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でんでんむし@アーカイブス★むかしの人は言いました=その11 臨時特別連載「道歌」 [番外DB]

 学習指導要領の小学校「道徳」の指導内容では、「主として集団や社会とのかかわりに関すること」のなかで、「父母、祖父母を敬愛し、家族の幸せを求めて、進んで役に立つことをする。」といったことが書いてあります。
 親が子を思い子が親を思うという、人間のごくごく当たり前な心情も、教育によって磨かれていくのですね。
 古来から、学問の教科書として広範囲に採択され、大きな役割を果たしてきた「四書五経」というのがあります。朱子学で重視された四書は、『大学』『中庸』『論語』『孟子』ですが、孔子から始まる儒学の集大成は五経、つまり『書経』『易経』『詩経』『春秋』『礼記』であったといえましょう。
 儒学の中心をなしてきたのが、「五倫五常」でした。「五倫」とは、「父子の親」「君臣の義」「夫婦の別」「長幼の序」「朋友の信」であり、「五常」が人が持つべき「仁・義・礼・智・信」の五つの徳をいいます。(偉そうに書いていますが、これも自分自身の覚えの整理のために調べてまとめているに過ぎないものです。)
 「五倫五常」は、広く庶民の日常道徳規範として、一般に身近でわかりやすい教えとして定着していき、深く根付いてきたといえます。そして、その端っこに一部それらを踏まえて「道歌」があったともいえます。
 「這えば立て…」や「いつまでも あると思うな…」や「孝行を…」が「道歌」だったなんてね、気がつかなかったなあ。いや、諺のほうが先にあって、道歌はそれを使っただけなのか? やっぱりそうなんだろう。

kokoro.jpg
11 mark.jpg の子を…

這えば立て 立てば歩めの 親心 吾が身に積もる 老いを忘れて

いつまでも あると思うな 親と金 ないと思うな 運と災難

誰もみな こころは父の 形見なり はずかしめなよ 己がこころを

誰もみな からだは母の 形見なり きずつけなよ 己がからだに

世の中に 思いやれども 子を恋うる 思いにまさる 思いなきかな

思いやれ 使うも人の 思い子ぞ わが思い子に 思いくらべて

花ならば またくる春も 咲きぬべし 散りし吾が子は 帰らざりけり

いつまでも 親の目からは 子供なり 子供心に なすが孝行

芋を見よ 子に栄えよと 親やせて えぐうなったり 甘うなったり

おのが子の 巣立ち誘いて 野の雲雀 手もおよぶべき 空にてぞ鳴く

親の子を 思うほどには 子も親を 思うて親に つくせ子の道

孝行を したい頃には 親はなし 孝のしどきは 今とこそ知れ

孝行を 肌身こころに はなさずば いづくへゆくも 怪我はあるまじ

たらちねの 心の闇を 知るものは 子を思うときの 涙なりけり

父母の恩 山より高く 底深き うみの親ほど 尊きはなし

Doyako.jpg

dendenmushi.gif(2014/04/05 記)
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タグ:道歌
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