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番外:特急「いなほ」=羽越本線(新潟県・山形県・秋田県)見とれてそれと知らぬ間に早くも過ぎる幾十里… [番外]

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 岩船港に着くと、タクシーが待っていて、運転手さんが名前を聞いてきた。帰りの乗合も予約はまた一人だったので、普通のタクシーの横っ腹にペタンと乗合タクシーのステッカーを貼り付けて走り出すと、再び「汽車」の歌碑が立つ村上駅まで戻ってきた。
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 この唱歌の作曲者は村上市出身の人だが、作詞者が不詳としてあって、特定されていない。唱歌にはよくあることだが、当然、それはかの人の作品だという諸説・異説もでてくる余地を残す。
 でんでんむしもこどもの頃、よく歌ってハーモニカで演奏したりしていたこの歌は、改めてよく読むとなかなか歌詞もすばらしい。汽車に乗って走る情景を、みごとに写し取っている。
 
 文部省唱歌「汽車」
    作詞:不詳 作曲:大和田愛羅 1912(明治45)年
 
  今は山中今は浜
  今は鉄橋渡るぞと
  思う間も無くトンネルの
  闇を通って広野原

  遠くに見える村の屋根
  近くに見える町の軒
  森や林や田や畠
  後へ後へと飛んで行く

  回り燈篭の絵のように
  変わる景色のおもしろさ
  見とれてそれと知らぬ間に
  早くも過ぎる幾十里


 この歌詞には、モデル探しも、実際にどこかの鉄道路線に当てはめることなども、まったく無意味なほど普遍的で、汽車で走る景色の楽しさにあふれている。
 羽越本線の沿線の風景もまた、この歌詞のとおりだ。 
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 新潟から村上までくるときも、乗ったのは白新線と羽越本線を走る特急「いなほ1号」だったが、今度は「いなほ9号」で酒田まで行く。9号は酒田止まりだが、この特急は秋田まで行く羽越本線の幹線列車である。というか、この線ではほかには休日運行の観光列車「きらきらうえつ」があるだけで、とにかく少し遠くへ少しでも早く行くとなると、この特急「いなほ」しか実質的に使える列車はないのだ。
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 しかし、この線を走る特急列車に、「いなほ」という名前は実にぴったりである。なにしろ、越後平野・庄内平野・秋田平野と、三大米どころをつないで走っているのだから…。稲穂が稔る前の、緑のじゅうたんもまたよい。
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 羽越本線では、最上川を越えた酒田までが約半分強ある。この酒田=新潟間は、何度か通ったことがある。が、今回の粟島・飛島の岬めぐりが終わると、もうおそらく二度と通ることはないのかも知れない。
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 この南半分強に当たる区間では、なんといっても村上の先から鶴岡の手前まで続く、日本海沿岸が特徴的である。山がせって海に落ち、その間に平地はほとんどなく、海岸線には笹川流れといわれる岩のつくりだす海岸風景が展開する。
sasagawa-1.jpg 秋田から酒田までは、2007年秋の岬めぐりで、やはり「いなほ」の上りに乗っているが、この区間もこの一度だけ。男鹿半島からの帰りに通ったこのときの記録は、「173 芹田岬=にかほ(秋田県)いつの日にか歸らん」や、番外:象潟・酒田(秋田県・山形県)へそ曲がり鳥海山の裾野を行くなどにある。
 佐渡も終わったので、今回は残る日本海の離島の岬めぐりを企画したわけだが、新潟県の粟島は終了。次は、山形県の飛島である。

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▼国土地理院 「地理院地図」
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dendenmushi.gif北越地方(2015/06/29〜30 訪問)

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