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1199 鳶の巣崎・大陽崎・烏の巣崎・謳っ鼻・佐五郎鼻・油崎=陸前高田市広田町・小友町(岩手県)ウェーゲナーと大陸移動説 [岬めぐり]

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 こどもの頃から地図を眺めるのが大好きだったでんでんむしは、世界地図を見ていて気がついた。みかんの皮をむいた後で割け目を合わせたように、南アメリカ大陸の東海岸と、アフリカ大陸の西海岸は、ずっと大西洋を狭めて寄せてみると、ピッタリとくっついてしまうではないか。逆にいうとこの2つの大陸はもともとひとつだったのが、なんらかの理由で分かれることになってしまったのではないか…。
 もちろん、アルフレート・L・ウェーゲナーらが、1910年に同じことに気がついていたこと、それがヒントになって世界で始めて大陸移動説を唱えたことなど、そのときにはまったく知らなかった。
 もともとは気象学者で、地学は専門外の彼がいちはやくそれに気づいたというのがおもしろいが、専門家は得てして頭が固くて斬新な発想ができない。そういう例は、これに限らずたくさんありそうだ。
 もうひとつおもしろいのは、この説がその時代時代によって評価が変わって、持ち上げられたかと思うと冷笑され抹殺されたりして、浮かんだり沈んだりしてきたということであろう。これも本人や本人の説が変わってきたわけではなくて、周囲が変わっただけのことである。
 ウェーゲナーの唱えた大陸移動説を知ったのは、随分昔のことで、この学説もその頃にはまだトンでも本が書くガセネタ扱いされていたのではないかと思う。あるいは、最初は少年雑誌の記事か何かで読んだのかもしれないが、確かなことは記憶がない。記憶にあるのは、近年のマントル理論が学会の定説になり始めた頃に出て読んだ岩波新書のことだった。
 1971年刊の「新しい地球観」(上田誠也・著)は、大陸移動説の再評価に始まる近年のマントル対流論、海洋底拡大説、そしてそれらを踏まえたプレート・テクトニクスという新しい考え方を紹介していた。
 現在でも地殻の内部でマントルが対流を起こしていて、それによって海底がじわじわと移動している。そして、日本海溝はその押し出されてきた海底が再びマントルのなかに引き込まれている場所だというのは、想像するだけでなにか胸が高まるような感動を覚えたものだった。
 そして、引き込まれた海底との摩擦が限界に達した大陸プレートが跳ね上がることで大地震が引き起こされ、それが海を動かして大津波となる…。
 そういった基本的な認識は、現在では一般にもかなり広く定着している知識といえるであろう。
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 広田半島では、東海岸に比べて西海岸のほうが岬が、目白押しに連なっている。これはとりもなおさず、西海岸のほうが集落も漁港も数が多く、なにしろ道路が湾岸に沿って走っていて、しかもその道も岸から高いところを通っているわけではなさそうだ。それだけ人間の生活が隣り合わせにあった地域だと言うことができる。
 残念ながら、ここも実際に歩いてみることができなかったので、南部に続いて、半島北部の西海岸も、広田湾右岸、陸前高田市気仙町付近からの遠望になる。しかしながら、ここを走る国道45号線は、海からは遠く高いところを通っていて、広田湾と広田半島が眺められる場所が、非常に少ないときている。
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 広田町の領域では鳶の巣崎・太陽崎・烏の巣崎と北へ延びて、小友町に入って謳っ鼻・佐五郎鼻・油崎という岬が連なる。佐五郎鼻と対岸の白浜崎との間は3.4キロほど、湾口にあたる広田崎と対岸の松ケ鼻の間は5.4キロ。そして、湾口のラインから湾奥の高田松原があったところまでは8.6キロ。広田湾はこの付近ではいちばん大きな湾である。
 3.11の大津波は、当然ながらこの広い湾口から、長い湾内に押し寄せ、岬も入江も漁港も、そして湾岸の道路も集落もひとのみにしたのだろう。
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▼国土地理院 「地理院地図」
38.938853, 141.70318
sagorohanaM.jpg
dendenmushi.gif東北地方(2014/11/07 訪問)

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タグ:岩手県
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