1223 世皮崎=国頭郡国頭村字奥(沖縄県)鹿児島から続いてきた国道58号線はここアマリリスの道から那覇の旭橋へ [岬めぐり]
奥の集落があるところは、国頭村の奥の方ではあるが北端の集落というわけではない。奥の集落から北西に3.5キロほどのところに、辺戸(へど)の集落がある。その中間に飛び出た岬が世皮(ゆひ)崎である。
夫婦岩もある奥港からは砂浜を挟んで隣りに当たる岬だが、それは奥港からは港西の張り出しの陰になるので見えない。
世皮崎の姿は、村営バスが長瀬崎の上を通るときに、港越しに見える。いちばん遠くの岬は、世皮崎の次の岬になる辺戸岬であるが、その姿はこのお天気ではほとんど見えない。
世皮崎付近は集落とも途絶しているようで、地理院地図を見ても道らしい道も通っていないようだ。
奥の集落でも、見たこともないような花が、道端に家々の囲いの植え込みにいろいろ咲き乱れていた。
おや、これはアマリリスではないか。最近はどこへ行っても洋花ばかりが目立っているが、これも輸入種としてはずいぶん昔からあるような気がする。自分でも一度くらいは栽培したことがある程度でも、なんとなく馴染みがあるのは、ヒガンバナ科だからというよりも、あの歌のせいかもしれないね。
あ、またアマリリスだ。道路わきのリュウキュウコクタンの並木の植栽の根方にも植えてあって、あちこちで花が咲いている。奥はアマリリスの集落なのか。
奥港に流れ込む、奥川の河口付近に、奥橋が架かっている。その奥橋のところになにやら大きな自然石の石碑がある。なんだろう?
石碑の表面には、地図が彫られていて、それが鹿児島から那覇までで、どうやら国道58号線の記念碑のようだ。
国道が海を渡って続いているという例は、実は日本中にはたくさんある、と言っていいだろう。たとえば、首都圏では国道16号線が久里浜=金谷間では東京湾横断フェリーで続いている。また“行くな”というのに国道197号線は豊後水道を渡って愛媛県と大分県を結んでいる。
この国道58号線もそのひとつで、鹿児島市から那覇の旭橋まで実に全長255.5キロは最長であろう。しかも、途中では種子島、奄美大島で陸上に道路をつなぎ、沖縄本島ではまずここ奥につながって、ここから那覇まで西海岸をつないでいるのだ。
けれども、奥港とどこか奄美の島を結ぶフェリー航路があるわけではない。
おもしろいねぇ。ここが国道58号線の沖縄本島での、起点であり終点なわけだ。この碑がある奥橋からは、東へは県道70号線になる。(下の地図で黄色い線が県道70号線、赤いのが国道58号線)
この国道は、奥を出るとちょうど世皮崎を大きく迂回して辺戸の集落を抜けると、本島最北端の辺戸岬の手前で山を回ってUターンして、南へ向かう。
この線を、もう一本の国頭村村営バスの路線が走っている。
しかし、でんでんむしの行程では、那覇空港に着いた最初の日に、辺土名から村営バスで辺戸岬へ行き、そこからまた引き返しているので、奥=辺戸岬の間はバスで通っていないのだ。
奥集落の人口は、現在では200人にも満たない。ところが、戦後の1950年の奥には1,296人もの住民が住んでいたというのだ。現状を思うと信じられないような賑やかさだったろう。
奥港からは与論島が見えるはずだったが、このお天気ではだめなので…。
▼国土地理院 「地理院地図」
26度51分20.80秒 128度16分47.36秒
沖縄地方(2015/04/07 訪問)
タグ:沖縄県
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