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1420 獅子ヶ崎=小浜市田烏(福井県)長さ600メートル幅100〜メートルの崖でできた岬は小浜市の最東端 [岬めぐり]

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 常神半島の付け根は、いささか微妙ではあるものの、東は日向、西は塩坂越(しゃくし)とみて、まず不都合はあるまい。西海岸を走ってきた県道216号線も、ここから塩坂越トンネルを越えて三方五湖のほうへ出るからだ。このトンネルから南へは大きな道路はなく、ちょっと隔絶した感じで世久見、食見という集落があり、そこから北へ伸びる大きな出っ張りが固まっている。隔絶したといっても、世久見には世久見トンネルがあり、それで三方湖岸の国道162号線で常神からきた線と合流している。
 塩坂越トンネルに入って三方五湖へ出る前に、チェックしておかなければならない岬が、このシリーズの最後にもうひとつ残っている。
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 それは、小浜市の獅子ヶ崎。
 常神半島の南西にもこもこと突き出た半島の北端に、低く細長く飛び出た岬である。高さは50メートルくらいで、100〜150メートルくらいの幅しかないが、長さは600メートル近くある。
 この半島も周囲は断崖、とくに先端部分は全面急な崖で、この硬い崖のために侵食や崩落を免れた部分だけが、海中に突き出るようにして残ってこの岬になったと考えられる。この付近を通るときには、行きも帰りも雨だった。薄暗いなかにほとんど影のようにしか見えない。
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 この半島もほとんど集落らしい集落はなさそうで、見えているその半分弱までが若狭町。岬のある先端部分は小浜市の領域となる。
 小浜市に入る前に、若狭町について気になったこと。若狭町は「三方上中郡若狭町」だが、東隣りは「三方郡美浜町」であった。そして、おかしなことにどちらの郡もほかの町や村はなく、一郡一町なのだ。
 どうして、こういうことになったのか。やはり、昔は「三方郡」のなかに美浜町と三方町があったのだが、三方町が遠敷郡上中町と合併して「若狭町」となったときに「三方上中郡」を名乗ったという。しかし、なんで「三方郡若狭町」にならなかったのか。いったい、どういう不都合があったのだろうか。町のサイトをみても、さっぱりわからない。もしかして、「上中」という文字を残す必要があったからか。だが、それだけなら、どこでもあるように「若狭上中町」とかするのが普通だろうに。shishigasaki-11.jpg
 獅子ヶ崎が東に抱え込む湾には、地理院地図では記名がないのだが、Mapion に倣って世久見湾と呼んでおこう。この世久見湾の真ん中に、でんとあるのが鳥辺ならぬ烏辺(うべ)島。この島もその向こうも若狭町。これも、晴れた日だときれいに見える、海の美しさを楽しむことができるだろう。だが、こういう小雨霧雨のような風情もまた、墨絵を見ているようで味わいがある。
 おもしろいのは、こうした無人島でも、釣り情報だけはぞろぞろでてくるのだが、烏辺島に限ってはそれが見当たらず、スイミングとダイビングのスポットとしての情報があるきりだった。
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 烏辺島と獅子ヶ崎はほぼ東西に横並びなのだが、こちらは常神半島のほうから見ているので、バックは岬ではなく半島になる。
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 実はこの岬は、神子トンネルを越えて南に下った付近から見えていたのだが、そのときには岬の先端には隣にある黒崎もアタマを出していた。
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 このため、岬の先に岩島のように隆起した部分があるように見えていた。が、黒崎がかぶらない獅子ヶ崎の姿は、もっと南からみたこの姿になる。
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 小浜市の領域では、いちばん東の端になるのがこの獅子ヶ崎だが、そこから1キロ南西側にある黒崎は、小浜の岬めぐりで「579 黒崎=小浜市田烏」の項として書いていた。そこでも千島のことにふれていたが、沖の石は…。
 このときは、犬熊の海岸から矢代湾越しに見ていたのだが、バックには常神半島が見えていて、「あそこまで行くのは大変そうだなあ」という感想をもったことを記憶している。
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 また、常神半島から西へは、獅子ヶ崎よりもっと遠く薄く、長い半島のように見えていたのは、小浜市の最北端になる蘇洞門の断崖と久須夜ヶ岳であった。そこも、「569 長崎=小浜市宇久」「575 七蛇鼻=小浜市宇久」の項にあるが、ちょっとモヤが晴れた一瞬には、長崎の白っぽい崖がなんとなくわかるような気もした。
(このあたりの項目ではきた!みた!印は4とか8くらいで、常連さんを含めて近頃訪問くださる方々は皆無だったので、いちおうリンクを…。(お天気がいいときの若狭湾の景色もどうぞ)
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 というわけで、これでどうにか越前・敦賀・美浜・若狭・小浜へとつながった。そして、誤算続きのこのシリーズも終える。
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 バスは、遊子・塩坂越とふたつのトンネルをくぐり抜け、JR三方駅に戻ってきた。この駅で失くしたというか忘れてきた帽子のことを、木ノ本駅に問い合わせてもらったことから、無事に戻ってくることになった、記念すべき駅になる。また、ここへ来て待合室の掲示ではじめて、予定していた日曜運行のバスがなくなっていることを知った。
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 三方駅のホームには、若狭町の「ラムサール条約登録湿地 名勝 三方五湖」などの観光看板。
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 これで、本州の日本海側は、竜飛崎から丹後半島最北端の経ヶ岬までつながったことになり、この次、西へは犬ヶ岬(京都府京丹後市丹後町)からとなるが、さて、それはいつ…。

▼国土地理院 「地理院地図」
35度34分34.39秒 135度48分41.12秒shishigasakiM-1.jpgshishigasakiM-2.jpg
dendenmushi.gif北越地方(2016/07/18 訪問)

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タグ:福井県
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