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1418 常神岬=美浜町日向・若狭町常神(福井県)“ノドからアタマまで”は結局行けず3時間も常神集落で時間をつぶすことに [岬めぐり]

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 結論から言えば、美浜町と若狭町の境界線上に位置する常神岬は、結局、美浜町敦賀半島西岸側からの遠望のみ、ということになってしまった。
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 気山のレイクヒルズからバスに揺られ続けて、三方湖、水月湖の湖畔を通り、塩坂越のトンネルを抜けると、なんとかドラゴンのように細身ででこぼこした常神半島の西海岸に出る。そこをまた延々走って、1時間かけて辿りついたバスの終点が常神(つねかみ)である。そこはドラゴンというよりは水飲み鳥の頭のように下に向いてかしいでおり、常神の集落はその鳥のノドのところにあるが、常神岬はそこからまた一山越えた水飲み鳥の頭頂部のところにある。
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 地理院地図には、岬へ行く道はなく、標高約240メートルの山の上に灯台があり、そこまで行く道は描かれている。140メートルの峠があるので、灯台まで行かなくても、峠の上から常神岬の先端が見えるのではないか、当初の計画ではそう考えていた。ところが、それがそう簡単にはいかなかったわけですね。バスをめぐる誤算はここでもいくつかあったのだが、それはとりあえずおいて…。
 この日は、予定通り朝から雨で、それは覚悟のうえで敦賀駅前のコンビニでビニールのカッパまで買ってきた。山ひだの谷とその前にわずかに開けたところに集落が密集している。密集ということばが、ここでは実に適切である。細い路地の両側いっぱいに民家が軒を連ねている。地図ではそこに“常神のソテツ”と∴ 記号で示されている。ははあん、また例の古い時代に指定された天然記念物だな、と思ったがまずはそれを探して行ってみよう。
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 めったに人には出合わないので、たまにあった人をつかまえて聞いてみる。ソテツもだが、問題はこの集落の奥から灯台に続く鞍部への道の情報を確認することだ。
 民宿の案内図よりも実際はもっともっと細かく込み入っている集落の間を入ると、家からちょうど出てきたちょっと若目のおじさんに出合った。さっそくつかまえて峠への道を聞くと、「いやー、その道はムリだね、今は通れないから、やめたほうがいい」という。なんでも、いつも道の草木を刈ったりしていちおう整備はしているのだが、ここしばらくはそれをやっていないのでどうなっているかわからないのだという。
 そっかあ、それじゃムリだな。ダメを押すように雨も強くなってきた。それではソテツだけでもと路地を探すが、なかなかわからない。
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 通りかがったおばあさんに聞くと「そりゃなかなかわからんわ」と案内してくれた。民宿の軒下のようなところを通って、その民宿の庭に、そのソテツはあった。
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 細い谷間の傾斜を覆い尽くすようにして建っている民家の、多くが民宿をやっているらしい。その間を上へ上へと辿って行くと、道とも言えないような家の裏に出る。この家がこの谷では最奥だから、道があるとしたらここからだろうなと、なおも未練がましく覗いてみると、踏み跡も流されて消えかかっているがどうやらこれが道らしい。かつて標識だったものらしい木が倒れているのでそれとわかる。
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 確かに、このお天気でこの道を登るのはムリだわい。それにムリして登ったとしても、木が茂ったままだと鞍部から岬を見下ろすということもできないだろう。そう納得して、民宿の間を降りる。
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 集落からさらに西に道があるので、行けるところまで行ってみる。港の終わった先には公園があって、処理場のような建物があるところで岸壁も道も終わっている。
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 常神岬から南に続く断崖が南端に達するのがここで、この向こう西側には御神島という長細い無人島があるが、それは常神にくる途中の峠道からのほうがよくわかる。
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 “神”という字が多く使われているのは、この地が神功皇后伝説の地でもあるからだろうか。
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 今では海水浴というよりも釣りやボート遊びなどと、民宿の魚料理が人を集めるのか、夏休み前というのに日曜日のこの日は、しばらくすると雨もやんで、結構大勢の人が海岸近くには寄ってきていた。海岸に魚料理の看板を掲げた店があったので、入っていくと迷惑そうな顔をした店の人に、今日は予約でいっぱいだと断られた。ほかに、カフェの看板もあったかなあと、また路地を探すと、どのくらい前までかはわからないが元カフェだったらしいところはあった。
 その以外には、まったく中に入って座る場所がどこにも、なにひとつない常神であった。集落の東のはずれにお寺があって、その前にわずかにある貧弱な浜で、家族連れが水遊びをしていた。
 地理院地図では、その上の出っ張りにお寺の記号が付してあるが、実際にあるお寺の位置とは違う。出っ張りの上に登ってみると、そこにはかつては建物があったが崖とともに崩落してしまったような痕跡が認められる。
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 下の新しいお寺も、外来者を迎え入れるようでもないので、仏の慈悲にすがることもできない。帰りのバスの時間まで、とにかくここ常神でうろうろと時間をつぶさなければならない。3時間。これはつらいですね。バスがきてやれやれ。
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▼国土地理院 「地理院地図」
35度38分30.27秒 135度48分54.48秒
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dendenmushi.gif北越地方(2016/07/17 訪問)

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タグ:福井県
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