) [番外DB]

▲数え直した結果日本の岬・崎・鼻の数は3,858に   
 日本中にある岬・崎・鼻の数は、いったいいくつあるのかというデータは、でんでんむしが独自に調べた結果を、このブログで公開していた。その最初は2008年のことで、そのときには3,703だったと報告していた。その後、その数字に疑問が出て、2016年に調べた結果その数字を3,735と応急修正していた。
 そのあたりの経緯は、
 番外:日本全国津々浦々岬の数はいったいいくつある? 数えてみた(岬・崎・鼻データベース=その1)
としてまとめていた。(↑これは旧データです)
 この数字は、国土地理院のサイトが公開している地理院地図(電子国土Web)から拾い数えあげたものだが、例外的に地理院地図にはない岬もいくつか加えている。それは、行ってみると地元の案内図などでは、ちゃんと名前の明記があるものも、わかる範囲で入れたからだ。数か月前、たまたま横須賀付近の地理院地図を眺めていて、前に調べたときにはなかったところに、いつのまにか岬名が付されていることを発見した。そこでは3つの岬が増えていたわけだ。このぶんでは、全国ではもっとそういう例がたくさんあるのかもしれない。
 最初のデータ調査からも10年を経過することもあり、ここらでもう一度ゼロベースで数え直してみることにした。…というのは簡単だが、きわめてアナログで原始的な方法で探し拾い数えあげていく作業は、なかなか簡単ではないが、まあ暇にまかせて根気よくやるしかない。
 ということでコツコツ数え直してみた結果を、以下に報告しておこう。
 2018年調査による日本全国の岬・崎・鼻の数は、3,858となった。前回調査との差は、新たに増えた分と減った分を差し引きし、それに集計ミスを修正した結果ということで、トータルで大幅な増加になったのは、やはり新たに表記が増えたからとみていいと思われる。
misakiDB-1.jpg
 岬のある場所は沿岸部・島嶼部・内陸部に分けて、また岬・崎・鼻といった名前の呼び方によって集計してみた。このうち「崎」には「埼」も含まれる。これによると、前のデータでは沿岸部のほうが島嶼部より若干多かったのだが、今回調査では島嶼部が逆転している。
 沿岸部というのは、北海道・本州・四国・九州の四島の海岸線にあるという意味で、島嶼部というのはその周辺に散らばっている島々にあるものを指している。近年では島に橋が架かり、道路が本土からつながっている島も多くなっているが、これらは島嶼部であり、かつて島だったものが陸継島となって本土と一体化しているものは沿岸部としている。
 呼び方の「ほか」というのは、岬・崎・鼻以外の呼び方が付いた名前で、その代表的なものは「首」だが、このへんの取捨選択、岬に数えるかどうかは、多少でんでんむしの主観的な判断によっている。が、首以外はできる限り限定的にしている。というのは、「岩」とか「碆(はえ)」や「根」などの名であっても、明らかに岬の形状として、その地域で代表的なものはカウントしたが、だからといってたとえば「岩」のつく名の全部を網羅するとなると、際限がなくなるからだ。また、「瀬」とか「島」とかいった名がついている出っ張りも数多いものの、それらまで全部岬に数えるのもどうかと思われる。
 そんな事情で、このあたりの数え方は、増やす気になればいくらでもとは言わないまでも、もっともっと増えてしまうので抑え気味にした。そういう意味で、ここは数えたものもあり数えなかったものもあり、多少グレーゾーンであることはお断りしておく。
 やはり岬の呼び方でいちばん多いのは「岬」ではなく「崎」で、それについで「鼻」。「崎」には「埼」も含めているが、これも使い分けがはなはだ微妙なものが多い。一説によると、「埼」は灯台の名に使われるという。たしかに「埼」とつけた灯台は多いのだが、それがすなわち岬の名となるとも、はたまた灯台とは別に岬のほうの名は「崎」と分別されているとも、どちらとも断定しにくい。実際には「崎」と「埼」は混同・混在して使われているので、ここではひとつにまとめた。

▲日本列島を北から南へエリアごとに区切ってみる
 北から順に南にくだりながら、太平洋岸と日本海側にエリアを区切りながら、全国の岬を地域別に仕分けしてみた。このエリアの区切り方は、この岬めぐり独自のものなので、そのエリアマップをつくっておいた。
misakiDBmap-1.jpg
 たとえば、北海道は、宗谷岬と襟裳岬を結んで線引きをし、東部と西部に分けた。実際には襟裳岬から白神岬までを南部とすることもできるのだが、あまり細かくしないために西北と一緒にしてまとめた。また、北方領土は、別書きにしてある。
 この北方領土、これまでのデータでは、57として数えていた。それが今回の調査では83と、一気に26も増えている。実は、前述の島嶼部の数が沿岸部の数を逆転した要因のひとつにはこれもあった。
 北方領土については、国土地理院でも政府方針に従って地理院地図に入れており、それをくまなく海岸線をたどりながら拾っていったのだが、前の調査後に新たに書き加えられた岬が多かったということなのだろうか。それとも、前のでんでんむしの数え方がおかしかったのだろうか。よくわからない。
 いずれにしても、国後島や択捉島は大きな島で、その海岸線を辿っていくと集落はほとんどないが漁場や川や岬の名前だけが、はっきりと記されているのに、誰もそこへ行くことも見ることもできないわけで、ある種独特の感慨を禁じ得ない。
 東北は、大間崎から東部と西部にわけている。陸奥湾沿岸を西部に含めてなお、東部のほうが圧倒的に岬の数が多いのは、三陸のリアス海岸のでこぼこのためであろう。十和田湖は陸奥湾沿岸とともに、相対的に岬が少ない西部に含めている。
 関東甲信越の東部太平洋沿岸には、伊豆諸島と小笠原諸島(東京都)を含んでいる。ここで内陸が多いのは、中禅寺湖や霞ヶ浦があるからであり、甲信越日本海側には富士五湖や野尻湖を含んでいるからだ。
 東海は三重県まで、北陸は福井県で区切ったのは、常識的な線引きだが、京都から山陰はひとつながりとして北部日本海沿岸にまとめた。南部太平洋沿岸は、和歌山・大阪と兵庫の南部、それに琵琶湖が含まれている。
 山陰日本海沿岸は山口県の西部響灘沿岸までとし、山陽と四国の沿岸を合わせてひとつのエリアにしたが、ここで九州についで二番目に岬が多いのは、もちろん瀬戸内海とその島々があるためだ。
 九州は福岡・佐賀・長崎を北部九州としたが、ここには、対馬・壱岐・五島列島などの島々のおかげで、岬の数が飛び抜けて多くなっている。大分・宮崎・鹿児島・熊本は南部九州としたが、種子島以南の島嶼部は、同じ島弧を形成している奄美群島として、沖縄・先島諸島と合わせて南西琉球諸島のエリアにまとめた。このため、九州地方として括った前回の島嶼部の区切り方とは異なっている。
 呼び名の傾向としては、「岬」は北海道に多く、「鼻」は中国・四国・九州では「崎」よりも多いということが言えそうだ。
 では、エリアではなく行政区画の都道府県別にみるとどうなるか、それはおって公開予定の(その2)の「数え直し改訂新版 番外:岬のある県・ない県・少ない県」でね。

dendenmushi.gif(2018/03/22 記)

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