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1394 雄松崎=大津市南小松(滋賀県)近江舞子には昔泳ぎにきたことがあるしもっと古い昔の琵琶湖での忘れ得ぬことなど [岬めぐり]

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 柳ヶ崎から北へは、唐松の松、堅田(かたた)の浮御堂といった昔の近江八景の名勝があるが、現在はどちらもすっかり住宅に囲まれてしまっているようだ。
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 湖西線の堅田駅付近には、琵琶湖大橋が架かっている。ここが琵琶湖南部で対岸との距離が1.35キロといちばん狭まっているところだ。そうだ。浮御堂までは大昔に来たことがあったのだ。それは、中学の修学旅行で京都奈良へ行った時のことで、比叡山から坂本へケーブルで降りた。詳しいコースはもう忘れたが、忘れられないことがひとつある。瀬田の唐橋・石山寺へ向かって琵琶湖を走る船の上で、昼食の薄い折詰弁当がみんなに配られた。そこで、食べ終わった弁当のヘギ折の箱をどうするかというときに、船長だかガイドだかどちらかが弁当の殻は湖へ投げてくれ、と言ったのだ。
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 昭和20年代の終りごろには、まだカンキョウのカの字もなかったので、そういう指示に疑問をもつこともなく、みんなでエイヤッと琵琶湖に投げ込んだ。でんでんむしもその指示にしたがってそうしたが、たくさんの弁当の殻と包み紙が琵琶湖の湖面に浮かんで、船はそれを置き去りにして南へ進んで行くのを見送りながら、あれは琵琶湖に沈んで腐ってなくなるのだろうな、と漠然と思った。
 救いは、今のようにビニールやプラスチックが普及する前だから、木と紙ばかりで、とうに腐って琵琶湖の底で分解されているに違いない。ときどきそれを思い出してしまう。
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 北へ比良山系とおぼしき山なみに向かって走る、湖西線の車窓から湖は遠く、和邇、志賀、比良を経て近江舞子に着いた。
 大阪にいたときは、門真市で1年、柏原市で6年を過ごしたが、海水浴には遠かった。淀川も大和川も川遊びもできないが、さりとて扇町プールまで行く気にもならない。
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 そんな頃、近江舞子まで泳ぎに行ったことがある。それまで、瀬戸内海で泳いでいたので、淡水の湖で泳ぐのも初めてだったが、かなり泳ぎ難いという印象はあった。だが、その記憶も前後のいきさつも霞んでしまった。だから、二度目とはいえ近江舞子の駅は高架になってすっかり変わっているし、海水浴場も初めて来て見るようなものだった。高架工事以前からそこにあったのではないかというような、年季の入った観光看板も、歓迎の左の一字がとれたままで、“迎”だけが残っている。
 リュックの女子二人組は、でんでんむしと同じく泳ぎにきたわけではないようだが、案内看板で確認しているその目的地は?
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 琵琶湖には川の河口の堆積が、大小の岬の出っ張りをつくっていると、前にも書いたが、そのほとんどには名前がついていない。申し合わせたように、それらはさほど大きくない河口の左右両岸の砂州を伸ばしたようになっていて、そこだけポコンと膨らんでいるのだ。おそらく、外海の海岸と違って、大きな波浪の影響を受けないためにできる地形なのだろう。
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 和邇川の河口の出っ張りは、比較的大きいほうだが、そこにも名前はない。
 近江舞子の白砂青松の海(湖?)水浴場で、丸く飛び出している雄松崎は、そうした琵琶湖固有の岬の変形種なのであろう。南には比良川が流れていて、その河口にも小さな丸い出っ張りができている。雄松崎はそれとは別の要因が加わって、できた岬のようだ。
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 大きく高くできた砂浜の丘が、長い堤防のようになって回りこみ、その内側には内湖という水面を抱え込んでいる。そこには比良川とは別の細流が何本も流れ込み、その流域は広い田んぼになっている。
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 どういう自然の力と偶然が生み出したものか、白い砂の輝きの中に松の青さが木陰をつくる、そんな湖岸が逆“く”の字の形に続いている。
 梅雨明け前の連休初日、この地方は汗ばむ快晴であったが、まだ泳ぎにやってくる人はそう多くはないようだ。ただ、この頃の若い人たちは、泳ぐことそのものが目的ではなく、岸にテントを張ってバーベキューをし、ビールなどを飲むためにやってくるようだ。
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 雄松崎から東を見ると、対岸は近江八幡市と東近江市付近である。手前に見える島は近江八幡市に属する沖島。琵琶湖の島は竹生島だけではないのだ。
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 近江舞子の北、北小松までで大津市は終わり、高島市となる。次の船木崎も北東1.5キロ先に平たく細く見えている。
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▼国土地理院 「地理院地図」
35度13分42.78秒 135度57分46.80秒
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dendenmushi.gif近畿地方(2016/07/16 訪問)

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タグ:滋賀県
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