1306 小谷鼻・銭鼻=七尾市中島町瀬嵐(石川県)能登のかき養殖発祥の地七尾西湾の真ん中にある岬 [岬めぐり]
小谷鼻と銭鼻は狭い水道を隔てて向かいあっている。小谷鼻のほうは、中島町の出っ張った半島の南端で、銭鼻はその南にある種ヶ島の北端である。
小谷鼻の出っ張りの幅と種ヶ島の幅が、ほぼ等しいので、ここは細長く南北に延びていた岬が、途中で陥没かなにかで切れてしまった…一見そう思わせるような地形になっている。
種ヶ島は南の端につながってぶら下がっている机島という小島をあわせて、840メートルの長さになる。
穴水の岬めぐりを終えたその足で乗った七尾行きの電車を、能登中島駅で降りた。そこは西岸駅から一駅南に下った駅で、南東へ2キロ近く歩く。往復4キロ歩かないと、小谷鼻や銭鼻が見えるところまで行って帰れない。駅から南、日用川の河口付近は開けた水田地帯が広く展開していて、そこを大きく迂回するようにしながら、のと鉄道の線路は走っているからだ。
上りホームの下が運動公園のようになっているが、垣根も何もないので、そのままホームから降りて公園を抜け、田園の中の真っすぐな道を南東に向かって荷物を背負ったままひたすら歩く。のと鉄道の途中駅では、コインロッカーもないのだ。
海岸に出たところに広がるのは、七尾西湾である。この湾は、西がのと鉄道都国道が走る七尾市中島町や田鶴浜町そして和倉町などの陸地で、東が能登島の西海岸に囲まれた湾である。
西湾は北は三ヶ口瀬戸で北湾とつながり、東は屏風瀬戸で南湾とつながっている。三ヶ口瀬戸には中能登農道橋が架かり、屏風瀬戸には能登島大橋が架かっている。
小谷鼻の出っ張りと銭鼻のある種ヶ島は、この七尾西湾のほぼ中央付近に飛び出している。緑に覆われていて、このあたりには道もなければ人家もない。
ほぼ周囲ぐるりを全部囲まれていて、ほとんど波も立たない湾内の水面はおだやかに秋の陽に輝いている。
中島町瀬嵐の集落は、小谷鼻と並んで飛び出ている、藤吉鼻の北奥に隠れている。
立っている中島町筆染の海岸から、銭鼻までも2.2キロ。種ヶ島から東南東5キロのところには屏風瀬戸の能登島大橋が見え、同じく種ヶ島からは南東2.5キロには和倉温泉街の建物が固まって見える、という位置関係になる。
能登島に渡って、その西海岸を北上するときに、半浦付近からバスのドア窓の間に、小谷鼻と銭鼻がすっぽりと収まっていた。この間が、4.5キロである。
小谷鼻と銭鼻に関しても、まったくこれといって書くネタがない岬なので、もっぱら距離を測ってお茶をにごしているが…。
この岬の手前にも、かき養殖のブイがたくさん並んでいる。実は、七尾西湾は“能登半島のかき養殖発祥の地”なのだそうである。
▼国土地理院 「地理院地図」
37度6分39.29秒 136度53分32.70秒 37度6分30.54秒 136度53分23.74秒
北越地方(2015/09/14 訪問)
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