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1410 鷲崎=敦賀市手(福井県)原電のお金でできたトンネルとバイパスから北東に飛び出た細い小さな尾根が伸びる先に [岬めぐり]

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 鷲崎トンネルの銘板の文字は、それぞれ南と北のトンネルにいちばん近い小学校のこどもたちが書いたのだそうだ。南の沓側が常宮小学校、北の手側は西浦小学校の児童の手になる文字を使っているという銘板の部分を拡大してみようかと思ったが、北側からトンネルに入るところでの写真が、ちょっとうまくなかったのでそれはできず。
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 鷲崎は、北側からの写真だけになる。
 それは、断崖の上を走っていた旧道ではなく、日本原電が出したお金でつくったトンネルとバイパスは、その旧道の内側を通り抜けているので、トンネルを出るともう鷲崎は後ろに消えてしまう。旧道を通ればちゃんと南からも見えていたが、トンネルでは見えないからだ。
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 高さは60メートルほどの細い岬は、ケータイ用のものと思われるアンテナ塔を載せ、トンネルの山から北東に向けて突き出ている。
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 ここで断崖は終わり、砂浜がちょっとだけ広がり、その向こうには集落が見えてくる。
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 ここが手の集落である。“て”ってぇのもおもしろい地名だが、誰も知らない何もわからないということなのか、やっぱりなんの情報もない。
 ただ、さすがに“て”っ言うだけじゃ言いにくいしわかりにくかろうというので、地元の知恵者がここは“手の浦”と称することにしようと…。
 かどうかはわからないが、とにかくここはバス停の名は“手の浦”、海水浴場の名も“手の浦海水浴場”となっております。
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 予備知識を事前に仕入れることをまったくしないでうろうろしているものだから、うろうろしているうちにだんだんとわかってくることがある。
 元比田へ行くときに乗った敦賀コミュニティバスには、“東浦線”という路線名がついていたが、これは別に東浦というところがあるわけではなく、敦賀湾の東岸を総称して東浦と言っていたかららしい。
 では、敦賀湾の半島側は西浦なのだから、ここを走るバス路線は“西浦線”かといえばそうではない。古い神社と集落のひとつから“常宮線”となっていた。このことからも、半島東岸の西浦一帯で、常宮が重きをなしていたことが想像できる。
 トンネルの銘板の文字を書いたこどもたちの小学校は、常宮と西浦というわけですねえ。ところが、この両校とも平成27年度いっぱいで休校になっている。西浦中学校というのもあったのだが、これは小学校よりも1年早く休校になった。
 西浦のこどもたちは、常宮線のバスでなのかスクールバスでなのか、半島付け根付近の学校まで通っているのだろう。ここにもまた、全国の町から遠く外れた岬を訪ねて行くと、あちこちで展開されていることと同じことがあった。
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 西浦から西にかけては、若狭湾国定公園が始まる。景色の美しい海岸線にある海水浴場は、シーズンにはたくさんの人がやってくる。手の浦海水浴場もそれなりではあろうが、やはり色ヶ浜の人の多さにはかなわない。
 同じバスでも、数組の若い人たちが、色ヶ浜に行くために乗り合わせていた。どうして行き先がわかるのか? だって、敦賀駅ののりばでごちゃごちゃ言ってたり、運転手に聞きにきたりしてるから…。
 そうそう、この乗ったバスは、そうした海水浴客のために増発された、夏季だけの臨時便だった。
 手の浦の海から、ずっと奥のほうに見える島は色ヶ浜(色浜)の水島。
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 鷲崎の北で並んでいる手も色ヶ浜も小さな集落で、西浦海岸ではとくに港に適しているとも言えない。だが、そこだけが山が開け、平坦とは言えないまでも、傾斜が緩くなったスロープを控えている。それがここにそれぞれ集落ができた理由だろう。
 しかし、どちらも川はないので、天水に頼っていたのだろうか。
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 鷲崎から西へ、半島の脊梁となっている尾根には、敦賀半島最高峰の西方が岳(764メートル)がある。背後の山が蓄えた水は、どこかで清水や井戸になって、集落の人々の暮らしを支えてきたのだろう。
 鷲崎や手の浦からまたずっと東のほうに湾を横断してみると、東浦の松ヶ崎や黒崎がそこにはある。よほどの水飢饉ともなれば、東浦の川から汲んだ水を舟で運んだりしたこともあったかもしれない。
 こういう半島の暮らしは、そういうものだったろう。
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▼国土地理院 「地理院地図」
35度42分19.38秒 136度2分36.86秒
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dendenmushi.gif北越地方(2016/07/18 訪問)

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タグ:福井県
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