1160 キムアネップ岬=常呂郡佐呂間町幌岩(北海道)これはサロマ湖の東南岸にあるが東北岸から見るギブアップの岬 [岬めぐり]
湧網線がなくなっても、サロマ湖を通る路線バスができなかったのは、利用者が少ないことがいちばんの理由であろうが、それ以外にも考えられるのは、行政区分の関係であろう。鉄道がなくなり路線バスもない場合には、地域の自治体が自ら、あるいは交通事業者(タクシー会社など)に委託して、コミュニティバスがなんとかカバーしていることが多い。
ところが、サロマ湖では西のサンゴ岬と東のキムアネップ岬へは、こうした公共交通手段がまったくない。
東西25.5キロ、幅も広いところでは9キロもある広いサロマ湖は、紋別郡湧別町と常呂郡佐呂間町と北見市常呂町と、三分割されている。佐呂間町にはいちおうコミュニティバスがあるにはあり、病院などを結んで幌岩も通る線があるのだが、そこへ行くまでの連絡がない。(あっても、とにかく連絡が悪くてないのと同じ。)
サロマ湖に行くのは、唯一網走バスのサロマ湖栄浦線があるきりなのである。しかたがないので、とにかくそれに乗ってみることにした。
網走に着いた翌日早朝に、駅前のホテルを出て、能取湖岸を回り、常呂を経てサロマ湖東岸の栄浦に行くバスは、朝の5時55分発で一時間ほどで栄浦に着く。ところが、折り返しの便をはずすと帰りは17時過ぎまで待たなければならない、というすごいダイヤが組まれている。
サロマ湖ネイチャーセンターというのがあるらしいので、そこまで行きたかったのだが、行けば夕方まで帰りのバスがない。栄浦から佐呂間町のコミュニティバスに接続していればいいのだが、それは北見市の栄浦までは入ってこない。
それならば、少しでも周辺をうろうろする時間をとるために、終点の栄浦まで行かずに、手前のネイチャーセンター入口で降りることにする。こういうのは、乗っていてあれこれ考えながらのとっさの判断で、最近人気らしい「路線バスの旅」(テレビ東京の番組だが、またしても各キー局がマネして“路線バス”を謳った番組が増えている)太川陽介リーダーもかくや…。
始めから終わりまで全部見たのは一度しかないのだが、そっちは目的地はあるがまるきり計画なしの、行き当たりばったりのでたとこ勝負のハプニングがウリのようだ。事前に計画を立てるこちらとはまったく違うのだが、路線バスを乗継ぐという点でだけ共通しているところがある。
マドンナこそいないが、蛭子さんのボケも一人で担当しながらの岬めぐり、サロマ湖もえらい難所である。
漁港のところから、キムアネップ岬が見えるかと思ったのだが…。やはり視界が遮られる。
少しでも高いところのほうがいいかと、橋の上に上ってみる。そこからは漁港の出入り口の切れ目が見える。
キムアネップ岬は、この正面の少し右手に当るはずである。
しかしながら、北見市栄浦から見るのでは常呂郡佐呂間町の岬までは5.5キロもあって、いささか遠すぎるうえに、岬はここという目印になるものもないので、特定するのがむずかしい。ギブアップだな、こりゃ。
サロマ湖のオホーツク海側は、細く長い海浜の丘で仕切られているが、途中で切れているので海水が入り込む汽水湖である。栄浦漁港の北に横たわる外海との仕切りの丘は、かなり高く11メートルはある。
帰りも夕方までは待てないので、早々に折り返しのバスで能取湖を半周しながら、網走へ引返す。網走駅前から同じように同じバスに乗ってきた一人旅らしい女性だけが同乗者。この人も、同じバスで終点から折り返している。自分のことは棚に上げて、いったいこの人はどんな目的があって、このバスに乗っているのだろう。
能取湖は網走市で、ちょうどサンゴ草のシーズンだった。バスの車窓からだけだが、サンゴ草と畑に広がる季節外れの菜の花などを楽しみながら、ビートなどの畑のなかを走っていると、途中に自転車専用道路の看板が見えた。これこそ、廃線になった湧網線の線路跡だ。
能取湖の北の端には、能取岬がある。2005/04/26に訪問していたここは、「024 能取岬=美岬」として、かなり若い番号で項目に上げている ので、そちらも参照していただきたい。
順番からいうと、次はこの能取岬で、その次はもう知床半島に入っていくことになるが、実際の行程の順序とは若干前後する。
▼国土地理院 「地理院地図」
44.108049, 143.909666
北海道地方(2014/09/28訪問)
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