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1497 福浦崎2=下北郡佐井村大字長後(青森県)白い崖を眺めて思う2000万年前からできはじめた列島のことなど [岬めぐり]

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 福浦崎については、2006年に仏ヶ浦を訪れたときに、そこから見た岬を項目にしていたが、実はその内容はほとんど仏ヶ浦の写真ばかりで、とりあえずあげておいたという感じでお茶を濁していた。

 031 福浦崎=下北郡佐井村大字長後(青森県)仏ケ浦は有名でもその北に大きくある岬を意識する人はいない

 そこで、今回は「福浦崎2」となる。…といって、格別たくさん書くことがあるわけもないが、前回はひとつだけしかなかった福浦崎の写真を、福浦港からぐるりと回りこんでみた眺めも補足しておきたい。
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 福浦の港からは、左手に長い岸壁の先にあるのが福浦崎で、北側の下ノ崎よりも港からは遠く離れている。45度に角度のついた岬の上は、八柄間山という313メートルのピークがあり、写真では丸くその頂きが岬のスロープと共に映り込む。
 このピークの70メートルくらい下のところを、国道338号線が巻いている。その南側は、恐れ多くも仏の磯をその遥か上から見下ろすことができるという、まことにバチあたりな展望台になっているようだ。
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 福浦崎の先端は、港から延びる岩の崖が丸くなっているが、その岩が変化に富んでいて、複雑な岩の節理がいろいろな造形を見せている。岩棚の上では鬼の洗濯板状態になる節理が、崖の縁では細かいギザギザの鋸の刃のようになっている。
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 港から見る福浦崎の遠くに見えているのは津軽半島で、ちょうど今別から北へ新幹線のトンネルが海峡に向かって下り、あるいは海峡から上がってくる傾斜になって通るところにあたる。
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 船で岬の北側と南側を見比べてみると、光線の加減もあるかもしれないが、南側の崖は白さが一段と際立って見える。あるいは南と北では岬をつくっている岩石の種類が異なるのかもしれない。
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 福浦崎南面の崖は、はっきりと白い。どうかすると薄い緑がかかっているようにも見える。
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 これはこの南に続く、仏ヶ浦の構成岩石と同じ、緑色凝灰岩(グリーンタフ)なのであろう。
 緑色凝灰岩というのは、実はその生成過程がわれわれの日本列島の成立と深く関わっている岩石のひとつで、現在の日本で北海道東部から東北日本海側にかけて、広く縦長い帯状に分布している。
 日本列島が今のような形に落ち着くまでには、地殻大変動を伴う長い長い時間が必要だったが、ざっくり言えばおよそ2000万~1500万年前に、ユーラシア大陸の東の端っこにあった地塊が、活発な火山活動と陥没によって離れ、間に縁海(日本海)をつくり、それがさらに大陸と列島を引き離していく。このとき、列島は真ん中付近からふたつに折れ曲がるような動きをしている。グリーンタフの分布は、まさしく日本海の拡大で押し出された列島の、ふたつに折れた北側の縁の部分を描いているようでもある。
 この日本海ができる過程で、海底火山の活発な活動が続き、大量の火山灰が海底に堆積し、マグマの熱や地中の圧力によって緑色凝灰岩という火山岩の巨大な帯となっていく、というわけだ。
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 今見ている福浦崎の白い崖も、そんなことを思いながら眺めると、また一段と味わい深い、と思うのですがいかがでしょうかね。

▼国土地理院 「地理院地図」
41度19分19.93秒 140度47分59.10秒
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dendenmushi.gif東北地方(2017/09/05 訪問)
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