1133 平根崎=佐渡市戸中(新潟県)波がつくった穴ぼこがぼこぼこあるらしいがここはバスで通り過ぎる [岬めぐり]
北の海に向いた北狄集落は、大崎と北狄川が流れてくる谷に挟まれて固まっている。その南側の山から落ちてくる緩斜面にも、田圃は広がっている。
こうした海岸段丘の田圃は、北狄から北へ戸地、戸中と続いていくようだ。
北狄から乗ったバスは、少し小ぶりで座席が左右に一列ずつしかないが、そのすべての座席が空席で、貸切状態である。
このバスの車窓に、次に見えてくるのが平根崎。
進行方向右手の山から降りてくる尾根が、岬で終わるまでに何段かぽこぽこと区切れている。地図から想像できることは、山の上に道路が切ってあるからだろうか。
平根崎は、南北に長い戸中の集落を走りながら、その車窓から眺めるのみ。
地図ではここに「∴ 平根崎の波蝕甌穴群」という表記が、斜めになった岬の崖に沿って記されているので、ちょっとバスを降りてみたくもなるところだが、バスダイヤと地図を見比べてみると、ここで降りる訳にはいかないのである。
細長く西へ突き出た平根崎は、北も南も崖と岩で、岬の上には道もつかないほど幅も広いところで100メートル足らずと狭い。
その岬の南側のつけ根のところには、戸中の漁港の岸壁ができている。つけ根の峠をバスが越えて行くところでは、なにやら大工事が進行中で、あった。
平根崎の南側面は、崖崩れか何かで削ぎ落とされたような形跡が、地図からは読み取れるが、その雰囲気の一端くらいはわかる。
波蝕甌穴群というのは、岬の北側の崖地または海岸にあるのだろうが、この岬の北が、バスでは真後ろになってしまうこともあって、まるで見ることができなかった。いすれにしても、ここも船で行かなければ、岬の北壁は見ることがかなわないようだ。
岬の峠を越えると、バスは丸い入江に架かった鹿ノ浦大橋を渡る。そのすぐ先にある短いトンネルを抜けると、鹿ノ浦の浜に出る。鹿ノ浦から海岸沿いに旧道があったようだが、それも今は使われていないようだ。
その代わりに北へは南片辺トンネルという、全長が2キロ近くもある長いトンネルができているからだ。
道を歩くときには、こういう場合は迷わずトンネルではなく、旧道を選ぶことにしている。だが、旧道がないなどトンネル以外の選択肢がないときには、困ることがある。古いトンネルでは歩道もないところがあって、そういうところははなはだ危ないし、車の排気ガスが耐えられない。
南片辺トンネルは新しいトンネルのようで、歩道もちゃんとあるし、トンネル内も広くかなり明るい。換気装置もあるのかな。これなら歩けないこともなさそうだが、それでも2キロは長い…。
バスの運転手さんも、乗客が他にいないので、手動でバス停と料金表示を切り替えるのを忘れて、ひた走る。▼国土地理院 「地理院地図」
38.120771, 138.269037
信越地方(2014/05/17訪問)
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