1359 中根ヶ崎=八丈町三根(東京都)八丈島を一周りする一周道路には釣り場案内の標識と地点標の標石があって助かる [岬めぐり]
このシリーズの最初の項でも使った、帰りの飛行機からの写真。八丈島空港を南西に向けて飛び立った飛行機(B737-800)が右旋回をして、ちょうど笠雲がかかったような八丈富士(西山)の上空を越えて行くときに見た、西山の北側海岸である。
赤崎から上側に続いて、オヨギドノ鼻、中根ヶ崎といった岬が写っていた。写真では、右の縦の海岸線のいちばん上の小さく丸く見えるのがオヨギドノ鼻で、そこからちょっと斜め左にごちゃごちゃとしているのが中根ヶ崎である。
赤崎の下側にもふたつの出っ張りが認められるが、これは無名の岬とオアサ根で、右の下付近は後で出てくるはずの大サリヶ鼻、イデサリヶ鼻。
この写真が、前項で述べた八丈島の海岸線の特色を、よく示している。
白い波が寄せる海岸線の内側に、縦の線が見えるが、これが都道215号線で、八丈一周道路と道路標識では呼んでいる。だいたい標高70メートルくらいのところ、東山の南では200メートルくらいの高いところをぐるりと回っている。岬へは下ってまた上ることになるワケがここにある。
中根ヶ崎への下りの道は、釣り場案内標識の“クニノミチ”というところから。その標識には、ほかにも“メカタ”(昔、NHK-FMでよく声を聞いていたメカタヨリコさん、思い出した)とか、“シャナ”という名も併記されている。海岸のこういうちょっとした出っ張りや岩磯などにも、それぞれ地元での呼び名が付けられているのも、考えてみればすごいことだ。観光地図にも“クニノミチ”の名はあるが、地理院地図にはそれはなく、代わりに「中根ヶ崎」と表記されている。
中根ヶ崎は三本の岩根が海に突き出たところで、左側の二本の岩根の間が、白い波が泡立つそこだけ海の色が鮮やかなブルーになった、丸いポットのようになっている。こんなところでは、サカナも釣れないだろうから、釣り場は別のとこなんだろう。
中根ヶ崎の西側に続く海岸には、高石浦という記名も地理院地図にはあるのだが、これはほかの地図では出てこない。高石浦のほかにも、この先西への海岸では、“コウラ”という岩島や“鮫切”というのもあるが、これらもほかの地図にはない。
“根”という名のついたところも多いが、これは岬リストからは省略と書いていたが、この鮫切などは、地形だけから見るとほとんど中根ヶ崎と似たような、岩場の小さな凹みを指しているようだ。
当岬めぐりでは、地理院地図に表記のある「岬・崎・鼻」を原則としているのだが、三宅島や八丈島の地図をみていると、“根”も岬の仲間に入れたくなってしまう。だが、それをやりだすと、ほかの地域との兼ね合いも出てきて、おいそれとはいかない。
地名表記は、こう見えてなかなか微妙である。
都道には地点標64がある。これと釣り場案内の標識のお陰で、中根ヶ崎も通り過ぎてしまうことなくちゃんと確認できた。
▼国土地理院 「地理院地図」
33度9分28.46秒 139度46分1.72秒
関東地方(2016/04/15 訪問)
タグ:東京都
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