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1511 芦崎=むつ市大字城ヶ沢(青森県)小指を曲げたような砂嘴がつくる大湊の港は海自の基地なので [岬めぐり]

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 陸奥湾の北東の角で凹んだ大湊湾は、いわゆる天然の良港というヤツであろう。これに明治期の海軍が眼を付けたのは当然とも言え、現在に至るも港付近で多くの面積を海上自衛隊の基地が占めている。また、一時期は原子力船「むつ」の母港になっていたこともある、その大湊港の主要な部分をつくっているのが、湾の西端で南から北へ向いて細長く飛び出した芦崎なのだ。
 芦崎は、砂嘴(さし)という地形で、大量の土砂を運んでくる川はないが、主に沿岸の海流によって砂が運ばれて堆積がつくられ、袋状の海域ができる。ここも宇曽利川の河口の堆積も少しはあっただろうが、典型的な砂嘴といえる。砂の堆積によるものだから、高度はない。
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 北に伸びる砂嘴は、途中から急に細くなり、わずか80メートルほどの幅出、内側に浅瀬を伴いながら先っちょのほうでは小指を曲げたようになっている。地図で見ると、この先端まで細い道が描かれているので、できれば歩いてそこまで行ってみたいと思うところだが、それは許されない。
 岬のまるごと全体が、小さいながら飛行場もあって、ヘリを主力にもつ航空隊もあるらしい海上自衛隊大湊基地になっているので、立ち入りはできないからだ。したがって、この岬もバスの車窓からの眺めだけになってしまう。おそらくは芦も生い茂っているのだろうが、遠目にはそれもよくわかるまい。
 バスが走る国道338号線は、基地の施設と一般住宅地の上の少し高いところを通っている。だから、屋根の間から海自の艦艇も停泊している大湊港が見え、その向こうに長々と横たわる芦崎も見えている。
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 川守町に差し掛かった付近で、ちょっと家並みが途切れたところに、うまい具合に芦崎の曲がった先端部分も見えた。
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 大湊駅に着いて、少しの時間を利用して、海岸まで出てみた。北から丸まった岬の先端を眺めると、曲がっている部分もバックと重なってしまい、暗くて何のへんてつもないただの横に突き出した平らな陸地にしか見えなかった。
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 JR東日本大湊線の大湊駅は、ここから先へはレールはないので、「本州最北端の駅」…と言いたいところだろうが、厳密に緯度の数値を比較してみると、大湊駅(41度16分49.19秒)に対し、お隣の下北駅(41度16分58.30秒)のほうが9.11秒ほど緯度は高くなっている。これは、大湊線の線路が、終点の大湊駅で北へ延びないで逆に南下している「へ」の字型になっているからだ。
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 大湊駅も少し高いところにあるので、薄暗く暮れゆくホームの向こうに、大湊湾が広がる。
 下北駅からは、かつては大畑線という支線も分岐していた。この線も下北交通になった後に廃線になっている。その大畑線に、田名部という駅はあった。
 「本州最北端の駅」という称号にどれほどの効用があるのかは不明だが、実はツアー観光客などは、ほとんどが大湊駅ではなく下北駅を経由するらしい。恐山など下北観光には、そのほうがメインルートになっているようだ。実際、大湊駅よりも下北駅で乗り込んでくる人のほうがずっと多いという現象は、わりと昔から変わらない。終点の大湊まで、わざにやってくるという必要は、もうあまりないからだろう。
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 大湊駅からは、18:11発の「快速しもきた」八戸行きに乗る。乗り鉄らしい若者などがばらばらといた車内も、これもやはり下北駅からどやどやと乗り込んできた何組もの中高年グループで、たった1両しかない列車はたちまち満員になってしまった。
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 ほとんどの乗客は、野辺地で青森方面へ行く青い森鉄道に乗り換えて行く。それが普通の流れで、むしろ大湊からこのまま八戸へ向かう快速だけが特殊で貴重な一本なのだ。
 大湊線はJR。野辺地で乗り換えるのは青い森鉄道。つまり、JR大湊線はJR線に接続していない、JRひとりぼっち路線になってしまった。乗り鉄ではないので、詳しくは知らないが、全国でもこういう路線はめずらしいのではないか。これも新幹線開通のあおりで、旧東北本線の一部が青い森鉄道に移管されたからだ。
 大湊線の沿線、57キロの陸奥湾東岸には、岬はひとつもない。もうすっかり暗くなって、車窓にはなにも見えないこの「快速しもきた」は、野辺地で乗り換えなくても、このまま青い森鉄道の線を八戸まで行く。でんでんむしはその手前の三沢で降りるつもりだが…。

▼国土地理院 「地理院地図」
41度15分41.75秒 141度9分29.84秒
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dendenmushi.gif東北地方(2017/09/05 訪問)
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タグ:青森県
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