1262 小崎=輪島市門前町五十洲(石川県)猿山岬に続く次の岬は皆月線のバス終点の先にある風の岬で… [岬めぐり]
「五十洲」と書いて「いぎす」と読ませるのもなかなかだが、門前町五十洲は小崎の岬の付け根にある集落で、北の皆月と繋がっている。なんにもない静かなところなので、バスは折り返してすぐに門前に引き返していく。
その折り返しのわずかな時間では、この周辺の岬をクリアできないので、どうしても次の便を待たなければならないことになるのだが、何しろ本数が少ないのでこれも思うようにはならない。五十洲か皆月に泊まることも考えたが、どうやらまともに営業しているような民宿もなさそうだったし、YHもあるのはネット情報だけで、現実にはほとんど機能していないようだ。
猿山岬を見るために坂道を登って行ったところが、実はこの小崎という岬だった。
「小崎」も「こさき」か「おざき」か「こざき」か迷うが、どうやら「おざき」読むらしい。確かに小さいといえば小さい岬で、道路がぐるりと反対に向きを変えるような道路が巻いていて、なにやら石碑がひとつと、漁協の看板が立っているだけである。まるで、強い風によって、ほかの余計なものはすべて吹き飛ばされてしまったかのようだ。
終始西風に吹きまくられている岬の下は、岩礁が取り巻いているので、こういう場所には、全国どこに行っても、必ず漁協などの「密漁禁止」の看板が、もれなくくまなく立っている。それが普通になっているのは、それだけ遊漁者が多いということなのか。
看板の向こうに見えるのは、皆月湾の北側に位置する通ヶ鼻である。湾を挟んで向き合うふたつの岬の間は、1.5キロほど。
小崎の道は、崖を切り開いて取り付けたような道なので、とくに西側は茶色い地肌をむき出しにした崖が切り立っている。小崎の先端を折り曲がる道も30〜40メートルの高さはある。
その崖の上は、西出山という107.7メートルの尾根が張り出して、岬を形成している。この岬は北西方向に向いて突き出していて、皆月湾を抱え込んでいる。湾岸の南部が五十洲で、この付近では海岸に面した側を竹垣でしっかり囲っている家が目立つ。主に冬季の日本海を渡ってくる北西からの強風に備えるものであろう。
その風を利用しない手はないと、集落背後の山には風車が数基建っている。風車の左手には、100メートルくらいの山の緩斜面にお寺の記号がついた集落が地図には記載されている。そこは、輪島市門前町百成大角間というところで、これもルビなしには読めないが「百成」は「どうめき」と読む。
めざとい人は、前々項の能登空港の写真にNHKの朝ドラ「まれ」の巨大な掲示があったのをチェックしたことと思うが、能登はその舞台なのだという。
朝ドラなどをさっぱり見ないでんでんむしは、今度はパテシエの話だってくらいしか知らなくて、能登と結びついていたとはここへやってくるまで(それも2日目まで)まったく想像もしてなかった。
なるほど、能登半島のどこへ行っても、「まれ」のポスターを見ないところはマレなくらい、盛り上がっているようだ。また、熱心なファンもいて、能登のロケ地などを紹介したりするサイトもたくさんできているようだ。
そんな情報によると、この百成大角間にある皆月湾を見はるかす畑の風景が、「まれ」のオープニングの終わり頃に出てくるのだそうだ。
五十洲、そして皆月の海岸から見る小崎は、見る場所、波の立ち方などにもよって、表情を変える。
▼国土地理院 「地理院地図」
37度20分50.90秒 136度44分16.21秒
北越地方(2015/09/11 訪問)
タグ:石川県
コメント 0