1220 イシキナ崎=国頭郡国頭村字安田(沖縄県)村営バスは往復約90キロ3時間近く乗っても運賃はタダ! [岬めぐり]
安波(あは)を後にした国頭村村営バスは、石碑のあるところから北へ山に入っていくと、次の谷に降りて東に向かう。ここも海岸に河口が開ける南北を山に囲まれた谷間である。
安田(あだ)の集落は、河口の左岸に固まっていて、そこは海岸には近いものの漁港の南に張り出しているはずのイシキナ崎は山の陰になっていて見ることができない。
安田と安田の集落は、4.5キロと離れていない。名前も何となく似ているが、どちらも谷間の海岸近く、河口の堆積地にできた集落という点では同じだ。人口も200人程度で、小学校の児童数も10人を切るのも同じ。
大きく違うのは、安波にはない漁港(河口で代用しているのかもしれない)が安田にはあること、集落が海岸に近い安田に対して、安田は多少川を遡ったところに集落があることか。これは通りすがりのざっと見の印象に過ぎない。
それにもうひとつ、安波にはなくて安田にあるものが、灯台と島…。これも地図で見た限りでは…だが。
安田ヶ島という横長の無人島があって、その周囲に広く珊瑚礁が伸びているようだ。このため、安田の漁港に入る船は、多少南に回り込むようにして出入りしなければならないだろう。
そのときに、漁港の目印になってきたのが、北側の灯台と港の南にあるイシキナ崎ではなかったか。そんな想像もできるのだが、イシキナ崎が見えないんじゃ、話にならんか…。
安田からさらに北へ、50メートルくらいの高さにある道を走るところで、後ろのほうに安田ヶ島と岬もかろうじて見える。だがこれは、イシキナ崎とは反対の北に飛び出た、無名の岩峰なのだ。
バスがしばらく海岸から遠く高いところを走って北へ行くと、伊部(いぶ)、我地(がじ)、楚洲(そす)、伊江(いえ)、といった小さな集落をつづりながら走っているが、むろん途中で乗り降りする人はいない。
乗客は終始でんでんむしひとりだけであったが、こういうのもなんとなく居心地がよくない。また、ほかに乗客があったほうが、運転手さんも張り合いがあろうに…。帰りには途中で乗る人もひとりいて、ちょっとホッとする。
そうそう、そういえばこの村営バス、とってもえらいんです。未就学のこどもと高齢者は運賃無料なんです。でんでんむしのようなよそ者でも、じいさんだから無料。
厳密にいうと、「小学生未満および満65歳以上は、無賃とする。」と料金表に書いてある。
この便が辺土名を出たのは12:30で、安田が13:23。ここまででおよそ1時間近くかかっている。さらにこの先、楚洲から終点の奥まで行くと到着予定時刻は13:56だから、およそ1時間半近くもバスに乗って行くことになる。
通常運賃は、料金表によると終点の奥までは750円である。それがタダ! 帰ってこなきゃならんから、往復では3時間近く乗って1500円がタダ!
距離で言うと、これもざっと目の子算で片道45キロ以上はありそうだ。
我地の付近には、二基の風車があった。そこを過ぎると楚洲で、この辺りからは県道79号線は海岸に近いところを走るようになる。
無料の長距離ドライブを楽しんでいるうちに、だんだんと空模様が怪しくなってきて雨粒がマイクロバスの窓をたたき始めた。
▼国土地理院 「地理院地図」
26度44分6.25秒 128度19分5.40秒
沖縄地方(2015/04/07 訪問)
タグ:沖縄県
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