1317 マン崎＝七尾市能登島曲町（石川県）のとじま水族館のある岬は七尾北湾の大口瀬戸に向かっていて

　北西に向いている牧鼻とは相性が悪いとでもいうように、反対の北東側を向いて丸く飛び出ているのが、マン崎である。ここは岬というよりも、今ではのとじま水族館の敷地の隣の出っ張りに過ぎない。

　水族館に隣接する施設のひとつ海づりセンターの四角いデッキが、沖合の黒島に向かって延びている隣は、なにやら建物なども建っているようで、青く描かれた池のようなものも地図にはあるので、ひょっとしたら水族館の付属あるいは関連の施設があるのかも知れない。四角い釣デッキは、他のWeb地図には描かれているが地理院地図ではこれが表示されていない。やはり地理院の電子Webはデータが古い。

　そういったものができる前には、確かにこのマン崎も青々とした木々に覆われた丸い岬であったのだろう。護岸と埋立てで広がったような海岸の先端内側には、丸くなった崖があるので、おそらくはこの一帯が開発される前のマン崎が、その崖であった可能性も高いように思える。

　乗ってきたバスが折り返す便でまた戻らなければならないので、下まで降りていく時間はない。岬の上のほうから、こんもりと樹木もあるマン崎の上を見ると、沖合にはいくつかの島影が浮かんでいる。

　水越島や重蛇島などが重なる海は、七尾北湾の東の湾口である大口瀬戸につながっている。そして、その島々の向うに見えるのは鳳珠郡穴水町字曽良付近であろう。

　そこで大口瀬戸に向かって張り出していたのは、「1295 袖崎・カガタ鼻」の項で書いた付近である。マン崎からそこまでは、およそ４キロちょっとくらいの距離になる。その右寄りを拡大してみると火打崎があり、その奥にぽこんと飛び出た山が円山・沖波山あたりになろう。

　マン崎の西一帯は、広く“のとじま臨海公園”になっており、正式には“のとしま臨海公園水族館”というこの施設ができたのは、1982（昭和57）年のことである。なんでも石川県ではここが唯一の水族館だそうで、ここのスターはジンベイザメであるらしく、建物の壁面にも大きくその姿がデザインされている。

　海の生き物とのさまざまなふれあいができる参加型の水族館を目指しているらしいが、とにかく能登島では本土からの観光客を呼び寄せる目玉のようだ。和倉温泉の客もここまではくるのだろう。

　曲町の集落の中心地は、公園からは1キロほど南南東にくだった海岸線のちいさな漁港の凹みのある付近に固まっている。水族館と曲集落の間には、80メートルくらいの長細い小山があって、その間をぬって道路が北の海岸までつながっている。

　曲線のバスの終点は水族館であるが、その付近には民家はみられないから、この曲線というバス路線自体が、能登島観光の目玉をつなぐ幹線にもなっているわけだが、七尾市役所の支所や市民センターな、中学校や図書館などといった施設が集る島の中央をも通るので、曲や向田、その南にある佐波などの地域住民の唯一の足にもなっている。

　別に水族館に行きたくないとか嫌いというわけではないのだが、このときもまだ開館前で中に入ることはできなかった。まー、いいや。

　前項で、牧鼻の所在地は向田が曲を飛び越えた飛地になっている、と書いていた。それは国土地理院の地理院地図（電子国土Web）がカーソル移動によって刻々と示す表示に寄っていた。実は、そのことについては「1314 行者鼻・釜鼻・立ヶ鼻」の項でも、鴫島入江を挟んで対岸の西側まで閨町になっていたと書いていたのだが、不思議なことにそれと同じことが今度は箱名入江でも起こっていた。

　曲町の領域は、牧鼻の付け根で向田町を分断するだけでなく、箱名入江の西側山の上まで及んでいると、それは示しているのだ。Mapionなどでは、明確にそれぞれ入江の最奥部で境界を示し色分けしているのも同じで、ここ箱名入江の東側は向田町がつながっていて、飛地にはなっていない。

　二度も続けてあると、あるいは地理院のカーソル位置の判定に誤差があるのではないかとも疑ってみる必要がある。そう思って、縮尺を拡大したり縮小したりしてみたが、やはり同様である。

　ふと、その示された住所のところを見ると、なんとその後に以下のようなかっこ書きがついていた。

　（付近の住所。正確な所属を示すとは限らない。）

　う〜む！　これはそういう意味だったのかぁ！？。いや、そう書いてあるのは読んでましたよ。「まあカーソル位置の判定にも多少の誤差は当然あるだろうね」とは思っていましたが、まさかそういう大きな違いまであるとは…。

　なんかくだらないことをいろいろ書いてしまったような…。おそまつなことで相済まぬ。

▼国土地理院　「地理院地図」
37度9分16.52秒 136度58分4.46秒

北越地方（2015/09/15　訪問）

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