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1451 ツバクラ岬・女郎ヶ岬=福島町字岩部(北海道)大雨に見舞われて行けなくなってしまった岬 [岬めぐり]

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 小谷石ではなく福島町で泊る計画にしていたのは、福島町が地元のタクシー会社と契約してデマンドバスを運行しているからだった。通常のコミュニティバスとは違い、予約が必要らしい。これが吉岡から岩部までの海岸線を中心に、日に5往復していることがわかったので、宮歌のペンションという名前の民宿へ泊まり、翌朝いちばんの便で岩部まで行くつもりだった。
 それで岩部まで行けば、ツバクラ岬は目の前にあるし、海岸を走るところからマツクラノ岬も見えるだろうという心づもりだった。
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 国道228号線の海側が少し膨らんで、そこには広い砂利を敷き詰めたコンブ干場をもつ家が並んでいて、民宿はその間にある。部屋からは津軽海峡が目の前に広がる。
 この民宿から数百メートル西側の地下を、青函トンネルが通り抜けているはずだ。吉岡は北海道側のトンネル工事の拠点になっていたところで、海峡線と称していた頃には、吉岡海底駅という駅もあったが、通常の旅客の扱いはせず、もっぱら工事用だったと記憶している。これに対して本州側には竜飛海底駅があった。
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 民宿のおばさんに、トンネル工事の頃には宿も大繁盛だったのでは、と水を向けてみると、その頃にはまだ開業していなかったという。民宿ではどこでもありがちなことだが、ここもお仕事で長期滞在するおじさんたちのグループがいた。
 翌朝の朝食時になると雨はほとんど豪雨状態で、道は川になるようなありさまだった。
 やはり岩部までは行ってみたかった、というのは本心だが、この雨ではどうしようもない。いくらか覚悟はしていたとはいえ、かなりの降り方なので、この日の岩部まで行くという予定は変更して、朝のバスを待って木古内へ戻り、早めに東京へ引き上げることにした。幸い、小谷石も前日に終了しているので、もう心残りはない。
 今回の道南と奥尻の岬めぐりは、出だしから函館本線の不通でつまづいて、ずっと計画の変更を重ねてここまできたが、最後もまた大幅な修正である。考えてみれば、JR北海道とJR東日本の乗り放題フリーパスの恩恵は、ほとんど受けてなかったわけだ。
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 頭から雨合羽をかぶり傘をさしてバスを待つ間も、ザンザン降りだったので、写真どころではなかったが、どっちにしても岬などはさっぱり見えなかった。それでも、まだ早朝の雨足がゆるやかだった頃に、宿の窓から撮ってみた。矢越海岸の断崖は、よく見ればぼんやりと影があるかないかという程度だった。
 少し言い訳をしておくと、「でんでんむしの岬めぐり」は、全国の岬をできるだけ網羅したいとは思っているが、決して“制覇”や“踏破”を目的としていない。そのときの状況次第で、行けなかった岬も行けた岬も、それぞれがその岬との縁であったわけで、それを大切にしたいと考えている。
 そんなわけで、ツバクラ岬も、その手前の女郎ヶ岬も、前日の夕方の晴れ間に見た遠望だけでよしとすることになった。
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 ツバクラ岬の西にある岩部の小さな集落は、岩部川の流れる谷間の河口で、少し奥まっているので、斜めに遠くから見たのでは、ほとんどそれは見えない。その手前にトンネルがあるが、漁港はこのトンネルのこちらにあるようだ。
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 女郎ヶ岬も小さなトンネルで抜けているようだが、その場所の特定もむずかしいが、岩場があるあたりだろうか。その左手に三角の岩島が目立っているが、これは日出の白糸の滝付近で、このあたりの海岸には覆道がいくつも連なっている。それらも、翌日は雨のなかでなにも見えなくなっていた。
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 宮歌の氏子沢のバス停から、松前と函館を結ぶバスに乗り込んで、カッパを脱いでリュックにしまい傘を畳んで、やれやれと一息つく。木古内までは55分もかかる。この松前半島の先をめぐっている国道228号線を走るバス路線は、旧松前線の代替でもあったが、線路がなくなったのは1988(昭和63)年。だからもう全線廃止からも久しいので、かつては鉄道が通っていたことも遠い昔で、今ではもう誰も代替などという意識もあるまい。
 ともかく、いちおうこれで今回も積み残しになった檜山・島牧地区の一部を除いて、曲りなりにも道南の岬めぐりは終わる。
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▼国土地理院 「地理院地図」
41度30分24.40秒 140度20分47.33秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2016/09/05〜06 訪問)

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タグ:北海道
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