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1440 滝ノ澗岬=奥尻郡奥尻町字稲穂(北海道)“海栗前”では読めんじゃろと北回り町有バスの終点は“野名前”と変換 [岬めぐり]

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 東を望めば帆越岬や尾花岬、北を望めばせたな町と島牧村の境界にあたる茂津多岬が眺められる最北端稲穂岬。そこから、西を見るとどうなるだろうかといえば、島の北辺を描くそこからの海岸線は、西から少し南に下りながら、およそ12キロ以上にわたって伸びている。
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 バスが走るのは、さいの河原から稲穂の集落を経て終点の野名前までの間で、その海岸線のうちの手前2.5キロだけであるし、道路も野名前から先は山のなかに入っていくので、海岸線は無人地帯が延々と続くことになる。
 その海岸でいちばん東に位置するのが滝ノ澗岬である。
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 実はこの岬名には、ちょっと困った。ここでは北海道全域でほかにも多く岬名にでてくる“澗”の字にしてあるが、地理院地図では“潤”という字になっているからだ。“うるう”というのも意味的にはあり得るのだが、さてどうしたものだろう。お上に従う従順な日本国民のひとりとしては、国土地理院に逆らうのもいささか心苦しいのだが、これまでの流れとして、取り巻く空気として、ここはやはり“澗”でいくことにした。
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 同じような名前に、余市に“滝ノ澗ノ岬”があり、“滝ノ澗トンネル”というのもあるし、その他“澗”の岬や地名は多いことは、前にもふれた。だが、“潤”というのは、ほかでも記憶がなく、すぐに思い浮かばない。
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 北回りのバスの終点は、野名前というところで、道路脇に建物が並ぶ静かな集落がそこで終わる。この読みはそのまんま“のなまえ”なのだが、地理院地図の字表記は“海栗前”としている。これが、元々の正しい名前なのであろう。バス停は読みやすいように、という配慮で変換されたものだろう。
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 “海栗”とは、ウニのことであることは明白だが、これを念のため“さくらばな”のおばさんに確認してみると、その通りだと言って、勘太浜や東風泊など次々に島の地名をあげながら、地名にはみんなちゃんと意味があるんだから…と熱を込めて話してくれた。
 さくらばな(これがおばさんの名前)さんによると、海栗前の海岸にはかつてはウニがごろごろとあったのだという。事実、今でも堤防を歩いていると、そこここにウニの殻が転がっている。カラスに食べられてしまった残骸であろうか。
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 滝ノ澗岬は、海栗前の港から西へ850メートルのところに飛び出ている岩と岩礁の岬である。
 崖は20メートルもないくらいの低さで、先端の部分以外はみんな緑で覆われている。だが、その海岸線には港の岸壁からすぐに始まる岩だらけの磯が、ずっとこの先見える範囲のすべてにわたって続いているようだ。
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 その岩の磯は、水がきれいで、透き通って見える。これならウニも見つけやすいかも…。
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 海栗前からは滝ノ澗岬の陰になって見えないのだが、岬を回り込んだところには地理院地図では名前のついていない、島では比較的長い川が岩の間に流れ込んでおり、その西にはガロ川というそれよりは少し短い川がある。その中間の海岸にはポロ島という岩の出っ張りがあり、その上の斜面には“滝ノ澗”という字名が残っている。
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 稲穂から西へは無人地帯と書いたが、地図をよくよく見ると、滝ノ澗岬の手前から山に入っていく道の脇には、ちらほらと建物の四角い表示があった。山の中の球浦開拓を別にしても、まったくの無人地帯ではないらしい。
 岬の名や字地名に“滝”の字を残しているのだから、きっとどこかに滝もあるのだろう。
 そう思って、二本の川を地図で辿っては見たが、滝を示す記号は見当たらない。だが、西側で岬の東裾付近で海に流れ込んでいる無名の川の河口付近では、斜面がえぐられた岩崖があり、その上流にそれらしい黒い線もあるが、滝の記号にはなっていない。だが、きっとこれは滝なのだろう。
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 この川の右岸にあたる山の斜面には、海まで続く破線の道が描かれている。ほんとうのことを言えば、「でんでんむしの岬めぐり」も、こういうところまで歩いてみたい。そうすれば、おそらく滝も発見できるだろう。そして岩がゴロゴロとあるような丸い記号で埋め尽くされた海岸に降りて、滝ノ澗岬も西側から眺めてみたい。
 そんなことも考えてはみるが、やはりそこまでは徹底できない。
 そこでまあ、こんなところでテキトウにお茶を濁しているわけなんですが…。
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 海栗前から北東の方向を眺めると、稲穂岬の賽の河原が横から眺められる。
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 実際の行動は、集落のはずれまで行って一休みして時間調整した折り返しのバスに乗って、さいの河原まで戻り、そこで次のバスが来るまでを過ごして引き返した。

▼国土地理院 「地理院地図」
42度14分0.97秒 139度31分39.79秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2016/09/04 訪問)

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タグ:北海道
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