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モンパノキやアダンなど亜熱帯の植物が海岸線を長く緑の帯で縁取る(53)(シーズン3) [石垣島だより]

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 石垣島の海岸の砂は、多くはサンゴの死骸が細かく砕かれてできたものである。砕かれ具合も場所によってかなり違い、白保などの海岸では砂というよりサンゴの塊の石で埋まっている。
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 真栄里では人工砂浜以外のところでも、細か目の砂が多く、そこにはハマヒルガオのような小さな朝顔状の花をつけた植物が蔓を伸ばし、砂に根を張ろうとしている。砂浜も上のほうにはこうした植物がいろいろ砂とせめぎ合っている。
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 その上は、密集した植生が緑の堤防のようになって、海岸と陸地の境界線をつくっている。この緑の帯はさまざまな植物が繁茂していて、簡単にそのなかに分け入っていくことはできない。
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 そのなかで、いちばん幅を利かせている植物は、どうやらモンパノキやアダンなどの亜熱帯の植物のようである。
 モンパノキは、沖縄ではどの島でも普通にそこらじゅうでよく見られる木であるが、風や潮にも強いので海岸線によく自生している。防風林として植えられることもあるようだ。大きいのになると高木になるが、そこらの海岸にあるのは風のためか低く茂っている。
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 多肉質の葉っぱに特徴があり、表裏に細かい毛が密生している。この葉っぱを天ぷらにして食べるという人もあるらしいが、あまり食習慣として広がっていないところをみると、さほどおいしいものではなさそうだ。
 木の葉の手触りの感触から、その名がついた。漢字で書くと「紋羽の木」となるが、「紋羽」はビロードだという説明がネットでは多く使われているが、本当だろうか。どうもそれも、決めつけるだけの材料は乏しいのであやしいのではないか。ビロード、コールテン、ベルベット、別珍…。実は区別がよくわからない。
 国語辞典では、紋羽二重(もんはぶたえ)というのがあって、高級生地の羽二重に紋を浮かせた一級品の生地であるとか、ネルのように柔らかく起毛させた綿織物のことをいうとしている。紋羽は足袋裏や肌着などに用いられたというし、地質が粗いというので、ビロードとはちょっと違うような…。
 ともかく、その葉からついた名のほかに、ハマムラサキノキ(浜紫の木)という別名もある。
 海岸を歩いていると、とにかく暑い。日陰が恋しくなって、このモンパノキの下にもぐり込んで一休みすると、こんな感じ。
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 だいたいにねじ曲がった枝振りになるので、高木でもあまり建材向きではないようだが、軽くて柔らかい木質なので加工しやすく、もともと材木が少ない沖縄地方では貴重な木材になってきたようだ。
 それで思い出したぞ。
 初めてやってきた八重山で、初めて訪問した波照間島で、「モンパの木」という店に立ちよった。そこで、この木を組み合わせて作った枕(のようなもの)を買ってきたんだった。
 あれは、どこへいったのだろう? もう、とっくに片付けられてしまったのだろうか。
 そうそう。最近ではこの木の小さいのを観葉植物として通販などで売っているらしい。
 それでもうひとつ思い出したのは、でんでんむしも、最初にきたときに、やはりそこらに生えていたクワズイモを見て、これを鉢植えにして銀座のインテリアショップで売れば売れるだろうと思った。モンテスラなどによく似ているし…。
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dendenmushi.gif 沖縄地方(2015/04/02 訪問)
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タグ:沖縄県
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