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1230 粟島の岬=岩船郡粟島浦村(新潟県)岩船港からフェリーで1時間半のところにある日本海に浮かぶ緑の島の岬へ [岬めぐり]

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 「粟島(あわしま)」という島がどこにあるのか、地元民以外ではっきり認識している人は少ない。島ひとつでひとつの村をなし、その名は粟島浦村という。日本海に浮かぶ新潟県の島である。同じ名前の島は、瀬戸内海にもひとつある。
 だいたいの位置関係でいうと、信濃川河口の新潟港と、佐渡島の北端である弾崎と、粟島の三点を結べば、一辺が60〜65キロの三角形が描ける。能登半島南の小松基地から飛び立ったスクランブル機?の飛行機雲が一直線に島の上を飛んで行く。
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 粟島へ行くには、新潟県村上市の岩船港から、粟島汽船の連絡船に乗らなければならない。高速船だと55分、フェリーで1時間半、直線距離では岩船港から北北西に進路をとって34キロほどのところにある。
 この島の岬をめぐるために、天気予報とにらめっこし、電車やバスそれに火に寄って異なる連絡船の運航表を組み合わせながらいくつもの選択肢をつけた計画を立てていたが、エイヤッと飛び出してきた。
 粟島には、国土地理院の地図で表記があるの▲が10あり、そのほかに地元のマップなどで表記されているもの△5つあるので、以下のように計15もの岬があるのだ。
 △瀬ノ鼻 △上モザキ鼻 ▲矢ヶ鼻 ▲八幡鼻 △大潤鼻 ▲山崎 ▲長手鼻 ▲立島 ▲切石ヶ鼻 △エビスヶ鼻 ▲仏崎 ▲八ッ鉢鼻 △渡鼻 船隠し ▲鳥崎 ▲旗崎
 だが、いきなり島の個々の岬に飛び込んでみても、なかなかぴんとこないので、まずは遠回しに粟島全体の俯瞰から始めようとしている。
 東京から上越新幹線で新潟まで行き、そこから白新線・羽越本線の特急「いなほ」で村上までやってきた。そこであらかじめ予約しておいた乗合タクシーで岩船港まで。この乗合タクシーは粟島浦村がやっていて、片道700円で連絡船の乗り場岩船港まで連れて行ってくれる。
 人口344人(平成24)の村民のために、連絡船と連動して、村上市の病院やスーパーなどを結んでいる。でんでんむしが往復したこの日は、行きも帰りもフェリー「あわしま」で、乗合タクシーの他の乗客はいなかった。サイトでは乗り合いタクシーとしてバンの写真があるが、予約乗客が少ないときには通常のタクシーが回される。
 JR羽越本線には、村上の南に岩船という駅もあるが、こちらは連絡交通の手段がないので、村上駅が粟島への連絡口となるのだ。
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 村上駅の駅前に降りると、古風な旧字体の駅名看板と、黒い古民家風の観光案内所などがあり、これまた旧字の大きな歌碑が立っていた。汽車の歌にもいくつかあるが、これは「今は山中 今は濱 今は鐵橋 渡るぞと…」というあれだ。
 なつかしい小学唱歌である。昔は誰でもこの歌を歌い、滅多に乗ることもない汽車の旅を想像してあこがれていたのだ。こういうのは、曲や詩の作家がゆかりの町に立てられることが多く、この場合は、作曲家が村上市の出身ということらしい。
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 ひとりだけの乗合タクシーは、日本海に面した瀬波温泉を横目に見ながら南西に向かい、瀬波温泉と港の間に伸びる丘を過ぎて、フェリーが横付けして待つ岩船港に着いた。
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 こういう連絡船の場合、乗船券購入と同時に乗船名簿という紙片も窓口に提出しなければならない。船の料金は、高速船以外は等級があって、だいたいは一等のほうが上にあって展望もよいはずである。そういう思いがあって、一等の乗船券を購入する。
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 ところが、粟島汽船株式会社の1992(平成4)年に就航した626トンのフェリー「あわしま」は、一等と二等は同じフロアにあって差別化がほとんどなく、わざわざ高い一等を買わなくても二等で充分なのである。一等を買うのはでんでんむしのような実情を知らない初めての客しかいない。したがって、強いていえばほかに客がないので個室になる可能性が高いということくらいだ。
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 一等も二等も椅子席ではなく、雑魚寝タイプで、窓は高く、一等だからといってなにもいいところがない。帰りは当然二等にした。左右の一等船室の間にあるソファか、デッキに上がっていればいいのだ。awasimahe!go-5.jpg
 岩船港を出た船は、北北西に進路を取り、まっすぐに粟島をめざして行く。
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 この間、新潟県の北部日本海沿岸に沿って進むので、進行方向の右手には、常に越後の山々が見えている。
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 やがて、左側一等船室の窓にも、粟島の南側の一部が姿を現すようになる。だんだん近寄ってみると、この島の第一印象は「緑の島」という感じである。
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 たいていの離島では、海岸が荒い分だけ崖崩れなどで茶色い岩や崖が目立つものだが、粟島はそれがほとんど目には入らず、全島緑の島である。もっとも、それはこちら側が本土側に面した東側だからかも知れない。
 粟島は、JR羽越本線の車窓からも、ずっと見えている。佐渡島が見えないときでも、粟島は見えることが多い。
 村上に戻って、下りの「いなほ9号」で酒田に向かうときに、笹川流れと呼ばれる長い海岸線が続く間中、夕陽にシルエットになる粟島が浮かぶ。
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 この海岸線にある岬は、狐崎くらいだが、そこから粟島までは、西へ20キロの位置になる。

▼国土地理院 「地理院地図」
38度27分39.90秒 139度14分35.41秒
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dendenmushi.gif北越地方(2015/06/29 訪問)

粟島岬リンク 既掲載分

 番外:弁天岩=岩船郡粟島浦村(新潟県)「そそど、んごんご」1メートルも島全体が隆起したあわしまへ!
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 1231 瀬ノ鼻=岩船郡粟島浦村(新潟県)内浦の港に着いた「あわしま」から「シーバード」に乗り換えて…


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タグ:新潟県
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