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でんでんむし@アーカイブス★むかしの人は言いました=その27 臨時特別連載「道歌」 [番外DB]

 どうも「諦観」というのは“あきらめる”ということと同義だから、あまりよいイメージがない。ならば「達観」というのはどうでしょうか
 これには、自分なりの生き方、人生観というものをちゃんと組み立てたうえでの、身の処し方、対応の仕方、日々の暮らし方というものが見えてきます。
 「道歌」のなかには、そういったものを示唆しているものも、結構あるような気もするのです。当然、内容や表現が今の時代には合わないものも多いのですが、そこにはやはり変らぬ人間の、世の中の見方が根底にあり、おのずからそれへの対処法も、言わず語らずに浮き彫りになってきます。
 天があり、地があり、その端境に人が生きている…。そういうスケールでみるとまた違った見方も生まれてくる…。
 でんでんむしが若い頃に読んで気に入っていた道歌のなかには、冒頭の歌もありました。これなんかね、ぶらぶらと暮らしているようでも、ちゃんと胸のあたりには締めくくってあるでしょ、というのがとてもおもしろく、同時にある種の哲学(おおげさかな)が感じられます。
 最後のもいいなあ。稲作の作業というのは、ほんとうに農業の基本であり、試練もかいくぐっていく辛抱が必要です。水が出るかもしれんし、嵐が来るかもわからない。だが、ただ “今日の勤めに 田草取る”というのも、人間の生き方そのものであるように思われてきます。

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27 mark.jpg つちと分かれし…

ぶらぶらと 暮らすようでも ひょうたんは 胸のあたりに 締めくくりあり

人はただ まめではたらく こそよけれ ああままならぬ 浮世次郎兵衛

人はただ まめで四角で 柔らかく 豆腐のように 変わらぬがよし

我が身だに 我がままならぬ 世の中に 思うままには ならぬ世の中

舟と水と 仲良くてこそ 世を渡れ 心の荒き 浪風ぞ憂き

行く水に 身をばまかせて 人のため いそしみめぐる 水車かな

水車 みずから臼の みずからは することも知らで 米やしらげん

わが性の 人にかくれて 知られずば たかまのはらに 立ち出でてみよ

悪いこと 人は知らぬと 思うなよ 天に口あり 壁に耳あり

すまば澄め にごらば濁れ 月影の 宿らぬ水の あらばこそあれ

天地と 分かれし中の 人なれば 下を恵みて 上をうやまへ

世の中は 人の上のみゆかしけれ うらやむわれも うらやまれつつ

口ひとつ 過ごす鶏さえ 七つ起き 人と生まれて 朝寝するとは

生業を 勉むる道の 奥にこそ 黄金花咲く 山はありけり

春くれば 夏くるものを 拵えて 今日一日も あだにくらすな

春日から 夏秋の冬の ことをせば 時にあわねど 時にあうもの

この秋は 水か嵐か 知らねども 今日の勤めに 田草取るなり

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dendenmushi.gif(2014/05/07 記)
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タグ:道歌
きた!みた!印(24)  コメント(2)  トラックバック(2) 
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コメント 2

okin-02

ご無沙汰致して居ります、我が家のPCも・やっと
xpからWIN8.1に乗り換えする事が出来ました・・・
不慣れで・使い慣れるまで時間が懸かりそうですが??
これからぼちぼち再開しますのでお付き合い宜しくです。
by okin-02 (2014-05-08 21:15) 

dendenmushi

@okin-02 さん、みなさん大変だったようですね。結局買い替える人も多かったみたいー。でんでんむしは日本で最初から(1984)のMac ユーザーなので…^_^。
しかし、okin-2 さんの別荘暮らし、うらやましいです。
by dendenmushi (2014-05-09 04:46) 

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