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でんでんむし@アーカイブス★むかしの人は言いました=その33 臨時特別連載「道歌」 [番外DB]

 さてさて、でんでんむしが収集した「道歌」の紹介も、このへんで終わりにしたしましょう。春休み特別企画として始めたこの臨時連載も、本文は今日が最後です。意外に長引きました。
 改めてみると、これらの歌は、親も兄弟もいなかったでんでんむしの生き方にも、いろいろな点で影響を与えてきているような気がします。
 先ごろの朝日新聞で、こんな一文に出会いました。
 
 はっきり言うと角が立つ。角を立てずに和を保つ。それが日本の心がけ。和を保つにはどうするか。三十一文字(みそひともじ)が役に立つ。和歌に託して本心を、一皮くるんで差し出して、あとは向こうの解釈に、任せて黙っていればいい。(「朝日新聞」2014/4/30 文芸時評 片山杜秀)
 
 これは『昭和天皇「よもの海」の謎』(平山周吉著 新潮選書)という本について片山氏が述べておられることで、直接道歌のことをさしているわけではありませんが、三十一文字の見方という点では同じようなことが言えます。この本も読んでみたいと思いますが、まだ買っていませんので、この評のなかで述べられていることにとどめておきます。
  よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ
 この歌は、明治天皇の御製のひとつです。わりとよく知られているのは、昭和天皇が1941(昭和16)年9月の御前会議で、これを読みあげられたことによります。この歌を開戦前の御前会議にわざわざ引かれた意味は、誰が考えても戦争突入を意味しません。ところが、この歌をどう考えるかは受け止める人によって違う、そこに解釈の逆転が起こった…。おもしろそうです…というような、軽いことではなさそうですね。
 「道歌」が、戦後急速に廃れていって、誰からも顧みられなくなるのは歴史の必然で、それをどうこういう意味はないでしょう。
 けれども、たまたま西表島の上原で「デンサ(伝指)」に遭遇したことがきっかけとなって、これもまた歴史的遺産でもあり、後世に伝えていくべき資料にもなるものと考えました。“伝伝虫”としては、なんとかこれも伝えておきたいと、“でんでんむしアーカイブス”のひとつとしてまとめてネット公開することにしました。
 本線の「岬めぐり」の間、隔日のスキマに挟んできたので、So-netのブログ共通テーマのどこかに入れなければなりませんが、しつこく書いてきたようにこの分類区分けがよくない。どこにも適当な場所がないので、“「趣味・実用」のなかの「学校」”(これも相当ヘンでしょ)のなかに入れさせていただきました。“道徳”にからめてはみたもののちょっと場違いな感じもありましたね。失礼しました。
 最後は「人生は夢」ということで…。

kokoro.jpg
33 mark.jpg の世に…

夢の世に 夢の如くに 生まれきて 露と消えなん 身こそ安けれ

夢ゆめと 口にはいえど 悟りやらで 夢に夢見て 遊ぶ夢助

夢さめて 衣の裏を けさ見れば 珠かけながら 迷いぬるかな

夢の世と 思いながらも 厭わねば 誰がなすわざと その主をみよ

夢なれば 覚めなと思う 嬉しさに 寝返りもせず 待つぞ楽しき

借り切りと 思う間もなく 目が覚めて 乗合船の 夜半の起き伏し

仮の世を 仮の世じゃとて 仇にすな 仮の世ばかり おのが世なれば

一生を 夢とは知らず 覚めぎはに 夢と知りゆく 夢の世の中

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dendenmushi.gif(2014/05/19 記)
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タグ:道歌
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