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番外:羽幌ユースホステル=苫前郡羽幌町(北海道)炭鉱があったことは知っていたがアンモナイトは知らなかったよ [番外]

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 「番外:沿岸バス」の項でふれたように、増毛郡増毛町から北へは10の市町村を走って豊富・幌延まで続くバス路線は、天塩・遠別までが海岸線で、その長い沿線のなかでは、羽幌がいちおう真ん中付近でもあり、中心的な存在だとみていいのだろう。沿岸バスの本社も羽幌にあって、本社の建物の1Fもバスターミナルになっている。羽幌にはもうひとつ街の東寄りに「番外:沿岸バス」で紹介したもうひとつのターミナルがある。
 そこが旧羽幌駅のあったところで、ここからは羽幌炭鉱が活況を呈していた頃には炭鉱のための鉄道が、築別川・羽幌川の上流の山に分け入っていた。名前だけは知っていた羽幌炭鉱は、1935(昭和10)年に操業を開始し、良質な石炭を産出することで知られ、町も空前の賑わいをみせていたようだ。それが閉山して鉄道も廃止されたのが1970(昭和45)年で、わずか35年限りの繁栄だった。
 鉱山鉄道に続いて羽幌線も廃止されたが、羽幌港からは焼尻・天売のふたつの島を往復する航路があるので、交通的には今もなお重要なポイントになる。羽幌に泊まって、翌日にこの島へ行く計画だ。
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 初山別の金比羅岬から引き返して、沿岸バスを本社ターミナルで降り、この日の宿である羽幌ユースホステルまで、街をぶらぶら歩く。繁華なところは本社ターミナルの周辺だけで、そこを外れると静かな町並みが続く。
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 歩いていて気がついたが、車道と歩道の縁石がみな削り取られたような跡が痛々しい。横断歩道の白い印もそうだが、これらは冬場に出動する除雪車の活動の跡だ。夏の道で冬の厳しさを思い知らされる。
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 市街地の南の外れに、広い羽幌公園があり、さまざまなスポーツ施設も集まっているようだ。(スポーツといえば、羽幌炭鉱が盛んだった頃には実業団チームもいろいろ活躍していたという。)
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 緑の公園のなかで黄色く目立っているユースホステルは、アンモナイトでも一部には知られていたらしい。羽幌は、石炭ばかりか、日本でも有数のアンモナイトの産出地で、その調査研究のために国内外からたくさんの研究者がやってくるという。そうした人たちの定宿としても有名になったユースホステルの主人は、門前の小僧よろしくアンモナイトに興味をもつようになり、自分で採取した化石が、ケースに陳列してあった。
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 でんでんむしも、らせんつながりで当然それに興味はあり、神保町の書店のフェアなどで買ってきた化石をいくつか持っている。国内のものは規制もあり販売できないので、買えるのは外国産のものだけ。昔に買ったモロッコ産のはゴロンと大きな石の塊だったが、最近小田原の神奈川県立生命の星・地球博物館のミュージアムショップで買ってきたマダガスカル産のは、薄くスライスした石片だった。興味はあるのだが、とてもそのアンモナイトの山までは行けないし、今回は深く追求できない。
 ユースホステル体験は、能登についで二度目だが、今回は相部屋だった。作り付けの頑丈で広めの二段ベッドが二並びあって、ひとつの下段にはどうやら年寄り同士をくっつけたという感じの先客がいたので、こちらはもう一方の上段のベッドを選択する。上段でも座って頭がつかえない高さはあるので、さほど窮屈でもない。昔よく乗った広島=東京間を一晩かけて走っていた「急行安芸号」のB寝台にくらべればはるかに上等。
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 漫画本(いやコミック?ですか)が棚にずらりと並んだ談話室の片側の壁には、手書きまっぷがずらりとつなげて掲示してある。(下に飛び出しているのは天売・焼尻。)
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 これをつくっているのは、留萌駅の建物の中にあったFM局が拠点の留萌観光連盟で、この場合の留萌は留萌市ではなく留萌振興局管内の意味になるらしい。どこの市町村でも自分のところで制作した観光パンフレットもあるが、羽幌町のサイトではこの手書きのオロロンマップもサイトに載せている。その羽幌のマップでは、右上にユースホステルが描かれている。
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 これは、留萌の駅で発見していたのだが、なかなかの特筆モノなのだ。折りたたんで並んでいる青い部分が海を表している。
 なにが特筆モノかというと、えてしてこういうものは各自治体でバラバラにやるので、あったりなかったり、統一はまったくとれていない。このオロロンマップは天塩から増毛までの8つの沿岸市町村を、同一のスタイルでつなぐように設計されている。どのブロックも広げるとA3判の手書きマップをピンク色の国道232号線が横切っている。このユースホステルの談話室の壁では、それをちゃんとつなげて設計通り実現して、幅3メートルの留萌振興局管内のマップを表示していた。
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 無料で配布しているので、どうして成り立っているのかも気になる。広告はとっていないが、飲食店などからの掲載料収入くらいはあるのだろうか、それとも留萌観光連盟の事業費から予算措置がとられているのだろうか。よそのフトコロを気にしてどうする、というところだがこれだけのものでも調べて書いて描いてつくるとなると、たいへんな労力と装置と技術が必要なこともよくわかっているので、つい心配してしまう。
 これだけ広範囲な地域を、これだけちゃんとカバーしたオロロンマップのようなものは、北海道のほかの管内でもあったのだろうか。それともこの留萌管内だけなのだろうか。
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 車でフェリー乗場まで送ってもらい、ふたつの島へ向かう。
(留萌観光連盟制作の各市町村のまっぷは、留萌観光連盟ホームページからダウンロードできます。)

▼国土地理院 「地理院地図」
44度21分6.02秒 141度42分3.97秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2017/07/02 訪問)

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タグ:北海道
きた!みた!印(25)  コメント(2) 
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コメント 2

八犬伝

羽幌ユースホステルは、私が最初に泊まったユースホステルです。
高1の夏でした。
by 八犬伝 (2017-09-12 22:14) 

dendenmushi

@それはナンジュウネン前になるんでしょうかね。今プラハの街の情景を楽しんでおられる八犬伝さんの、旅はここからスタートした?とか‥?
by dendenmushi (2017-09-13 06:43) 

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