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1363 下立鼻=八丈町鳥打(東京都)かつては人が暮らしていたこともある八丈小島の北西端にある岬は大越の丘から遠望で [岬めぐり]

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 大越ヶ鼻の展望台からは、西南西に6.8キロのところにあるのが、八丈小島の最北端にあたる下立鼻である。最北端とは書いてはみたが、その東隣りに並んでいるヨオリヶ鼻とほぼ横並び、若干ヨオリヶ鼻のほうが出ているか、という感じもする。
 だが、東の斜め北寄りから見ているわけだから、見えている岬の先端部分は、明らかに西の下立鼻であるはずだ。
 とはいえ、その手前、東のヨオリヶ鼻や首付根と重なっているわけで、それらと下立鼻を明確に分離して目視できるほど、遠望の写真は鮮明ではない。
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 船をチャーターすれば別だが、八丈小島には渡れないので、これはこれでよしということにしよう。
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 その気になれば、行けないことはない。無人島だが渡船などで渡って、島のてっぺんの大平山616.8メートルに登ったという人の記録もあるし、釣りで渡る人もいるだろう。だが、この島での宿泊は禁止されているようだ。
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 八丈小島は、最初から無人島だったわけではない。そのことはおいおい述べるとして、まずは遠目からながら八丈小島の様子を眺めてみよう。
 八丈島全体図からいうと、中央部にある八丈町町役場から八丈小島の大平山山頂までは、西北西に10.14キロの位置になり、面積は3.2平方キロほど。島の形は八丈島と同じ北西=南東向きに斜めに長いが、ほぼ大平山から八方に下り落ちるスロープが島を形づくっている。
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 横から見ている感じになる大越ヶ丘からだど、形のよい富士山型に見える。これがもっと南の南原千畳敷付近から見ると、裾野の広がりがぐっと抑えられ絞られた形になるので、とんがり帽子が浮かんでいるように見えるはずだ。
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 島の北西側と南東側で、少し等高線は緩やかになるが、北東側と南西側は等高線が詰まり、その線を不規則にする崖崩れのようなところが多い。周囲を取り巻く海岸線はすべて海食崖(かいしょくがい)の切り立った断崖絶壁で、小島やいくつもの根が点在している。そんな島だから、まず平地がほとんどない。池も水もないし、もちろん川もない。
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 八丈小島が噴出したのは、八丈島の東山(三原山)の形成と同じ頃といわれているらしい。東山でいちばん古い火山という横間ヶ浦火山が活動を始めたのは、今から約14万年前の更新世の頃だとされている。
 更新世というのは、新生代第四紀(実はこのへんの区分や呼び名については、国際的に調整中)約258万年前から約1万1,700年前までの期間とされているので、つかみようもなく長いが、この時代の地球世界的には4回の氷期と3回の間氷期があり、氷河が伸びたり縮んだりを繰り返していた時代である。そして、人類もこの頃に出現し、進化への歩みを始めた時期なのだ。
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 一方、八丈富士の西山のほうは、それよりずっと後の1万数千年前くらいからの噴火活動でできた比較的若い火山らしい。つまり、この八丈小島は、八丈富士がまだ海面上に出てこない頃から、ここにあったというわけだ。
 玄武岩を主とする成層火山という点で、八丈島の東山と八丈小島、そして西山も共通している。
 成層火山というのは、同じ火口が何度も噴火を繰り返して、その周囲に溶岩と火山砕屑岩が積み重なってできる火山のことで、円錐形に近い形の火山体ができる。その後に地形変化も起こるので、そのままの形を留めていないことも多いが、日本にある火山の多くはこのタイプであるという。
 また、玄武岩というのは、火山活動によって上昇してきたマグマが地表付近で急に冷えて固まってできる黒っぽい火山岩で、地球上では最も一般的な岩石であるし、海嶺で噴出するマグマは枕状溶岩となるので大海原の海底のほとんども玄武岩であると言ってよい。
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 海食崖が取り巻く島は、海から急に大きく立ち上があっているように見えるので、見慣れてきた瀬戸内の島や沖縄の島などとも違った印象がある。最初にくるときに乗ってきたタクシーから、「ほー!」とその景色に見とれていた。そのときは午前中で、島は順光に輝いていた。
 運転手さんが「初めてですか?」と聞くので、そうだというと「この島は前には人が住んでいたんですが、全部移住したんで今は無人島です」という。それはナゼですかと問うと、「崖崩れです。ヤギが増えて…」というような答だったようだが、正確な表現がどうだったか覚えていない。どうしてか、そのときはほかのことを考えていて聞き逃したが、ヤギと崖崩れに因果関係があるという意味だったのかどうか…。
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▼国土地理院 「地理院地図」
33度8分9.36秒 139度40分36.81秒
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dendenmushi.gif関東地方(2016/04/15 訪問)

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