1081 新川鼻=八重山郡与那国町与那国(沖縄県)眼と鼻の先にあるのが“海底に沈んだ古代都市の遺跡”かもしれない [岬めぐり]
与那国島の最南端にあたる新川鼻(あらかわばな)は、海底遺跡で有名なところである。海底の石が人工的な壁やテラスや通路のように直線や平面で細工されたように見えるというので、海底に沈んでしまった古代都市の遺跡ではないかと言われている。何度かテレビでその映像を見たことがあるが、なるほどそう思えばそんなようにも見える。
が、単なる自然地形だとする説もあって、その遺跡の調査も進んでいるとは言えず、その学術的な評価も定まっていない。しかも、ダイビングのできる人でないとそこへ行くこともできないとあっては、その真実追究の道は限りなく深く遠い。
その海底の遺跡をつくる岩盤に続いていて、海底に沈み落ちないで留まっているのが新川鼻である。
そう考えると、このズームアップで見る新川鼻は、ムーやアトランティスといった類の名残りであるかもしれず、なかなか神秘的に思えてくるのである。
実際、通行止めで行けなかった東崎の南、サンニヌ台から新川鼻にかけては、海底でなくとも海岸の崖に奇岩や岩棚が連続しているらしい。そこに海底遺跡と似たような岩があるなら、やはり自然地形説が有利になりそうだ。
でも、こういう“失われた大陸”とかって、なぜか昔から好きなんだナ。
海底遺跡の話題は、地元が利用できる観光ネタを増やしているようで、ダイビングができなくても海中観察ができる船なんかもあるらしい。
八重山の中心である石垣島からは、西へ120キロも離れている与那国島までは、“八重山観光ツアー”と銘打つものでも滅多にコースに含めることはない。観光客を呼び寄せる強力なシンボルが、日本最西端だけではいささかインパクトには欠けている。これがホントに海底遺跡だということにでもなれば、またぐっとその様相も変わってくるのだけれども…。
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「Dr.コトー診療所」のことを知っていたのは、テレビドラマで何回か見たことがあるからだ。結構うまくできていたドラマだったと思うが、これもマンガが原作だったという。そのエンディングだったか、コトーが白衣の裾をひるがして自転車に乗って横真一文字の白い一本道を走るシーンが流れる。それを見ていて、北牧場のあの道を歩いたんだと思っていたら、あの撮影地は南牧場のほうだったとかで違っていたらしい。
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「Dr.コトー診療所」のドラマは、与那国島でロケをしただけでなく、コトーの診療所のオープンセットを新川鼻が見える比川の海岸に建てた。ドラマが終わった後にも、その建物がそのまま残されていて、それもささやかだろうが観光資源にひとつとして貢献しているらしい。比川の海岸でぼんやりと海と空を眺めていたら、最西端観光の中型観光バスが一台やってきた。
コトーの診療所は、湾曲する比川の小さな湾奥のいちばん外れにあった。海岸の南側から眺めると、小さな白い四角いその建物と、新川鼻の断崖の出っ張りが一望になる。
南に向いて開けた湾口には、2本の防波堤も築かれている。その防波堤はどうやら石というか岩を組み上げて築いたようだ。岩ならこの海岸では不自由しない。
湾の東側は、50メートルくらいの断崖と100メートルくらいの急斜面が東に向かって伸びている。新川鼻は独立したやはり100メートルの高度を持つ丘と断崖絶壁でできているので、その先で島がくっついているように見えている。
与那国町の集落は、町役場もある北海岸東寄りの祖納がいちばん大きいようで、西の端の久部良がそれにつぎ、南の比川が三番手。集落はそれ以外にはなく、その他には人が住む建物はぱらぱらとしかない。祖納から比川を結ぶ道路が島を斜めに縦断していて、これから東側にはほとんど人がいない。
そこで、島の唯一の公共交通機関として、町が最西端観光に委託して運行している無料のマイクロバスは、祖納→久部良→比川→祖納、または祖納→比川→久部良→祖納といったルートで周回している。
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だが、やはり本数は少ないので、祖納から比川まで運んでもらって、帰りは比川から祖納の西外れにあるホテルまで、歩いて島を縦断してきた。歩けば島内全部歩いて回れないこともない、そんな感想ももてる与那国島である。
▼国土地理院 「地理院地図」
24.437659, 123.010791
沖縄地方(2014/02/17訪問)
タグ:沖縄県
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