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1340 根太鼻=高松市庵治町(香川県)備讃諸島に臨む岬から“純愛の聖地”を南へは石だらけの道 [岬めぐり]

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 備讃諸島の稲毛島の左右から、タンカーが二隻すれ違いながら通過するのを眺めながら、竹居から江の浜を西へ行く。
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 稲毛島と並んである兜島と鎧島は、言い伝えでは平家が西へ落ちのびようとするとき、兜を忘れていったから兜島、鎧を忘れていったから鎧島というのだが、いかにも真実っぽくない作り話ではある。
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 江の浜の西の端に、地図では御殿と表記のある出っ張りがある。その影に隠れるようにして小さな浜と人家のような建物があるが、それがどういうものだかはわからない。
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 根太鼻の地図上の表記はその西側にちょこんとある岩の出っ張りを指しているので、その部分は江の浜からは見えていないことになる。
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 江の浜から南へ峠を越えると庵治の町と漁港があるが、バスの終点はこの峠の上の温泉ホテルの下にある。そのホテルの石垣が大きくて、まるでお城のようだ。さすが、日本三大花崗岩の産地、石には不自由はしていない。
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 峠を庵治の町に下ると、北の根太鼻から南の船隠しまで、南北に長く庵治の港が伸びる。北側が漁港で、農協がある付近からは、まっすぐ西に屋島の北の端が突き出している。これが長崎ノ鼻。
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 農協の近くには、映画のロケ地がなんとかかんとかいう看板がある。長崎ノ鼻を見ながら帰りのバスを待っていると、リュックを背負った若者が下りのバスから降りてきて、紙片を手に運転手になにやら聞いているが、どうも日本語は片言だ。西洋人ではないので、台湾か韓国あたりからの旅行者(中国ではないと思う)らしいが、やりとりを見ていると、その向こうにある観光交流館のほうを指しているので、どうやらそこが目的で一人でわざわざここまでやってきたらしい。
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 二人が指さしていたそこは、“純愛の聖地庵治・観光交流館”というところである。
 そう、あれです。一時期流行った「セカチュー」ですよ。あれは、作者の故郷である愛媛県の宇和島をイメージして書かれていたはずだが、映画のロケの主だったところが庵治町で行なわれているのだ。
 それにしても、ご苦労さんというか熱心なファンはありがたいものだ。日本人のヨン様ファンが、冬ソナのロケ地を訪れていたようなものなのか。
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 純愛からはもうすでに遠く縁がなくなっている当方は、そこはパスしてバスに乗る。屋島を横に見ながら南へ下って行く。このとき、後方には根太鼻のある尾根がある。
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 この道も往復したので、上りと下りの写真が入り混じるが、庵治の南、これも平家伝説の船隠しから丸山峠の前後は、いたるところ石だらけである。石だらけだが、道はでこぼこではない。
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 この一帯が、庵治石の石材業者などが多く集まっているところである。東に五剣山があり、西に屋島との間に深く切れ込んだ港がいくつかあり、そのひとつ屋島側には石場と石場港がある。庵治町の南端にはストーンミュージアムという施設があり、そのすぐ南で牟礼町に入るとイサム・ノグチ庭園美術館もある。
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 現在も40社が採掘をしていて、年間産出量は約30万トンくらいのようだが、実は墓石、灯篭、彫刻材などの製品化される石は、その1%しかないのだという。そのほとんどは、せいぜい庭石、築石あるいは建築用土台石や埋め立てに使われる捨石などなのだ。それは、岩盤の亀裂が非常に多いため大きな石が採れにくいという事情もあるし、なかでも少ししか採れない良質な庵治石は貴重ということなのだろう。
 それでも、今なお650年の歴史を誇り、そのブランドの色あせることがないのは、比較的新しい花崗岩(中生代白亜紀=約8000万年前)なので、経年劣化の度合いが少なく、鉱物の結晶が緻密で強くて石の組織全体が締まっているため、細かい細工や彫刻に適し文字を彫っても見やすく見映えがよいという庵治石の特徴によるらしい。
 石英と長石に黒雲母が細かく入った庵治石は、見た目には白っぽいなかに黒い斑点が散らばる。でんでんむし的には、どちらかというと少しピンクがかった模様も荒目の花崗岩のほうが好きなんだけど…。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度23分48.80秒 134度7分12.85秒
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dendenmushi.gif四国地方(2015/11/03 訪問)

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タグ:香川県
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