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番外:二ツ亀=佐渡市鷲崎(新潟県)佐渡の北部海岸には亀が三匹おりましてねこれにとりつくシマがあるかないか [岬めぐり]

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 地名はなかなか微妙なこともあるので、原則としては国土地理院の表記を踏襲することにしているのだが、佐渡の北部まできて困ってしまった。前項の大野亀もこの二ツ亀も、地理院地図では「島」をつけている。
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 しかし、これはどうも違うような気がするのだ。かくいう根拠もいささか不明確で、なんとなく直感的に、というしかないのではあるが…。
 やはり両方とも、島はつかない「大野亀」「二ツ亀」とするのが正しい、本来の呼び方だったのではないのか。
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 現在使われているのは、どちらかといえば、みんな「島」つき表記派のほうが多いようだ。佐渡市も国土地理院に従っている。だが、これも“赤信号みんなでわたれば怖くない”というようなもので、だからといって唯々諾々とその仲間になるのはごめんこうむりたい、というのがへそまがりの本音。
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 いつも悪口を言っている(ほんとうはそうではなく是々非々なのであって、たまたま非のほうが多いというだけだが)Mapionをみると、これがまたふしぎなほどばらばらで、大野亀のほうは史跡マークつきで大野亀、二ツ亀のほうにだけは島がついている。
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 こんもりとした丸い山を見て、これは「亀」だなと感じた先人がいたわけだが、どちらかといえば日本のハコガメやドロガメよりも、ガラパゴスゾウガメのほうを連想してしまう。もちろん、それを念頭につけた「亀」でないことは明らかだが…。
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 願の民宿の一夜が明けると、翌朝はきれいに晴れ渡った。
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 前日はバスの車窓から、その南側を眺めていた大野亀は、その北側の海岸線が、きれいに晴れた海の中に、多くの立石を突き立てている様が、よくみえる。こちらから見たところは、あまりカメ的ではない。
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 願から海岸伝いに、石の細い道を、東へ向かう。
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 このルートは、佐渡島の北端を歩く道で、賽の河原から二ツ亀へ、それから藻浦、弾野(はじきの)の集落を経て、弾崎(はじきさき)から県道へ合流する。この間、願から藻浦の手前までは、細い道か岩の道なので、車は入れない。
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 天気がよいと、海もほんとうにきれいな青い海で、空も海と青さを競っている。なんでも、ここらあたりの海水の透明度は、佐渡随一だとか…。
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 そういう海岸の岩と石ころの道を、のんびりと東に向かう。途中にある賽の河原は、なにかとよくありがちな名前と場所で、石を積み上げた塔などがあるが、そこを過ぎると、二ツ亀はいよいよ大きくなって、眼前に迫ってくる。
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 古くは、この海岸で製塩が行なわれていた遺跡があったという看板が建っている。“藻塩焼く”という製塩法しかなかった時代のことだろう。
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 大野亀は実際は小さな半島だったが、二ツ亀は海岸そばでふたつの亀が寄り添う陸繋島である。
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 細長くとんがった砂州が、北にある二ツ亀のほうに向かっているが、干潮のときには砂州がつながるように露出し、満潮時には砂州が海に沈んで二ツ亀は島になる。
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 それもおもしろいのだが、二ツ亀の異様は、南面にごろごろとだるま落としのように重ねながら盛り上がりながら露出する岩が、何本も固まっていることであろう。
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 はて、これも枕状溶岩なのかしらん、と思いながら歩いていたのだが、帰ってきて調べてみると、“柱状節理のある粗粒玄武岩の海蝕崖”という説明があった。
 ほーか、これも柱状摂理というのか。
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 二ツ亀の情報も、ほとんどないのだが、文化庁がやっているらしい「文化遺産オンライン」というこれもまたよくわからないけったいなサイトには、佐渡外海府海岸の項に、漢字カナの文章があり、その北部について次のようにいうのだが、これがどこの誰が書いたどういう資料だか、さっぱりわからない。そういうものから引用するのもどうかとは思いつつ、ほかにないので…。
 
北區ハ全部堅緻ナル赭色ノ粒状玄武岩(ドレライト)ヨリナリ南區ノ如ク沿海段丘ノ発逹スルモノナク山ハ大斜面ヲ以テ直ニ海ニ臨ミ繊細ノ景致ト色彩ノ変化トニ乏シキモ景色自ヲ豪宕ニシテ雄偉ナリ王冠ニ肖タル大野亀半島及ビ巨敞龜ノ浮ヘル如キ二ツ亀島ノ如キ其ノ代表的ナルモノトス
 
 文体と表記法からするとかなり古い資料らしいが、あれ、ここでも「二ツ亀島」と書いている。困ったねこれは…。でんでんむしの直感もいいかげんということなのか。しかし、よく読んでみると、ここでも両方が島ではなくて、“半島”と“島”を使い分けて区別しているのだ。これは、実際の地形のありさまに符合しているわけで、地理院地図よりもMapionのほうが合っているのである。(ほらね、ちゃんと是々非々だ。)
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▼国土地理院 「地理院地図」
38.334776, 138.482773
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dendenmushi.gif信越地方(2014/05/18訪問)

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タグ:新潟県
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