1332 円山・虎ガ鼻=さぬき市津田町津田(香川県)コミュニティバスの利用はよくよく調べておかないとね [岬めぐり]

国道11号線で津田川を渡ってから、半島の東海岸を北へ進む道は狭く、すぐに上って40メートルくらいの高いところをコミュニティバス(ワゴン車)は走る。吉見、平畑、前坂、松尾といった集落を、尾根の凸凹にそってくねくねと曲がりながら過ぎる。
これも海岸線の走り方のひとつで、波打ち際を道路がなぞるように走る場合と大きくはふたつに分かれる。
道路工事の都合や集落の散らばり方にもよるのだろうが、常識的に考えれば海岸の低い波打ち際を走るほうが経済的ではある。だから、それが可能な場合には自然にそうなるのだろうが、海岸線からすぐ山が迫っていて平地がないとかいう場合は、無理に道をつけようとすれば、大幅に山を削り取るかトンネルを通すなど大工事が必要になる。それができない場合はこの道のように海から離れた上の方を通ることになる。
津田町津田というこの半島東側は、海岸から250メートルくらいまで急激に山が盛り上がっている。その山の上一帯が広くゴルフ場になっているが、そこへのアプローチは比較的低くなっている西側から一本だけある。

頭の上に広がるゴルフ場とはまったく無縁に、狭い海岸と比較的緩くなった斜面と谷間に散在する集落をつなぐ道の前方に丸い岬と島が見えてくる。
この丸いのは岬でも島でもなく、円山という名がついている。だが、地理院地図ではその表記が、岬表記と同じ斜体になっている。ということは、これも岬扱いにすべきなのだろうか、と思ったりしたのだが、山の記名表記も岬と同じく斜体表記なのだった。まあ、ここでは岬らしい山としておこう。島は鷹島。もうひとつ小さい島もあって、それには猿子島という名がついている。

振り返れば、鵜部の鼻と名古島、それに東かがわ市の丸亀島などがあり、さらに遠くは徳島県の牛ノ鼻や瀬方鼻も霞んであるはずである。
江坂、曽根、瀬の下と集落をつなぎ、猪塚に近づいたところで、虎ガ鼻は見えてくる。猪塚も緩い斜面にできた集落で、海岸から30メートルくらいの高さのところを通る道路の下にあり、その向こうに112メートルのピークがある虎ガ鼻がある。

その付け根にある萱落の集落から道路はまた一気に登り始め、鞍部を越えて西向きに山の中を進む。

虎ガ鼻の北西に位置する釜居谷から、北に伸びる崖の海岸は、半島の角のひとつの横っ腹で、この角の先端が馬ガ崎ということになるが、それはまだこの道路からは2キロ近くも北西に寄っているので、ここからは見えない。

だが、その崖の遠くに、かすかに島影があるのがわかる。
これは、小豆島の一部であろう。

この半島の付け根部分は、東が讃岐津田、西が志度になり、この間は直線で8.5キロもある。讃岐津田から虎ガ鼻までは北北東に5.3キロ、虎ガ鼻から馬ガ鼻までは北北西に2.5キロ。

トラとウマの間には、道路もなければ当然コミュニティバスも走っていない。平日のみで猪塚経由のこの路線(前項路線図では青い線で示されていた)は、津田小田線という。小田というのは、馬ガ崎の出っ張りを横切って西に出たところにある港の集落であるが、このバス(ワゴン車)は、小田の海岸までは行かず、その手前の大空口が終点である。
コミュニティバスはありがたいが、とにかく午前中の便でここまできて、午後の便を待って志度まで抜け出す。それがこの半島を回る唯一の方法なのである。
隣の東かがわ市にはそういうのはなく、ふたつのバス会社の通常のバスが住み分けて走っていたようだが、ここさぬき市の場合は、地域密着型バスシステムとして、市の都市計画課が全面的に管理運営する公共交通機関である。
同じコミュニティバスという名前でも、行政との関わり度合いなどその運営実態は実にさまざまで、こういう直営方式ではなく、委託方式のも多い。ダイヤも変則的で、曜日ごとに変わったりする。
最初にコミュニティバスに乗ったのは、いつどこでだったのだろう。それはさだかでないのだが、同じ四国の佐田岬へ行ったときには、よくわからんけど行けばなにかあるだろうと、地元のタクシー会社が運行する乗合タクシーというのがあるのにいいかげんな気持ちで乗って、あやうく置いてけぼりに合いそうになってヒヤッとしたこともあった。あのなが~い佐田岬で置いてけぼりになるとどういうことになると思う? それがトラウマになって、バス事情は可能な限りちゃんと調べることにしている。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度19分10.44秒 134度15分54.35秒 34度19分59.95秒 134度15分57.90秒




タグ:香川県
コメント 0