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1088 トムル崎=石垣市伊原間(沖縄県)琉球列島でいちばん古い島が石垣島でそれを証明しているのがトムル層 [岬めぐり]

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 伊原間(いばるま)は、二つのくびれに挟まれた半島の中央部を占める地名で、明石も石垣市伊原間に含まれる。
 路線バスも伊原間までは何本か本数もあって、西回りも東回りも、ここの郵便局の前がいちおう終点になり、平野行きの始発を11時過ぎまで待ちきれない人は、ここまできてここで平野へ行く便に乗り換えることになる。
 平野行きのバスは、さらに北へ延びる県道206号線で半島の西海岸を走る。伊原間と明石の集落の間には、やはり中央に南側のはんな岳と北側のトムル岳が連なっており、その東側の斜面もまた放牧場が続いている。ここにも縦断道路はないので、平久保と同じような状況になっている。
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 そして、その放牧場に北の端に、東の海に向かって突き出ているのがトムル崎である。トムル崎と安良崎と石崎については、以前にも「254 トムル崎・安良崎・石崎=石垣島(沖縄県)半島を振り返りつつ遠ざかる」 として項目を立ててはいたのだが、あまり中身がなくごまかしていたので、今回この3つの岬について、それぞれ独立項目を設けたものである。
 で、この伊原間から明石へ向かう県道の脇に、タレントがオーナーのカフェがあるというので、それは「249 野底石崎=石垣島野底・伊原間(沖縄県)紳助の喫茶店ここらにあります」 の項で書いていた。
 まず、前に書いていたことで訂正しなければならない。この店の前から見える岬が野底石崎なのでこの項目に入れたのだが、店自体の場所は北の崎のほうに近いがトムル崎からは遠いので、「カフェ・トムル」という名前に若干の疑問めいたことを書いていた。ごめんなさい。この名前はまったくふさわしいもので、疑問などはさむ筋合いはありませんでした。いい名前です。今回、「カフェ・トムル」の前をバスで通ったら、あの人形がなくなっていた。まだ、店には行っていないので、いつか行きますよ。
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 なぜなら、岬とは反対側であっても、トムル岳の西麓にあるこの店が、その名を名乗るになんの不都合もない。そのときには、でんでんむしもまだ「トムル層」のことも知らずにいたのだ。これについては、「なぜか気になる日本の最西南端八重山の歴史そのポイントを改めて整理してみる(50)(石垣島だより シーズン2)」 の項でもふれたが、それ以上に詳しいことがわかるわけもない。
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 この岬めぐりでは、シロウトでも納得できる範囲で、その岬にかかわる地質や歴史などについても、できるだけ手を出してみようとしているが、なかなか情報がないのが実情である。それも、われわれシロウトの目に触れることがないだけなのだろうが、目に触れてもかいもく理解できないのも困る。
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 トムル層については、専門家によって2004年6月の「地質ニュース 598号」発表されたこんな論文がPDFになっていたので、その一部を抜粋してみる。

 地質の概要
 石垣島の地質はペルム紀と考えられているトムル層,ジュラ紀の富崎(ふさき)層,始新世の宮良(みやら)層群,それらを貫く始新世?~鮮新世の貫入岩類・漸新世の花崗岩,これらを覆う更新世の琉球層群・完新世の堆積物からなります.このうち本図幅範囲内にはトムル層,宮良層群,貫入岩類,更新世の琉球層群,完新世の堆積物が確認されました.
 トムル層は三畳紀~ジュラ紀の変成年代を示し,琉球列島で最も古い地層と考えられています.トムル層は石垣島の北東部,中央部および西部に分布し,低温高圧型の藍閃石片岩相に属する藍閃石片岩・緑色片岩・泥質片岩・砂質片岩から構成されています.塩基性片岩は肉眼的には青灰色~暗緑色~黄緑色を呈し,剥離性に富む藍閃石片岩~緑色片岩です.また,枕状溶岩,ピローブレチャー,ハイアロクラスタイトなどの原岩組織を示す形態や産状がしばしば保存され,枕状溶岩の良好な露頭は安良岳の北東沢沿いや安良崎において観察することができます.
・「地質ニュース 598号」2004年6月 5万分の1地質図幅「石垣島東北部」(金子慶之・川野良信・兼子尚知)から

 写真や図版は割愛させてもらったが、そのなかにある図をみると、琉球列島で最も古い地層であるトムル層の分布は、平野と西海岸の一部を除いて伊原間以北平久保の半島のほぼ全域にわたっている。ちなみに、上記論文の「三畳紀~ジュラ紀」とは、2億5000万年〜1億4500万年くらいの時代である。
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 平久保崎も浦崎も石崎も安良崎も、西海岸にあるダデフ崎もそうで、北の崎以外は全部の岬がトムル層なのであった。
 たまたま、それが最初に確認された場所がトムル崎であったので、その名をとったわけだが、石垣島では平久保半島以外では於茂登岳の東側と空港周辺、それに崎枝半島の東半分だけがトムル層だった。
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▼国土地理院 「地理院地図」
24.531848, 124.308708
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dendenmushi.gif沖縄地方(2014/01/28訪問)

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タグ:沖縄県
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