1322 松鼻・小泉崎=七尾市能登島野崎町・二穴町(石川県)漁港と集落がセットで点在する小口瀬戸の北岸 [岬めぐり]
能登島の東南端に位置する野崎町は、えの目と同じようにこの付近では比較的大きい漁港にくっついた町である。ここも漁港の北側一帯は広い埋立造成がなされているが、やはり周囲の岩礁地帯をつぶしてできたもののようにみえる。
その岩礁地帯で端っこだけがつぶし残されているようで、それが野崎町の北東に螺蠑(さざえ)島や松島、あるいは涼岩となって地図上にも示されている。その様子は、海岸道路を南に下る復路のバス車窓からもうかがえた。
しかし、ここでも港は道路から遠く、見ることができない。
野崎漁港の南海岸には、ぽこぽこと3つの小さな出っ張りがあり、その漁港寄りのひとつに松鼻の名がある。
松鼻と道路の間は630メートルくらい離れており、その間には低い丘が固まりとなって隔てている。ここでは海岸を通れないため、道路は内側の小さな流れに沿って開けた谷間を通っている。その谷間にも田んぼがくまなくあり、前に八ヶ崎のところで書いていた“漏斗状の升のようなものを載せた軽トラ”が、往路のバスが走っているとき、その前をあぜ道に入って行った。
谷間の道からはまったく海が見えないので、松鼻も結局は見えないのだ。
それもさびしいので、ここでは野崎町の西隣り、日出ヶ島町付近を北へ向かう途中の往路の車窓からの風景を見ておこう。
バスの進行方向、左手の遠くに見える出っ張りは、松鼻そのものではなく、その手前の出っ張りなのである。
そして、海は小口瀬戸。この瀬戸は、七尾南湾が富山湾につながる湾口である。松鼻と向かい合うのは、七尾市鵜浦町の観音崎(「324 観音崎=七尾市鵜浦町(石川県)こうして寝そべって空をみるのは何十年ぶりか小口瀬戸」の項参照)。その距離は1.6キロ。
野崎町から西へは、日出ヶ島町、二穴町と続くが、どちらも海辺の小さな集落で、島の南東部の海岸の一帯では、野崎がその地域の中心になっている。(平成27年11月30日 現在)
行政区 世帯 男 女 計
能登島野崎町 119 187 188 375
能登島日出ケ島町 12 13 12 25
能登島二穴町 25 33 49 82
野崎地域 計 156 233 249 482
そして、二穴町には小泉崎がある。復路の日出ヶ島町の漁港付近からの車窓では、きれいな青い島が青い海に浮かんでいる。その先端には、円筒型の灯台が立っている。
海の奥が七尾南湾の最奥部で、七尾市の市街地。
左端の陸地は、観音崎を頂点とする半島の西海岸。
あれれ! 小泉崎の所在も地理院地図では“日出ヶ島町”となっている。これでは、こと住所表示に関する限り、国土地理院はまったく信用ならんことになってしまう。とすると、これまで岬の所在をこれで記録してきたのだが、違うものがほかにもかなり多くある!ということか! これは、由々しき一大事ではないか。
二穴町の港と集落は、小泉崎のすぐ西にあり、集落は西の免屋入江と区切る出っ張りの東横にこじんまりと固まっている。
免屋入江からはまた向田町に戻るが、前にも書いたように、この入江の周辺には道がない。能登島の東海岸を走る県道257号線も、二穴で終わる。
したがって、復路の祖母ヶ浦線のバス路線も、二穴町からは大きく進路を北向きに変えて山の中に入って行く。そして、城ヶ鼻が見えるところまで大迂回して、また曲線と同じルートを通って終点のマリンパークまで走っている。
▼国土地理院 「地理院地図」
37度7分17.67秒 137度2分53.83秒 37度6分42.06秒 137度1分20.82秒
北越地方(2015/09/15 訪問)
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