番外:白米の千枚田=輪島市白米町(石川県)年会費20,000円で棚田のオーナーになれるそうですよ [番外]
“千枚田”というのも、最近では全国あちこちで名乗りをあげているようだが、それらのなかでも有名なのがここであろう。
駅はとうにないのに“輪島駅前”を名乗っているバスターミナルから、今度は町野線という路線バスに乗る。町野というのは能登半島の中央、曽々木の海岸から山の中にまで広がる集落で、バスは国道249号線を曽々木口に向かい、そこから町野川に沿ってそこを経由して横断し、内浦の宇出津(うしつ)へ出る。運転席の横にスコップが常備されているのは、能登半島横断路線の冬に備えてのことであろうか。
大きな地図で見ると、ほとんど直線のような能登半島北側の海岸線も、山がぽこぽこと細かく出入りを繰り返し、国道もそれに沿って何度もカーブを描きながら東北東に進んでいく。この線の輪島駅前から曽々木口のほぼ中間にあるのが、輪島市白米(しろよね)町である。
海岸線はわずか1キロにも満たないくらいの小さな町の名は、今では世界的にも知られているくらいだが、それもこれも千枚田のおかげである。
深見町の集落を過ぎ、またぽっこりとカーブが膨らむところが道の駅になっていて駐車場があり、そのすぐ下の斜面に段々畑ではない段々田んぼ“棚田”がきめ細かく模様を刻んでいる。
白米町の集落は、この棚田からさらに山のほうに入った緩斜面に散らばっていて、田もまだ上のほうに続いているらしい。川もなく、棚田はかなりの急傾斜で海に落ちていくが、必要な水がちゃんと確保できるという地理的な条件に恵まれたのだろう。
高さは200メートルくらいしかない南北にある山が、開けた明るい谷間をつくりそこに水を溜めつつ、徐々に海岸の棚田まで潤しながら届くような仕掛けになっているようだ。そんなふうに、地図からは読める。
ここの棚田は、それぞれ個人などがオーナーになるような制度もあるようで、それでいろいろなメディアにも取りあげられることも多く、全国的に有名な棚田になっているのだろう。
道の駅のあるところで、60メートルくらいの高さがあるが、そこから道(国道249号線)は下り坂になり、千枚田を過ぎるあたりは30メートル、その先で白米町が終わって野田町になるあたりからは、海岸波打ち際まで降りて名舟海岸へといながっていく。
その下っていく道路の下には、小さい“小泉純一郎さんの田んぼ”があり、そのすぐ下はもっと大きく“小泉進次郎さんの田んぼ”がある、と案内のパネルには表示してある。
そのまた下の細長いのは“安倍昭恵さんの田んぼ”となっていた。
そのほか、永井豪さんや、さいとう・たかをさん、ちばてつやさんなどの漫画家たちの名も並んでいた。永井豪は輪島市の生まれで、朝市通りには記念館もあるようだし、のと鉄道の車両にはキャラクターが描かれたラッピング車両が走っている。
こどもの頃に手塚治虫の「ロストワールド」に出会って、以来漫画家になることを目指したというが、石森章太郎のアシスタントを経て、デビュー翌年の「ハレンチ学園」が大ヒットしたことは知っている。
さいとう、ちば両氏は記念館の行事にも駆けつけるゴルフ仲間であるらしいので、その縁でここにも「ゴルゴ13」も「あしたのジョー」も名を連ねることになったものだろう。
棚田のオーナー会員の年会費は20,000円で、マイ田んぼ1枚にオーナー名の表柱建立。オーナーの特典としては、収穫した米10キロに+地元山菜がもらえるという。
ここは前に来たときも通過していたので、今回は西保線のバスが出るまでの間を利用して、輪島から往復してきた。バスも通るが車窓からではこういう景色は見られない。
37度25分31.52秒 136度59分58.32秒
北越地方(2015/09/12 訪問)
タグ:石川県
2015-10-21 00:00
きた!みた!印(40)
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