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でんでんむし@アーカイブス★むかしの人は言いました=その12 臨時特別連載「道歌」 [番外DB]

 こうしてみると、なんとなく現代人の回りにも「道歌」の影響はわずかながら残っているといえます。それは、過去の歴史や経緯がどうであれ、いつの時代にも変わらぬ人間の心理や営みこの世の中で生きていかなければならない懊悩のさまざまを、自然で本然なところで切り取って教えにしているからでしょう。
 誰もが、そりゃ違うだろ…というようなことは少なく、比較的共感しやすい…。へそまがりをもって任じているでんでんむしでさえも、妙に納得してしまうのが多いのです。
 実は案外、素直だったりして…。
 勤勉や努力を説くもの、人の世の「恩」を忘れるなと諭すものも、数はそう多くないようですがちゃんとあります。「恩」というのはだんだんあまり聞かなくなったなあと思いますが、最近では「感謝」とか「絆」とかいうことばで広くくくられているように感じられますね。
 千里の道も一歩から…、石の上にも三年…、大河の流れも一滴から…。日本人ならみんな誰でも知ってますよね。これがすごいことだなと思うんですよ。
 最近、ちょっと葉室麟の作品をまとめて次々に読んでいるところなのですが、そのなかにこんなのもでてきましたよ。
  桃栗三年 柿八年 柚子は九年で 花が咲く 梨の大馬鹿十八年

kokoro.jpg
12 mark.jpg らず…

めぐりくる 因果に遅き 早きあり 桃栗三年 柿は八年

怠らず 行かば千里の 末も見ん 牛の歩みの よし遅くとも

雨だれに くぼみし軒の 石みても 堅きわざとて 思いすてめや

末ついに 海となるべき 山水も かねて木の葉の 下くぐりけん

吉野川 その源を たずぬれば まこもの雫 花の下露

よしのがわ たずねてみれば 水もなし 茨の下の 松の葉の露

養生は ただ働くに しくはなし 流るる水の くさらぬを見よ

よどみなき 水にほこりの 張る間なし 見るにつけても 稼げ世の中

上々も これは及ばず 我々が 働いて食う めしのうまさよ

立てそむる 志だに たゆまねば 竜のあぎとの 玉もとるべし

仇をさえ 恩にてむくう いわれあり 恩を忘るる 人は人かは

食いつぶす 六十年の 米粒の 数限りなき 天地の恩

喉元が すぎて熱さを 忘れては 恩を恩とも 知らぬ世の中
 
煩悩も もとは菩提の 証拠には 渋柿をみよ 甘干しとなる

あしきとて ただ一筋に 捨てるなよ 渋柿をみよ 甘干しとなる

悪しきとて ただ一筋に すつるなよ 渋柿を見よ 甘柿となる

春の野に 目立つ草木を よく見れば さりぬる秋の たねにぞありける

山水も 木の根岩が根 くぐらずば 大海原に いかで出づべき

千枝もも枝 しげれる松も そのもとは ただふたばより 生えそめにけり
 
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dendenmushi.gif(2014/04/07 記)
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タグ:道歌
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