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1484 太郎兵衛崎=苫前郡羽幌町大字天売(北海道)ネコ条例まで設けて保護している海鳥繁殖地がある天売島へ [岬めぐり]

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 中島さんの次は太郎兵衛さんです。太郎兵衛崎は昔ながらのベビーカーを横から見たような形をしている天売(てうり)島の西端にある。ベビーカーでいうと手押しハンドルとフードのジョイント部分にあたる。
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 周囲約12キロ、人口300人ちょっとというのも、焼尻島とほぼ同じような島は、その名も、もちろんアイヌ語源というのだが、焼尻島よりも?  それが「テウレ=魚の背腸」もしくは「チュウレ=足」に由来すると言われても、よけい訳がわからなくなるだけだ。アイヌ語源には、このように「聞かなきゃよかった・見なきゃよかった」というような解説がけっこう多いのが困る。
 それでも、こういう機会があるたびに「日本は単一民族国家だ」などといういかにも魂胆ありげな主張がまやかしであるかを、しっかりと意識しなければならないのだろう。北のアイヌ人も南の琉球人も、都合よく抑圧してきた歴史を直視しなければならない。また、世界史のなかで欧米列強の真似をして、最も遅れて突き進んだ帝国主義の歴史は、半島にルーツを持つ多くの人々を抱えることになり、共に暮らしてきた。いやいや、もっともっとずっと前から半島や大陸からこの列島にやってきた人も、少なからずあった。
 街で飲食店などに入ると、ちょっと変なアクセントと発音の声掛けに迎えられることがごく普通になっているような時代になっても、国は他の民族を受け入れるのに妙に神経質で、難民さえも頑なに拒んでいる。その割には、国民一般にはいわゆる人種的偏見は一部の特殊な主義主張を除けば、なべて少ないほうだと言えるのだろう。
 とにかく、この列島には、いわゆる日本人の祖先が定着する前からちゃんと先住民族がいたのだ、日本は最初から複数民族国家だったのだということを、北海道のみならず本州にもたくさんあるアイヌ語源の地名がはっきりと教えてくれる。
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 天売島には泊まらないで日帰りと聞いたユースホステルの人が、それは残念ですねといかにも残念そうに言った。こちらは、計画段階ではさほど残念には思っていなかったのだが、結果的にやはり残念だったかな。
 5日間というフリーきっぷの制約があるので、この計画ではどうしても泊まるわけにはいかなかったのだが、天売島ではちょっとした判断ミスから、観音崎という北西側の岬をスルーしてしまう結果となったからだ。
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 天売島の岬はそれを入れて3つしかない。南西端には赤岩という立岩や灯台もあるようだが、岬名はついていない。
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 そのうちこの太郎兵衛崎と北端のゴメ岬は、船からでも見える。だが、観音崎へは片道約3キロほど、斜面を140メートルの高度まで登って行かなければならない。帰りは降りになるとはいえ、船の出航時刻までに往復して帰ってこられるかどうかは微妙なところだ。
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 焼尻島とは逆に天売島の北西岸は、人家や集落はない。50メートルを超えるような断崖が端から端まで全面に渡って続いているので、島の集落は太郎兵衛崎を挟んで北と南に集中している。
 Wikipediaによると、明治以降ニシン漁従事者による乱伐と山火事によって、島内の森林の大半が消失したという。因みに北海道西海岸のニシン漁は、いったいどこが北限だったのだろう。初山別までは確かにあったような気がしたが…。と、思いついて調べてみると、稚内までほぼ切れ目なくニシン漁の痕跡は続いていた。
 一旦失われた自然を回復するのはたいていなことではないと、よく言われているが、戦後になって北海道が進めた植林によって、長い間の苦労の末にようやく森が回復したというが、iOSのマップの航空写真ではさほど大きく深い森があるようには見えない。
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 南西端の赤岩から北東に向かって延びる断崖に沿って、島の背骨をつくる山が並行していて、道路はその内側を通る。そこから南東方向に傾斜地が広がる。それがだいたいの島の姿らしい。そして、山で隔離されたその断崖を中心にして、さまざまな種類の海鳥の繁殖地があるようだ。
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 この「天売島海鳥繁殖地」は1938(昭和13)年から国の天然記念物に指定されていた。また、1982(昭和57)年には国指定天売島鳥獣保護区の集団繁殖地にも指定されている。そして、おもしろいのは羽幌町が海鳥などの保護を目的とした「天売島ネコ飼養条例」を施行していることだ。町のサイトには、25条からなる行例の全文と施行規則を載せているが、その第18条には、「住民並びに天売島を訪れる者は、自ら飼養していないネコに対し、みだりにえさ又は水を与えてはならない。」としている。
 要は海鳥を保護するために野良ネコをいなくしたいということで、飼いネコにはマイクロチップを埋め込んで家の中で飼育することを勧め、屋外で放し飼いにするさいは去勢しなければならないとか諸々の規制がある。
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 バードウオッチングもやらないし、格別愛鳥精神にあふれているわけではない。むしろ、ヒッチコック以来、鳥には少し恐怖心がある。が、ネコはこどもの時からいっしょに暮らしてきたでんでんむしは、確かにできればこの島には一泊して、自転車でも借りてぐるりと回ってネコとネコから保護されている鳥もみてみたかったかな…。

▼国土地理院 「地理院地図」
44度25分48.26秒 141度20分6.93秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2017/07/03 訪問)

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タグ:北海道
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