なんとかかんとか復活しつつあるのかデイゴも咲くうりずんの頃(55) [石垣島だより]
THE BOOMの「島唄」の歌詞で、初めて知ったという人も多いのだろう。デイゴは、沖縄県の県の花になっている。本土のサクラと対称されることも多いが、当然ながらまったく違う。
このデイゴの花が、近年非常に花付きが悪くなっていた。害虫のせいである。その害虫は、台湾などから飛んで来て住み着いてしまったデイゴヒメコバチで、その被害は拡大する一方であった。この虫がつくと、デイゴの葉や幹に産卵するので、虫こぶをつくったり花がつかなくなる。最悪の場合は木を弱らせて枯らすこともあるという。
とくに台湾に近い石垣島では深刻な事態になっていて、薬を打ったり散布したり捕獲かごをつけたり、さまざまな対策がとられてきた。
何年かそういう努力を続けてきた効果が、やっと出始めた…ということなのだろうか。
今年は、あちこちで花が咲いているのを見かけた。
真栄里のゴルフコースにも、何本ものデイゴがある。そのうち数本にはまだ弱々しいながら、一生懸命花を咲かせている。
なかなか派手な花だが、花びらは半月形二つ折りが房状に集まっている。マメ科の植物だと聞けば、なにか花もマメの花に似ているような…。色も深紅なので、これが木いっぱいに咲くと、それはそれは見事なものである。
いつだったか、それこそ那覇のハーバービューに泊まって首里城に行ったときに、城壁の下で満開のデイゴの大木を見て感激した。
だが、デイゴはサクラと違って、ずいぶん神経質そうなのだ。
サクラはどこでもどの木でも、咲く時期になるとまず必ず咲いてくれるが、デイゴはそうはいかない。
木によって、咲いたり咲かなかったりする。年によって咲いたり咲かなかったりする。
そういえば、同じ時期でも木によって、葉っぱが多いのやら少ないのやら、まるでないのやら、まったく同じ種類の木とも思えないくらいまちまちなのだ。
これだと、いたるところ群れになってデイゴの満開などという風景は、あまり期待できないことになる。
沖縄では、立春から梅雨入りまでの間を「うりずん」という。“潤い始める”という意味らしい。おなじみのハイビスカスやブーゲンビリアなどは、冬でも咲いているが、とにかく本土ではみたことがない名前もわからない花々が、デイゴだけでなくさまざまな花が咲き乱れる。
だが、連休に入る前に石垣島は大雨に襲われたらしいので、もう梅雨の気配なのか…。
沖縄地方(2015/04/02 訪問)
タグ:沖縄県
コメント 0