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1191 碁石岬=大船渡市末崎町(岩手県)きれいなアカマツの林を抜けると展望テラスに雄大な景色が広がる岬 [岬めぐり]

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 大船渡市の末崎町は「すえざきちょう」ではなくて「まっさきちょう(あるいは、まつさきちょう)」と読む。大船渡市の南部一帯で、碁石岬のある半島をまるまる含むこの地域は、1889(明治22)年の町村制施行時に末崎村として単独で村制を施行していたが、1952(昭和27)年に大船渡町・盛町・赤崎村など周辺の町村と合併してともに大船渡市になった。
 「まっさきむら」はそのときに「まっさきちょう」になった。つまり、近年の金にからんだ合併ブームとは無縁だったのだが、やはり合併による町名地域名については、昔から容易に手をつけることはできなかったらしい。
 そのため、村だった地域を全部大船渡市の末崎町にしてしまったので、広範囲が同じ町になる。こういう場合は字名もくっつけてそれをみんなが使う地名にしたほうがよいように思うのだが…。
 末崎町の半島の先端が碁石岬で、そこの字名は大浜で、その大浜の範囲は碁石浜から東側が全部そうだといえる。
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 碁石浜の民宿に一泊した翌朝、まず碁石岬を訪れた。一帯のかなり広い範囲が自然公園のようになっていて、園路を進んで行くときれいなアカマツの林が続く。
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 すぐに灯台が見えてきて、その手前にはよく公園にあるような間に合わせのではなく、本格的な手の込んだ造りの東屋が建っている。傍らにある説明文によると、平成16年に大船渡市が建てたもので、寺社建築の技法をもつ綾里の気仙大工の手によるものだという。
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 この東屋でも、屋根全体の反りをつくる屋根垂み、軒の隅を反らせる軒反り、建物が安定して見えるように柱を内側に傾ける転び、などの技法が使われているのだという。
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 内部の梁には、碁石海岸周辺で働く人々を守る素彫りの海神様の像が置かれている。
 それにしても、ここの青青としたアカマツの松林の見事さはどうだろう。どこでもマツクイムシの被害にあった惨状を眼にしているので、よけいそう思われるのだろう。
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 灯台から先には少し下る園路とデッキが設けてある。そこでいったん陸地は切れて、さらに先には岩島が続いている。国土地理院の地理院地図(電子国土Web)では、その岩島の先端に「碁石岬」の表示がある。
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 あれっ? またまた発見してしまったが、その周辺に散らばっている岩礁のいくつかは表記の方法が違うぞ。
 細かいことを言わせてもらえば、通常の地理院地図の表記法では、輪郭が茶色の線でその内側はごく薄い茶色で陸地の表示をしているのだが、この碁石岬周辺ではいくつかは輪郭が青い線で内側が白色になっているのだ。
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 このブログでは、ネット地図というのもサブテーマにしているので、しつこく追いかけているのだが、ZENRINをソースにしているMapionなどではこういった海岸線の描き方がほとんどでたらめで、島などかなり大胆に日本領土から抹殺してきていた。でんでんむしがそれをうるさく言い出してから後には徐々に追加修正をしてきているようだが、その追加表記法とこれは同じようではないか。もしかして、理由も同じなのか?
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 ついでに、そのMapionを見ると、こうなっていた。薄緑の塗りが陸地表記だが、修正追加した島は薄茶色の塗り(これにも2種類あるらしい)になっている。おまけに碁石岬の表記もなく「∴ 碁石海岸」の表記も内陸のヘンな場所にある。
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 地理院地図では、「∴ 碁石海岸」の表記はそれとは反対側の西海岸にある。えーっ、じゃ碁石海岸ってどこなの? まあ、この大浜付近一帯の海岸が全部そうなのだろうが…。それについては、次項の番外でふれることにして…。
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 碁石岬の飛磯岩の遙か彼方に横たわるのは、陸前高田市の広田半島である。その先端は、半島東端の黒崎であろう。ずっと左に眼を移していくと、少し後ろ側に綾里崎が顔をのぞかせる。
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 反対の右手に広がる湾は、南北ふたつに分かれていて、北の大船渡市側が門之浜湾で南の陸前高田市側が大野湾である。(今気がついたのだが、地理院地図の青い輪郭の岩島は、満潮時には海中に没するところ、という意味なのかなあ。しかし、この南の大きな広田半島では、そういう表記は鵜の巣崎のひとつだけだから、そういうわけでもなさそうだし…。)
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 で、「碁石」はどこに? それについても次項の番外でね…。

▼国土地理院 「地理院地図」
38.985952, 141.741747
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dendenmushi.gif東北地方(2014/11/06 訪問)

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タグ:岩手県
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コメント 2

Rifle

20年以上前ですが、民宿「碁石荘」が友人の知り合いで、その宿に泊まるのが目的で行き、碁石海岸・碁石岬をバイクで回りました。宿は震災で流されてその後復活したそうですが、まだ行けてないです。
懐かしい地名を目にして、思わず書き込んでしまいました。A(^^;
by Rifle (2015-01-26 18:34) 

dendenmushi

@Rifle さん、民宿「碁石荘」というのは、碁石浜のそばにあって、津波で被災しました。それが名前も変え、場所も少し高いところに立て直したのが、わたしが泊まった民宿だと思いますよ。
碁石は、年表をはさみながらあと2回続き、その最後に出てくる予定ですので…。

by dendenmushi (2015-01-27 06:46) 

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