1134 藻浦崎=佐渡市北片辺(新潟県)海中に散らばってたくさんの藻類が繁殖している岩場は元々の岬のなれの果て? [岬めぐり]
北片辺の藻浦崎も、バスの車窓から…と思っていたのだが、ここは失敗の岬になってしまった。南片辺、北片辺と軒を連ねる集落は、道の両側にみっしりと連なっていて、海岸側がまったく見えない。
その状態は、藻浦崎の道がカーブするところでも変わらず、道路からは岬の様子はまったくうかがい知ることができない。
わずかに、南片辺付近から北片辺の漁港とそれにくっついている藻浦崎の遠望で推量するのみ。
これで見ると、藻浦崎には大きな岩がいくつか島のように飛び出ている。地理院地図では、3.2メートルの三角点と龍金岩の表示がしてある。
藻浦崎は、低い岩礁があるだけのようで、その先の海中に散らばってたくさんの頭を出している岩場が、元々の岬のなれの果てだったのかもしれない…そんなことを思わせる。そのひとつがどれかはわからないが、ミヨガ岩という記載もある。
藻浦崎の名も、そうした波に見え隠れする岩礁に、たくさんの藻類があって、それはまた格好の漁場になっていたのかも…。
一方、同じネット地図でも地理院地図とはほとんど類似点がないMapion によると、岬一帯は藻浦崎公園という表記がしてあって、緑に塗ってあるのだが、樹木が生い茂っているわけでもなさそうだ。近頃の公園は、どこもできるだけ管理の手がかからないようにというのが優先されるらしく、どこも樹木の植栽は少ないのではあるが…。
建物の向こうに岩があるくらいしかわからないまま、岬のカーブを曲がる手前に、赤いのが目立つ店のようなものがある。
看板のはげ落ちた文字を読んでみると、“菓子・雑貨 みさき屋”と読める。これが唯一、岬の証明…。
藻浦崎の南、南片辺トンネルと旧道の海には、尖閣湾が前面に出てきていったん途切れていた「∴ 佐渡海府海岸」という表記がまた復活して続く。国土地理院では一貫して佐渡北部の西側海岸はこの表記で通している。これも、わが道を行くMapion では「∴ 外海府海岸」となっている。
「外海府」とは、佐渡島北部の海岸の西海岸のことで、対して「内海府」は弾崎から両津までの東海岸のこと。いずれにしても、名勝の指定には使われていないはずの呼び方なので、「∴」をつけるのはやはり間違いだろう。バス路線では外海府を使っているし、一般に東西の分け方を内と外にしているので、内海府にたいして外海府という使い方が間違っているわけではない。しかし、そう考えると、国土地理院の表記のほうがおかしいようにも思えてくる。だって、「佐渡海府海岸」というと、内(東海岸)まで包含されてしまう…。
いちおう、「外海府海岸」は、佐渡の北端の弾崎(はじきざき)まで、あるいは限定的に考えても、西の大野亀くらいまでが含まれるという理解は間違いではなかろう。。
藻浦崎を過ぎると、これもまた断層のような切れ込みを流れてくる石花川が、海に注ぐところが丸い弧を描く湾になっていて、その先に石花の集落が続く。
この付近も山側には50〜100メートルくらいの傾斜地に、田圃が広く展開しているようだ。
海側は、道路の脇には岩がごろごろごつごつした海岸がずっと続いている。
それにしても、「石花」とは、またなんとも趣きのある名前だなあ。“石”と“花”は、本来まったく対極の、異質のイメージがあるのに、それをくっつけたのは、いったいどこからきた名前なんだろう。この海岸の岩石と関係があるのかしらん。
これが調べてみると、“カメノテの古称”で、“せい”とも読んだらしい。そうか、カメノテなら知っているぞ。いつだったかどこだっか、夕食のお膳に出たこともあった。カメノテを石に咲いた花とみたのか…。いつものことながら、昔の人のこういうセンスと発想には感心させられる。
けれども、ここ石花とカメノテの関係は、やっぱり不明なままである。
▼国土地理院 「地理院地図」
38.157124, 138.297898
信越地方(2014/05/17訪問)
タグ:新潟県
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